第2章 2-4 魔法
~~場面はもう一人の主人公のツムギへと戻る~~
ルティから聖都を襲撃されたことや導師タウが殺されたことを聞かされて急いで村を出ることにした。
女神側の戦況が不利になり、ゆっくりとしていられなくなったからだ。
「で、次は何処を目指してるの?」
ツムギはルティに尋ねる、状況を簡単に説明されるやいなや、次は何処に向かい何をするのか全く聞かされてないのだ。
「次に目指す場所は女神様の巫女である聖女、セリーヌ・シャルロット様がいる村よ。 本当は聖都の周辺で力を蓄えて強い仲間を作る予定だったんだけど、聖都が安全とは言えなくなったからね」
ルティは目的地の説明をすると次は何故そこに行くのかを説明してくれた。
「異世界で一番強い魔法を使えるのが導師タウ様、その次に強力な魔法を使えるのが女神様の巫女セリーヌ様よ。セリーヌ様に旅の同行をしてもらうか、それが無理なら魔法を習うつもりで会いに行くのよ」
魔法と言う言葉に胸をトキめかしたツムギは魔法について説明をしてくれるようにルティに頼む。
ルティは続いて魔法の説明をツムギに始めた。
「異世界では魔法は6種類あるわ。自然の力を(精霊の力を)借りた魔法が4種類、これは風、土、水、火、の4つよ。
それと女神様の加護によって使える光魔法、魔物には一番効果的だけど扱いが他の魔法よりシビアね。そして最後の1種類は私たちには関係ない、というか使えない魔法ね」
「勇者ですら使えない魔法があるの?」
ツムギは納得ができないとばかりに尋ねる。
「あんたは勇者じゃなくて勇者候補よ、それに歴代の勇者様や、導師タウ様でもそれは使うことは出来ないわよ」
ツムギはルティのトゲのある言葉に苛立ちを覚えたが、最後の魔法が気になり大人しく続きを黙って聞くことにした
「6種類目の魔法は闇魔法よ、光魔法は女神様の加護によって使うことが出来るって言ったわよね?
じゃあ反対の闇魔法はどういうことか分かるかしら?」
イタズラっぽく笑うルティの顔に思わずドキッとしてしまい顔が赤くなり、顔を横に背けて答える。
「つまり闇魔法は魔女側にいる魔物が使うってことなんだろ」
「残念、ちょっと違うわね。魔物は魔法を使えないわ。闇魔法を使えるのは魔女に寝返った人間だけよ。そして魔女側に寝返った人間は{魔人}と呼ばれてるの」
(魔人てヒビキなんかカッコイイな)
言葉に出したら怒られそうなのでツムギは言葉を口にはしなかった。
「魔法の話はここまで。さっきの続きに戻って女神様の巫女であるセリーヌ様の説明に戻るわよ」
ツムギは何故だか{魔人}という言葉に引っかかっていた、まるで自分も無関係ではないような気がしたからである。




