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第4章 4-11 初代勇者という人物

 ツムギたちが居る地より離れた場所にレオンとそのパートナーであるギーシュは野営をしていた。レオンはツムギと別れてからも仲間を増やして旅を続けていた。

 レオンはその日パートナーであるギーシュに疑問に思っていたことを問い質した。


 「ギーシュ、ツムギの奴が未来を見通す力を持っていないと何故言い切れる。過去に未来を見通す力を持った奴がいたならまた現れても不思議じゃないだろ?」


 レオンの問いにギーシュは答えた。


 「初代勇者とそれ以降の勇者では大きな違いが2つあります、勇者候補は必ず複数人が召喚されますが初代勇者のときは1人でした。そして初代勇者のみが直に女神様から召喚されたそうです、それ以降は導師タウ様の手によるものです」


 レオンは理由を聞いたが納得するような納得しないようなあやふやな印象しか受けなかった。ギーシュはレオンの表情からそれを読み取ったのか言葉を続けた。


 「初代勇者は女神様から未来予知の力を授かったときに瞳の色が黒から金色へと変色したとわが家では伝わっています。それ以外にも細かな理由はありますが初代勇者とそれ以降の勇者は毛色が違うように感じられます」


 レオンは話を聞かされてもピンとこなかったがギーシュの中では何か確信を持っているように感じられた。

 ギーシュの話を聞いて別の疑問がレオンの中に生まれた。


 「何でお前はそんなに初代勇者に詳しいんだよ?」


 「私の先祖は初代勇者のパートナーを務めました、その功績によって異世界アヴェルトでも有数の名家となれたのです。それ以降も魔女との戦いでは毎回勇者候補パートナーを選出してきました。かっての栄光を取り戻すために私は勇者のパートナーになるためだけに教育を受けてきた人間なので」


 レオンにとってはどうでもいいことだがギーシュが自分を勇者にしようとする理由は家がらみであった。ギーシュの執念は他人を突き落としてでも自分を勇者候補するであろう、自分にとっては都合がいいとレオンはニヤリと心の中でほくそ笑んだ。



ギーシュはレオンに伝えていない重要なことがあった。初代勇者は魔女を倒したが再び魔女は復活した、新たな勇者候補が魔女を倒すために異世界アヴェルトに呼ばれたがそこに最初の黒い仮面の魔人が立ちはだかった、黒い仮面の下には初代勇者と同じ金色の瞳を覗かせていたことを。

 この異世界アヴェルトには隠された何かがあるのかもしれない、しかしそれを暴こうとすれば神の怒りを買うことになりかねない。ギーシュは憶測を自分の胸の内に閉まっておいた。


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