終章 end-6 顔合わせ
ツムギは他の勇者候補たちと別れるとすぐにフランとヴィルヘルムが待っている宿へと戻り、そして2人を連れて落ち合う予定の広場へと到着した。
ツムギたちが着いた時にはまだ他の勇者候補たちの姿は無く、ツムギたちは他の勇者候補たちをベンチに腰を掛けて待つことにした。
ツムギたちが広場に着いて10分程が過ぎて勇者候補の1人であるユナとパートナーのライオスが広場に到着した。
「ゴメン、待たせたみたいだね」
ライオスはツムギに謝罪すると連れてきた仲間を紹介した、ユナの仲間は全部で6人であった。
ユナとライオス、そして今回初めて顔を合わせた3人、そして先代勇者の仲間であったジャックを含めた6人だ。
「よっ、久しぶりだな」
ジャックはツムギに軽く挨拶の言葉を掛けた。先代勇者のユウトを追うジャックは結局、勇者候補と行動することがユウトに会う可能性が高いと判断してユナと行動を共にしていたらしい。
ツムギは先代勇者のユウトが自分と戦い谷底へと落ちたことをジャックに伝えるべきか悩んだ、が結局言えずに時間だけが過ぎた。
ツムギがユナと合流して30分以上が過ぎたであろう頃にハヤトが仲間を連れて広場にと到着した。ハヤトが連れている仲間の数にツムギは少し驚いた、少なくとも20人以上はいるであろうその数に。
「イチイチ紹介など面倒だから聞きたきゃ勝手に本人たちに名前を聞いてくれ」
ハヤトはツムギとユナにそう言うと離れたベンチに1人腰掛けた。
1人の背の高い女性がツムギたちに駆け寄って来た、ハヤトのパートナーのエリカである。エリカは丁寧にハヤトが連れてきた仲間の名前などをツムギやユナたちに説明をしてくれた、その数はなんと27人も居たためツムギの頭では名前など2~3人しか覚えられなかったが。
「悪いな、遅くなっちまったわ」
大きな声で詫びを入れてツムギたちの方に歩んできたのは勇者候補の最後の1人、レオンであった。
ツムギはこちらに向かって来るレオンの仲間の数に違和感を覚えた。レオンとそのパートナーのギーシュを入れて10人程である。
半年以上前にレオンと会ったとある村での仲間の数とそう変わっていなかった。
レオンはツムギたちに自分が連れて来た仲間の紹介をすると今回の魔女との戦いは異世界のために頑張ろうやと握手をした。
ツムギは初めて会った時からのレオンの変わりように面を食らったが、友好的に協力できそうで少し安心をした。
「久しぶりねフラン」
レオンが連れて来た仲間の1人がフランの方へと向かって来た。
金髪の縦ロールで少し生意気そうな感じでフランより少しだけ年上の少女であった。
ツムギは一度会ったことがあるその少女の名前を脳の記憶を漁って何とか思い出した、
フランと同じ女神の巫女セリーヌの弟子のセシリと言った名前であると。




