リアルで趣味を語れる友人0の孤独
失礼いたします。こんにちは。
非常に平凡な、劇的でもない、ありきたりで、つまらない前置きをひとつ。
☆ ★ ☆
おそらく、このサイトを利用している多くの方々がそうであるように――。
私も小さい頃から本が好きでした。
毎日のように学校図書館に通いつめ、移動図書館(田舎だから)の日をカレンダーに忘れないようメモしている、そんな子供でした。
その中でも、とりわけ「推理小説」というジャンルが好きで、好きで、たまらず。
シャーロック・ホームズや少年探偵団から始まり、タイトルに「探偵」と名が付くものに手当たり次第、読み漁っていました。(マガール探偵団シリーズとか懐かしいなぁ)
小学生のくせに、我孫子武丸さんの『殺戮にいたる病』に手を伸ばし、驚愕とともに心が落ちる失敗をしたり(どうしてそうなったかは作品を知っている方ならお分かりになっていただけると)。まあ変な子供でした。
小学も中学も高校も大学も、本や漫画が好き、という友人はわりといた気がします。
でも――「推理小説が好き」という子は、どういうわけか一人もいなかったのです。
好きなものはやっぱり語り合いたい! でも語れる人がいない!
推理小説好きは、飽きもせずに継続しているのに、それについて心から語れる友人に巡りあうことが出来なかったのです。
どうして推理小説なんて好きになってしまったのか、自分を恨みたくなりました。不憫でした。
こうして日々を過ごすうちに、私は大人になってしまいました。
たぶん、もう、そういう友人を見つけることも無理でしょう。
ところがどっこい。
書籍だけに飽き足らず、ネット小説まで読み始め、この『小説家になろう』の推理ジャンルを発見しましたわけです。
どうやら、「推理」は『なろう』ではマイナージャンルのようで――いやだからこそ、コアな推理小説マニアがいらっしゃるようで。
インターネットという媒体を通してですが、自分がミステリ好きであることを明かせる唯一の場所ができ、心が解き放たれたような気分になったものです。
☆ ★ ☆
このエッセイは、そんな経歴をもつ素人の、勝手な独断を含む「読書の履歴書」です。
殆どが推理小説の話題になると思います。たまに映画や漫画の話題もあり。
当時、浮かれながら活動報告にしたためていたものを、加筆修正の上、転載していく予定です。(いただいたコメントを読むと懐かしい…。)
気まぐれ更新になると思いますが、ぜひミステリ好きのかたに読んでいただきたいです。
ではでは始めます――
2017.6.15 羽野ゆず