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ただいま迷走中!?  作者: 呪理阿
四月 入学したらさあ迷走
21/102

21 初日です、中学生

 水中の制服は学ラン。冬暖かそうでいいなーとか思ってた。

 春暑いなコレ! 黒だから熱吸収するし!

 しかも兄ちゃんのお下がり。でけぇ。

 母さん曰く、兄ちゃんの時も大きかったってさ。すぐ丁度になるって言ってたけど、すぐってどれくらいだ。

 岳だー。

 今日は入学式。中学校のーって買ってもらったスポーツバック肩から下げて、家を出た。

 しばらく進んだところで修也、翔と待ち合わせ。奈那子さんは家が遠いから、別の子と行くってさ。

 修也は居た。翔は基本的に遅刻する奴だ。

「お早よ」

「あぁ、岳。お早う」

「……学ランだ」

「制服なんだから当たり前だろ! 岳だって学ランだろうが」

 なんだろ。自分と同じ服を他の人も来てると何と言うか、変な気分?

「ぶかぶかじゃん」

「お前が言うか?」

 修也『も』ぶかぶかじゃん。これで満足か!

「修也ぁ、待ち合わせって何時だったっけ?」

「十二時半」

 一時十五分に集合だからなー。

 中学の入学式は午後から。午前は従弟の神谷こうやが小学校に入学した。小中学校が同じ日に入学式やるからか?

「で、今何時だと思う?」

「……さぁ?」

「十二時三十二分は過ぎてるぜ。さっき来る途中で見た時計がそうだったから」

「…………お前遅刻して来たのかよ!」

「どうせ翔は遅刻するからな!」

「威張るな!」

 無駄に待つの嫌だし。

「どうする。翔ほっぽって行くか? っつーか待つより行った方がいいと思う」

「……そうだな。行くか」

 よし。

 翔、お前は一人寂しく来い。迷子になっても俺は知らねぇぞっと。

「たぁああけぇええるぅうう! しゅぅううやぁああ!」

 ……怖いの来た。

 学ランで、何か怒って叫んでる、地味に怖いの来た。

「修也? コレって逃げるべき?」

「うん」

 よし、せーのでダッシュ! 来るなぁ! 既にすぐ後ろまで来てるけどな!

 ……このまま迷子になったりしねぇよな? こないだ行ったところだもんな?

 この道曲がって、ここはしばらく真っ直ぐで……!

 ……疲れた……。まだ翔来てるか?

 後ろを振り返ってみた。大分後ろに翔が居た。修也がとり付かれてた。足の速さに大差は無かったか。

 まぁ良かった。休める。疲れたぁあああ!

 休んだ。疲れは取れた。復活。しばらくしてから、修也と翔が来た。

「遅ぇよ」

『速ぇよ!』

 ……本気で走ったからな。

「で、翔、何にとり付かれてあんな事に?」

「岳と修也の裏切り行為にとり付かれてあんな事に……」

 裏切り行為ってとり付くモンか?

「岳の学ランだー。純さんかと思った」

「似てるだろ」

 無表情!

「うん」

「え、そこ頷くか?」

 俺、兄ちゃんほど怖くねぇぞ。絶対! これは自信持って言える。

「でも髪型違うからあんまり似てない」

 髪型の違いでけぇな。

「……修也ー? あれ? 修也が喋らなくなった」

「翔の恨みでとり付かれたんだろ」

「えぇ!? どうしよう!? 俺捕まる? 警察に連れてかれる?」

「んな訳ねぇだろ!」

 聞いた事ねぇよそんな話!

「修也、どした?」

「……眠い」

「あぁ! 修也ってひょっして、昼寝する人か?」

「違う! 花粉症の薬で……」

「んじゃもっと弱い薬にしろよ」

「効かない」

「……大変だな」

 としか言えねぇよ。

 そんなこんなで学校に着いた。

 色んな人が来てるな。水小と第二水小、第三水小から来るはず。知ってる人もちらほら。

「クラス、何組だろ。四クラスあるよ」

 高山、高山っと。あ、あった。

『高山しゅん

 誰だ!

 ……あぁ、その下にあった。ややこしくね? 同じ名前ならクラス別にしろよ。

「岳、何組ー?」

「四組」

「あぁっ!? 俺二組だ……」

 え。

「修也は?」

「さぁ?」

「修也、何組だ?」

「三組」

「奈那子さんは」

「一組」

 なんでここまでばらっばらだ!?

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