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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

【胸糞/非読上推奨/2分】暗躍する悪役系筋肉魔法ショタ

作者: ももいろうーず

人畜無害な金髪巻き毛の美少年と思いきや、実は胸糞な悪役。そんなショタが魔王軍四天王に「何してのー」と気軽に声を掛けられるマッドマックスなお話。追い詰められるとマッチョな怪物に変化する悪役の裏にはショタがいた。つまり、マッチョマックス。

 

挿絵(By みてみん)

 

 

 僕は、愛され金髪巻き毛の美少年。

 今日は半ズボンに物欲しげにすり寄る、一匹のぬっこを見つけた。

 

「ほーれほれほれ」

「にゃーん」と鳴くぬっこに、僕は優しく声をかける。

「ほおら、これをお食べ」

 

 ゴパァ! 僕は口から、まるでキリンの舌のような、ぬるぬるとした筋肉の塊を吐き出した。

 

 

 ――ビッチビッチ

 

 

「に゛ぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 ぬっこは悲鳴を上げて逃げていった。

 

「なんで、猫まで僕を拒むんだ……」

 

 

 ――僕の魔法は筋肉だ!

 

 

 筋肉を生成する魔法。筋肉の塊、つまりそれは触手。

 そう、僕の「筋肉魔法」とは、要するに「触手魔法」のことなのだ、のだ☆のだー!

 

「マスキュラーブレス」

 

 ゴパァ! 再び、キリンの舌そっくりの筋肉の塊が飛び出す。

 

 ビチビチ――

 

 僕はその、丸々と愛らしいソレを摘まみ上げ、じっくりと眺める。テラテラとぬめる表面、粘液が引く糸、元気よく跳ねる筋肉の塊。何一つ非の打ちどころのない、完璧な肉袋だ。あまりにも可愛くて、まるで赤ちゃんのようだ。食べちゃいたいほどに。

 だからこそ、自発的に誰かに食べられに行かせる親切設計。そして、食べた者は筋肉が肥大化し、見るも無残なバケモノと化す。バケモノは倒されると、跡形もなく消えてしまう。

 

 こんなに素敵な魔法なのに。誰からも理解されないなんて。

 

 ベチ

 

 ソレを投げ捨てると、ヌラヌラと粘液で濡れた指先を、近くの木の幹に擦り付けた。ウヘーバッチィー

 

「あー、誰か力が欲しい人居ないかなー。ざまぁされる直前の人とか、非道を働いてピンチな悪役の人とか、婚約破棄された直後の悪役令嬢とか。めっちゃマッチョに巨大化させてあげるのにー」

「それはいいことを聞きました」

 

 声のした方に目をやると、そこにはピエロの変態が立っていた。

 

「なに君、魔王軍四天王みたいなやつだなー」

「うひょ、そうでス、私が魔王軍四天王でス」

 

 変てこりんな自称魔王軍四天王と、目がイッちゃっている者同士。どこか通じるものがあったのか、僕は彼に力を貸すことにした。

 

「うひょひょ、さぁ、付いてきてください」

「なんでいつも笑ってんの?」

「うひょひょ、それは面白いからですよ」

「そうなんだ。横隔膜が痙攣する不治の病を治すため、泣く泣く魔王軍に協力しているんだね。よくわかるよ。大変だねー」

「うひょひょ、話聞いてましたか?」

「だいじょぶ、全部分かってるから。かわいそうな君を僕が助けてあげるよ、ほら、お食べー」

 

「はがぁっ、おごぉ!」

 

 自称魔王軍四天王の人はみるみる膨れ上がり、筋肉の化け物にスクスクと育った。筋肉の塊が足から侵入したせいで、外観はまるで巨大ロボのようになってしまった。

 

「うわぁ! 凄い、硬くておっきいよォ! 凄いよォ!」

 

 パァン――

 

 自称魔王軍四天王の人は、そのまま爆発した。

 

「うへぇ、汚いなー。リア充とは相性悪いんだよね、まったく詐欺にあった気分だよー」

 

 肩に乗っていた、小さい自称魔王軍四天王を払い落とす。僕は再び鼻歌を歌いながら、悠然と街道を歩き始めたのだった

 

 

 

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