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データ供養所

【プロローグ?のみ】特殊な世界の転生者の黙考

作者: まい

 起承転結はありません。


 面白いと言えるか不明ですので、それを承知の上でどうぞ。

 私は地球の日本に人間として生きていた、前世の記憶がある転生者。


 目標の大学に合格して、あと少しで大学生生活だ!


 と浮かれていた春休みに、浮かれすぎて高校時代の友達と最後の思い出づくりとか言って、山へキャンプに行って1人遭難(そうなん)してそのまま死んじゃった、馬鹿な奴です。


 完全に意識が途切れる前に救助隊っぽい派手な色をしたのが近寄ってきていた気がしますが、その時にはもう意識はハッキリしてませんでしたから、私の遺体は誰かが発見してくれたかもしれないのが救いですかね。



 私は暇つぶしに読んでた小説投稿サイトの影響で、私が西洋中世風ファンタジー世界へ転生したら、コレをする!


 みたいな事を勉強していた、ちょっと口にできない過去を持っています。


 それを実践する最初で最後の機会として、そんな恥ずかしい妄想の供養のつもりで、キャンプへ出かけたって面もあったりします。



 まあ結果は、なぜか本当にそんな世界への転生ってオチが付きましたが。


 …………日本の家族は、私の死に様をどう思ったかな? 呆れてるかな? 馬鹿だと笑い飛ばしたりして、私の死が重荷になってなければいいけど。 一緒に登山した友達もだけど。


 前世の家族や友達へ。 私は異世界で好きに生きてます。





 それで私は特別な出自を持たない、地方の小さな町の町民の娘として生まれました。


 現在はあと2年で働けと言われる年齢にまで育ちました。


 育った姿はなんというか……どこをどう見ても特徴がない、薄い顔に薄い存在感、周囲に溶け込む身長・体格・プロポーション。


 前髪を伸ばして目を隠すようにすれば、完全にゲームで見かけるザ☆モブ。


 着ている服を変えるだけで、別人だと扱われそうな位にモブ。


 この小さな町にも似た女の子が何人かいるのに、それでも○○の所の娘と認識されるし、認識できる恐ろしい世界。


 そんな世界はファンタジー世界。 剣と魔法と魔物の世界。 ちょっと物騒なのが怖いですが、住めば都です。




 そんな感じですが、この世界は前述のだけでは納まらない、なんとも変な世界でした。


 心の器と書いてレベルと読み、SPと書いてソウルポイントと読み、技能はスキルと読みます。


 そしてレベルが上昇するごとに増える魂の総量……ソウルポイントを使用して、スキルを得る。


 スキル取得に使ったソウルポイントは永久的に喪失(そうしつ)するので、ソウルポイントの最大値が減ってしまうリスクが有る。


 スキルは得たからと言ってすぐ使えるようになるタイプではなく、スキルの名前に関した技量が伸びやすくなったり、関係する作業を助ける特殊な超常の力を、気付いたら使えるようになっているタイプです。


 まあ【○○魔法】とかの系統は、スキルを得た瞬間に最初期の魔法を使えるようになるそうですが。



 そんなスキルを得る方法は、自身の心を(のぞ)き込むようにする。


 するとSPの総量と得られるスキルのリストが浮かんでくる。


 スキルリストはヒトそれぞれで、なにかの行動で得られるスキルが増えたりもします。



 そういったレベル制でありながら、ステータス制では無いそうです。





 こんな変な仕組みを持った世界ですが、実は私、そのスキルを取っていません。


 


 小さな町には図書館は有りませんが、町長の家には町民が好きに読んで良い本棚がいくつかありました。


 私が小さかった頃には数少ない娯楽として、文字を教わりながら入り浸っていました。


 その中の本に、ソウルポイントに対する研究・考察の記録があったのです。


 そこには、なぜソウルポイントでスキルを得られるのか。


 スキルを使うのにもソウルポイントを使うので、ソウルポイントを全部使うとスキルが使えなくなるのか。


 取得するスキルによって消費するソウルポイントの量がなぜ変わるのか。


 スキルの中の超常の力を使う時に消費したソウルポイントは、なぜ休んでいると回復するのか。


 それとなぜそんな重要な要素が1つのポイントになっているのか。


 スキル取得に使わないでとっておくソウルポイントは、どの位が理想的か。


 スキルはどんな取り方が良いのか。


 似た名前や用途のスキルの違い。


 そんな感じで思いついた事が無秩序に(しる)されていました。


 これ、メモ書きみたいなものでしたね。



 それを読み終わった時に思ったんです。




 スキルってもしかして、ソウルポイントが用途目的に合わせて形を変えて固定させたモノってだけではないのか?


