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Ⅱ
二十分近く前、私は自室で、携帯電話にお母さんから送られてきていたメールを読んだ。メールには『学校から帰ってきたら、電話して』と書いてあったので、お母さんにはすぐに、携帯電話に電話をかけた。
『もしもし、ゆみ?』
お母さんはすぐに電話に出てきた。
『何かあったの?』
私は帰宅したらすぐに大学受験に向けて、勉強を始めるつもりだったので、用件だけを尋ねた。すると、お母さんは『夕飯が何なのか、メモ用紙に書いておいたんだけど、メモ帳から切り取るの忘れてたから、自分で抽斗を開けて確認してくれる?』と言った。
それくらいのこと、電話で今伝えれば済むことなのに、そう思ったけど、口にはしなかった。
電話を切った後、私は居間に向かった。その際、テーブルの上に見覚えのあるメモ帳が置いてあることに気付き、私は何も疑わずにそれをぱらぱらとめくった。
メモ帳が、私を陥れる罠だったとも知らずに……。




