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昨日の続き

うまくいくとは限らない、もしかしたら余計にこじれてしまうかもしれない。それでも何とか食事を終えると、春斗はクララに言った。少し強めで、わざと命令口調にした。


「クララこれは私からのお願いではない。命令だと思ってくれていい。この先も、この家に居たいのなら、ぜひ聞いて貰わなくてはならない。いいね。」

クララは、ビクッとしたようだ。そのように男から言われると、従わざるを得ないような生活だったのかもしれない。


「はいっ。旦那様。」

神妙な顔をして答える。

「今夜、食事の片付けが終わったら、直ぐに湯殿に来なさい。その時は、体に何も身に着けていてはいけないよ。分かったね。私は、中で待っている。」

クララは、何をされるのかを感じ取ったのだろう。


旦那様は、怒っているようだし、男というものは怒ると女に乱暴をする。ただの乱暴ならまだいいけど、犯されるかもしれない、男とはそういうものだ。でも、私はその覚悟をして、それでも旦那様の世話をしたい、そう思って奉公に名乗りを挙げたのだ。


昨日の夜に、それが起こらなかったのは、奥様が居たからにほかない。何を怖がることがあるの?私はあの日、ギャモンドから命を助けられた日から、旦那様の傍に居たいと思っていたのだから。クララは不安と共に、これから起こることに期待もした。


「わ、分かりました。夕食後に直ぐに支度をして参ります。」

大きくお辞儀をして、クララは後片付けに取り掛かっている。

春斗は、言ってしまった後で、少し後悔した。本当のところ、男女や身分に差はないのだ。それを、身をもって教えたかった。美月には、その訳を説明した。美月にも立ち会ってもらうためだ。美月もクララと同様に、ハルトの考えには口を挟まない。


裸のままで向き合えば、身分の上下も男女の差も何もない。それを教えたかった。いくら言葉で言っても、クララには頑固なところがあるし、身に付いた習慣は言葉で説得しても、なかなか捨て去ることはできない。荒療治が必要だ。


そう思ったが、本当にそうだろうか、と自問自答した。単にクララの裸が見たいだけなのではないのか。この住まいで初めてクララにあった時の、あの姿かたちに見とれてしまったのではないのか。どちらが美人かと言えば、クララより美月のほうが美人だ。スタイルもいい。でも美月は、ドロイドだ。生身の人ではない。


それに比べ、クララは生身の女性だ。それを欲していないか。美玖という妻を亡くして、後悔と懺悔と苦悶の日々があったが、思いもよらない展開で、何とか今日までやってきた。それでもこのような平穏で、地球とは違う世界とはいえ、安心して暮らせる基盤ができた。


それで、単に性欲がぶり返し、美月やクララではなく女を欲しているのではないか、そんな邪な思考も有るのかも知れないと思いつつ、それも否定した。まあ、なるようになるさ、これから、三人の生活が始まるのだ。重い空気のままでは生活ができないし、クララに出ていけ、とも言えないのだから。長い一日が過ぎて、重い空気の中での夕食も終わった。


春斗は後片付けをしているクララを後にして、湯殿に着くと衣服を全部脱ぎ棄てて、湯船の中へ身を投じた。美月も同様だった。昨日と同じように、ハルトの横で湯に浸かっている。ランタンの光が湯船にも届いているが、外からは湯殿の中は見えないはずだ。いろいろな思考が停止して、ゆったりと湯に身を任せる。


春斗は、湯殿の出入り口に背を向けている。しばらくすると、ひたひたと、湯殿の床を歩く音が聞こえてきた。

「だ、旦那様。ま、参りました。」

消え入りそうな声が、後方から聞こえてきた。


「うん、ここへお入り。」

「で、でも、ご一緒するには、憚れます。」

「何を言うんだ、これは命令だと言っただろ。入れ、と言ったら入ってくるんだ。」

わざと強い言葉で言った。春斗は、まだ振り返っていない。言葉と裏腹に、その顔には苦悩の色が見える。


「は、はい。分かりました。そ、それでは、失礼します。」

クララは、そっと体にかけ湯をしてから、春斗のいる場所より少し離れた場所で、湯に浸かると半身になり春斗に背を向けている。


春斗は、横目でクララを見た。色白の体に、大き目の乳房が前方へ突き出している。地球人と何ら変わりはない。その姿を見た瞬間、春斗の体の一部に変化が起きた。クララは俯いているが、くびれた腰から豊満な尻の線が、湯の中で揺れている。生身の女性の裸を見たのは、美玖との初夜以来だ。春斗は、あふれ出る性欲を抑え込んで、クララに言った。


