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1-3 第一層の世界から(1)

「ボクの名前はレノン。T-403シェルターから来た」


 レノンがゆっくりと語りだした。


「Tシェルターというと20年前くらいに政府が作ったツイスター地区のシェルターじゃないか。ということはシェルター育ちかい」


 老婆はそう聞くと少しだけレノンは眉を動かした。


 

 14年前、未曽有の大災害が起きた。発生源は不明。

 国による核攻撃でも細菌兵器でも無く、闇のような影が世界を徐々に覆いつくし地は荒れて巻き込まれた人々は忽然と消えた。

 

 人類史で見たことのない世界の崩壊である。

 

「育ちはシェルターだけど、生まれはツイスターの一角にある一軒家だ。生まれてすぐあの日が起こってしまいシェルターに身を寄せたけど」


「そうかい……」


 既に多くの皺が刻まれた眉間に更に数個刻ませて目を瞑って天井を仰ぐ。


「シェルターは外界の安全が保証されない限り開くことはないはずだろう? なのに何でシェルターにいるはずのお前さんはここにいる」


「……父が科学者だった」


 ぽつっと漏らすて少しだけ悲しげな表情を浮かばせて床に視線を向けた。


「急にシェルターの外に出て行ってから、あの銃がボクの元に届いて……一緒にメモが入っていたんだ」


「どんな事が書いてたんだい」


「『そこから脱出しなさい』。その一言とシェルターからの脱出方法、次いでそのルートが書いてあった」


 レノンは身に着けていたポーチから一枚の紙を広げると、老婆が目を細めてそれを見遣る。彼女が言っていた通りの記載がされていた。


「シェルターは様々な監視下の元運営されていたんだけど、父が管理を任されていたからその穴をみつけて綴ってくれたんだと思う。だから誰にも見つかることなく脱出できた。それが一週間前」

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