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第5章 5-1 4人目の仲間?

 ツムギたちは魔物の軍団の討伐に失敗して今は魔女裁判にかけられていた建物がある村へと引き返して束の間の休息を取っていた。

 大怪我を負ったユナも今はすでに軽くなら体を動かせるくらいには回復をしていた。

 ツムギは治癒魔法の、いやフランという術者の優秀さを改めて実感させられた。


 「これからどうなってしまうのでしょうか?」


 フランは心配そうな声で不安を口にした。


 その場にフランと一緒にいるツムギとルティは答えを持ってはいなかった。

 ツムギを含む3人は今回の作戦の総指揮を取っていたレクターのお達しを待っていた。

 今回の作戦は魔物たちに漏れていたことは疑いようがなかった、しかし魔女と内通の疑いのあるツムギが作戦を漏らしたのであれば自らを危険に晒したことになる。他に内通者がいるのか?はたまた魔女側にはそれ以外の方法でこちらの手の内を知る方法があるのか?

 レクターは他の賢人会のメンバーに連絡を取りツムギの処遇を検討しているとこであった。


 「お待たせ~」


 扉が開くとヴィルヘルムが明るい口調で入ってきた。

 そして何故かヴィルヘルムの恰好は女装姿であった。


 「ゴメンね~、待たしちゃって」


 ツムギはヴィルヘルムの明るい口調を聞き良い報告を期待したがヴィルヘルムが口にしたのは聞きたくのない言葉だった。


 「いや~残念ツムギ君、魔女との内通の疑いは完全には晴れなかったよ」


 ヴィルヘルムは笑いながらツムギに報告をした。

 何故残念な報告を嬉しそうにしているのかツムギは怒りが込み上げたが、魔物に取り囲まれたときにヴィルヘルムに一度助けられていることを思い出しツムギは怒りの矛を収める。

 失敗をしたとはいえ、命懸いのちがけの作戦をした自分にまだ疑いをかけている賢人会とやらにツムギは怒りの矛先をかえて怒りをあらわにした。


 「でも心配しなくていいよ、疑いが完全に晴れたわけではないけで大半は晴れたから。

ツムギ君はユナ君が魔物に襲われるところを救ったことが本当に未来を予知する力があるのかも知れないって、賢人会の御偉方も思ったみたいだよ。

それでツムギ君たちは変わらずに旅を続ける許可が下りたから」


 ツムギは偶然すっぽ抜けた剣が偶々魔物に当たっただけだということは黙っておくことにした。

 そしたヴィルヘルムの話にはまだ続きがあった。


 「監視役としてツムギ君たちの旅に1人同行することになったけど」


 「同行する人はどんな人なの?」


 ツムギはもしかしたらまた可愛い女の子が仲間に加わるのでは、と淡い期待を抱いてヴィルヘルムに質問をした。

 ヴィルヘルムは自らを指差した。


 「僕だよ」


 ツムギは喜ぶべきか悲しむべきか真剣に悩んだ。戦力でいうならばこれ以上の適任者はいないであろう、しかし人格に問題があるように思えてしかたなかった。


 「いや~、立場的に旅とかあまり経験がないから嬉しいな~。村々によって名産品とか色々とあるらしいから今から楽しみだよ」


 ヴィルヘルムは遠足に行く子供のようにはしゃぐ姿を見てツムギは不安を拭えなかったが、ともあれ頼もしい?仲間が(監視役)加わりツムギは次の目指すべき場所へと旅立つ準備をした。


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