「これからする事に、決して逆らってはいけないよ。分かるね?」

しばらくそうして湯船に浸かった後で、意味ありげに言った。美月は黙っている。そう言いながら、春斗はなんて、自分は意地が悪いのだろうと思ってる。


「はい、旦那様。何なりとお申し付けください。」

クララは長い髪を、頭の上で結んでいる。その手には、手ぬぐい一つ持っていない。それは春斗も同様だった。


「それでは、湯から出て縁の傍で真っすぐに立つように。」

クララは言われるままに、湯船から出るとその傍に立った。両手で、陰部を隠している。濡れた体から、雫が足元まで垂れ始めている。寒くはなかった。両乳房があらわになっている。両手で前を隠しているために、両腕で乳房が圧迫されて、余計に乳房が大きく膨らんでいる。ピンクの乳首が、ツンと前に突き出している。


クララは、恥ずかし気に、まだ俯いていた。春斗も湯船から出ると、そのすぐ前で立った。いきり立った一物が、天井を向いている。クララは、春斗の体を見ようとしていない。


「クララ、その手を開いて全部を私に見せなさい。そして、私の体もじっくりと見るんだ。」

春斗が言うと、やっとクララは前を向き、春斗を見た。そして、両手を広げて、すべてをさらけ出した。その手のあった場所には、髪の毛と同様に茶色の陰毛が薄く茂っている。その下には、縦の溝も見える。美玖と同じだ。何も変わりはしない。


「ミツキもクララと同じように、その場で立っていてくれないか?」

はい、と返事をして美月もクララの横へ立った。

「クララ、よく見てみなさい。私とミツキとクララと、どこが違う?それは男女の差は歴然だろう。でもそれ以外に、違うところはない。女性が、男性よりも劣るということはないんだ。むしろ、女性の方が美しい。


それに、私と、死んだクララの父親と何が違う。同じ男だ。裸になれば、身分の差も男女の差も、無いに等しい。これから、クララと生活をしていくんだ。私にへつらったり、遠慮したりしないでほしい。私は、クララと同じ場所で食事をし、同じ場所で風呂に入り、同じ家で生活をしたいんだ。


そうはいっても、クララに頼らなければ、私の生活は儘ならないかもしれない。食事や洗濯や掃除など、家事などは任せてしまうかもしれない。それでも、私は同等の責務を負いたいんだ。分かってくれるか?」


クララはワッと言って、顔を手で覆いその場に泣き崩れた。白い細い背中が見えて、一本の背骨が弧を描いて尻の方へ続いている。その背中が小刻みに揺れている。背中の脇から、胸の膨らみが見え隠れしていた。


美月は湯船の湯を手桶ですくって、その体に掛けてやっている。冷えないようにとの気遣いなのだろう。クララは、驚いて顔を上げた。体は三つに折れていて、胸と腿が着いている。

「ごめんな、クララ。恥ずかしかっただろう。それに私のこんな物も見せられて、気持ち悪い思いをさせてしまった。ごめんよ。」


「いいえ、違うんです。私は嬉しいのです。こんなに、私のことを大事に思っていただいて。それに、私はあの日、旦那様に助けられて、父親を亡くしたのはとても悲しかったのですが、それ以上に旦那様と巡り会えたことが運命のような気がして。それに、それに今は、こうして同じ屋根の下で暮らすことができる。こんな幸せな事ありません。この気持ちは、生半可な気持ちで申し上げているわけではありません。心の底から、そう思っているのです。奥様にも優しくされて、とても嬉しいのです。」


クララは、顔を赤くしている。湯の温度と湯気が、そうさせているのかもしれない。

「でもクララさん、旦那様を誘惑しないでね。ハルトは私の大事なハルトですから。」

美月が思わぬ言葉を言った。それも茶目っ気たっぷりに。こんな一面もあったのか、と思うほどだった。


「はい、奥様。私は奥様の代わりなんかにはなれませんが、精いっぱい旦那様のお世話をさせていただきとうございます。私を、お見捨てになさいませんよう、お願い申し上げます。至らないところは、直します。私を、お傍に置いて下さいまし。」


クララは、美月に対してもそう言った。クララは気持ちが落ち着くと、お先に失礼します、と言い残して湯殿を出て行った。春斗と美月は改めて湯船に浸かり、春斗は気を静めようとしたが、なかなかそうもいかない。この頃は、続けて感情が高ぶる場面ばかりだ。両手で湯をすくって顔を洗っていると、美月が横に近づいてきた。春斗の頭を抱えるようにして、胸の谷間に顔をつけさた。


「ハルト、私にも嫉妬心は有るのです。何回もハルトの気を引こうとしましたが、ちっとも相手をして頂けないのですね。私とクララではどちらが好みなんですか?」

驚きの言葉だった。我慢をしていた気持ちが一度に弾けた。


春斗は美月の前に移動して、その体を抱きしめると舌を美月の舌と絡みつける。右手は乳房を弄っていた。弾力のある美月の乳房が春斗の掌の中で蠢いている。暖かい湯の中で、暖かい美月の体温が春斗の全身を包み込んでいく。唇を離すと、うっとりとした顔をした美月が其処に居た。

そして湯船から上がると、今日は寝室へ二人で入って行った。


続きは明日。


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