 スキルを取得しなくても技術の成長が遅くなるだけで、超常の力をその内使えるようになるのではないか?


 って。



 それでそれを実証する為に、スキルを取得してないんです。


 周囲には猛反発されましたが前世ではそんなスキルなんてありませんでしたから、多少不便でもどうにか生きていけるのは知っていますので、頑固(がんこ)に貫きました。


 スキルを取得した同年代の他の子達に、どれだけ変な子扱いをされてもめげずにスキルの観察と再現の努力をし続けました。


 それが10年は続いてます。


 他の子達は1年もしない内に超常の力を見せ始めていましたので、大きな出遅れになっています。


 が、超常の力ではない所は前世の知識でカバーできていて、スキルとは違うものの、スキル持ちに見劣りしない技術を持っている事は不思議がられています。


 超常の力の方ですが、なんだかあと一歩です。


 本能が、キッカケ1つで使えるようになると(うった)えかけてくるのですが、そのキッカケが分りません。


 魔法でもなんでも、超常の力を使える様になったヒトにどうやって使っているのかを()いてみても、皆さんなんとなく使っているとかで全然分からないのですよ。


 だったらと、小説で読んでたみたいに超常の力が使える不思議な力の(みなもと)から取り出してみようと思ったのですが、その源の場所が全く分からなくて空回り。


 それが数年前。


 そこから手あたり次第に、がむしゃらに、あれもこれもと手を出して、足掻(あが)く様に迷走をしました。


 この感覚がとてももどかしいので、落ち着かなかったのです。


 あと薄皮一枚。 薄皮。 ウスカワ……ああ、薄皮饅頭食べたい。



 なんて前世の変な横道にそれることも有るけれど、超常の力を再現する努力は続く。


 なんだかスキルリストに【努力補正】とか【万能】とか【地球技術】とか、魅力的で誘惑的なスキルを見かけたりするけど、それにも負けず嫌い努力を続けます。







 …………あー、超常の力なのだから瞑想(めいそう)してみれば何か掴めるかも?


 小さい頃に少しやっただけで()ぐ止めてしまったけど、今なら何か違うものが見えるかも知れないですから。


 なので早速、私の部屋でやってみましょうか。





 何も見えないとナンだし、ソウルポイントを覗き込みながら………………ふーーーっ。


 最近は寒くなって来てかないませんね。


 寒いほうが意識がシャンとして精神統一が(はかど)るとか言いますが、そんな寒さじゃないですって。


 はーーーー。


 私の周囲だけ温まりませんかねぇ。


 こう……見えてるソウルポイントから少し蛇口を(ひね)るように出して、出たソウルポイントを私の近くに浮かぶ小さな火に変換出来たら、どれだけ温まれるか。



 ほら……そうそう。 温かくていいですねぇ。 こんな風に松明(たいまつ)程じゃなくてもそこそこの大きさの火が――――




 ――――ん?


 なんであるの? なんで目を(つぶ)ってたのに火の大きさまで感知できてるの?


 それにここ、私の部屋では?


 そんな所にロウソクとかランタンより大きな火は危ないから、絶対に無いはずなのですが?



 え?


 は?


 え???

 それ以降の転生者の女の子は、様々なスキルの超常の力も同じ方法で出せるのを知り、ノースキルなのに万能な女の子として知れ渡っていく。






〜〜〜〜〜〜


以下、蛇足



 とある方が投稿されている作品のシステムが面白く、それに影響を受けて書きたい部分だけを書いてみた。




 この世界は魂の力をスキルという形で補助する特殊なシステム。

 なのでスキルはその方面に補正を与えるだけ。

 つまり性格とか体質とかも含めた素質しだいですが、努力すれば大体何でもできるようになる。

 ぶっちゃけ現代と余り変わらない。ただその努力がスキルの手助けを受けて花開きやすくなっている世界。


 スキルリストに習得可能スキルとして生える条件は、熟練度や知識や身体能力、一部は特殊条件も有るが、それらが規定以上になる事。


 別に取らなくても時間と努力がより必要になるが、スキルと同じ事が出来るようになる。


 つまりソウルポイントが多く残っている分、超常の力を多く使えるので、最終的にはスキルを持っていないヒトの方が強くなる。


 だがまあ、その辺はセンスで簡単に覆ったりするから、数字とかの面でだけって但書(ただしがき)がつきます。


数値的な最終的な強さ

 完全ノースキル>スキルを少しだけとった>スキルをいっぱいとった>無計画にあれもこれもとスキルを大量にとった

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― 新着の感想 ―
[良い点] これは主人公の物語ではない(独断と偏見)。 家族や周りの人が『変人』の主人公を、それでもあたたかく見守ってくれるというハートフルストーリーに違いない。 他のなろうなら『無能はいらない・追…
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