【第9話】半分でバカな男ともう一人の仲間
良かったら後書きまで読んでいただけると嬉しいです!
俺は今日、硬木署に呼ばれている。店長やメイさん、万丈も一緒に。四人で前回と同じ会議室に向かうと、そこには対X特務課の三人が待っていた。
先ず口を開いたのは、特務課のリーダー、六納司令だ。
「えー…オービアスの面々、今日は集まってくれてありがとう。君たちを今日呼んだのは他でもない…………」
長い沈黙が俺達を包み込む。身内であるはずの不破や伊佐敷さんも緊張を隠せていない辺り何も聞かされていないのだろう。全員が……正確には無表情のメイさんと基本人の話を聞いていない万丈の二人を除いた全員は六納指令の次の言葉を待っている。
「暫定化け物だった万丈君の精密検査の結果が出たので皆さんに共有したいと思いまーす!! はい拍手っっ!」
「「「「そんな事かよ!!!!」」」」
「六納指令! そんなクソどうでもいいこと朝から今まで隠してきたんですか!? 俺ァ今日話しかけてもずっと『ああ……そうだな……』しか言ってくれないからなんかすごく重い話があるのかと思ったじゃないですか!!」
どうやら、マジに何も聞かされていなかったようだ。今ならこの感覚を共有しつつ不破と仲良くなれそうだ。
「そうっすよ!!!! 指令のバカ! 報告・連絡・相談不足!」
「上司に向かってバカは言いすぎだぞ緑馬」
「先輩すぐ殴らないでくださいよ!」
「そうだぞ不破ー、今回は私の方にも責はあるからな。二発までにしとけよ?」
「じゃあもう一発行かれるんですか……? あ! その手の形痛い奴! やっぱり痛い!」
「あの!……そろそろ本題に行きませんか?」
カオスな場を一瞬で沈めたのは店長だ。普段はボケタイプでも基本全員ボケの特務課メンバーと絡むとツッコミに回る様だ。
「ああ、そうだな···すまない。じゃあ本題に入るとして、万丈君の神性機械によらない再生能力、それについての検査結果が出た。ここからは今回の検査を担当した特務課の研究担当に話をしてもらう。入って来い」
そう六納さんは奥の扉に向かって言葉を放った。しかし一切の返事は無い
「おーい······怖くないから出ておいでー······」
今度は猫撫で声で問いかける。······しかし返事は帰って来ない
「······後で1万円だけスマホゲームへの課金許してやるから······」
「ホントですか六納氏」
あ、課金を餌にしたらソッコー出てきた。奥の部屋から現れたのはジャージを着た女性だ。例えるなら······牛乳瓶の底のような丸メガネをかけているハムスターの様な。そんな女性が出てきた。
「ほらっ! 自己紹介位は自分でしな!」
「あ······あの······自分、七羅輝 羅々と申す者です······よ、ヨロシクオネガイシマスッッッ!」
「よろしくお願いします! ララさん!」
丁寧でありつつフレンドリーな感じでいってみよう。何やら緊張しているようだし···
「アガヒュルョバアッ!」
なんだ!? 急にぶっ倒れたぞ!?
「ララさん!? 大丈夫ですか!?」
「あー、空牙君気にしないでくれ。七羅輝は下の名前で呼ばれると『キラキラ☆青春コンプレックス☆』の影響で失神するんだ。しばらくすると起き上がるから、ちょっと待っててくれ」
また訳の分からん人が増えてしまった······このメンバーで特務課は大丈夫なのだろうか······
15分程経ったらララさん······ナナラキさんは本当に何事も無かったかのように目を覚ました。
「す······すみません。私のせいで話を中断させてしまって······じ、じゃあ手早く話しちゃいますね······周年ガチャ今日までなので······」
「――――まずこちらが通常の人間の遺伝子です。まあ、至って普通の構造をしていますね。次にこちらは、先日空牙氏から提供頂いたXフェーズ2の遺伝子です。二重らせんになっていなかったり、塩基対を構成する物質が違ったり、配列も滅茶苦茶な事が見てわかると思います」
確かに。Xの方はなんかすごいまっすぐだったりうねうねしてたりしている。変態が役に立って良かった。てかナナラキさん凄い饒舌になったな。本当にこういう分野が好きなんだな。
「······そしてこれが万丈氏の遺伝子です! 配列や形状は人間のそれと同じですが、塩基対を構成する物質がXと全く同じなのです!!」
それに続けて店長が話し始めた。
「つまり、万丈君は半分X、半分人間という事かい?」
「私も、その結論が正しいと考えています。その裏付けとして本来心臓がある位置に核がありました·······あ·······でしゃばってしまいすみません······私コンビニ行ってきます······」
万丈はXと人間のハーフって事か!? 開いた口が塞がらない。六納さんや不破、緑馬さんも驚きを隠せない表情をして真紅い色をしている。
「成程! だから我の心臓にクソ親父は何か力を込めていたのか!」
何が成程だったのかよく分からないが万丈はそう言い放つと自身の胸に手を突っ込んだ。肉の音を立てながら取り出したのは一切の曇りのない真紅い色をした、拳大の球体だ。
「力というのは恐らく神性機械の事だろう······メイちゃん! どんなマギアか調べれる?」
「マスター、承知いたしました。··················こちらは、憑依型、衝撃のマギアと思われます。」
凄いなメイさん······手をかざしただけでどんな能力か分かるのか······憑依型と言うのは、店長が使っているような特殊能力的なあれだろう。万丈が武器使ってる所見た事無いし。
少年が今日も窓の外を見ている······ここはいつも夜のようで、常に星や月が輝いている。
「僕の弟にまさか子供がいたなんてね······半神半人なんてゲームの中でしか聞いた事ないよ······でもまあ······ゲームから飛び出してきた甥っ子には······ちゃんと死んで貰わなくちゃね······」
ゲームが始まる······常にXは上方修正を施され、少年の一人勝ちを望んでいる。
まずは後書きまで読んでいただきありがとうございます。最近私生活がバタバタしており普段からそんなに高くない更新頻度が更に落ちてしまいました。もしこの作品を楽しみに読んでくれている方がいたら申し訳ないです。
さて、今回の人物をストーリーにあまり関わらない程度掘り下げるコーナーは七羅輝 羅々(ナナラキ ララ)についてです。なぜこのようなややこしい名前になったのかと言うと、7はラッキー→七羅輝→下の名前は繰り返した方が面白くね?なんかキラキラしてるし
というほとんどノリで決められました。ちなみに彼女の両親はバリバリのウェイ系です。恐らくララは受け継ぐはずだった膨大なウェイを胎内に置き忘れて来たのではないかと思ってます。しかしウェイ系と言ってもDQNではなくララが留学するといった時もちゃんと理解を示し快く送り出してくれました。なのでララは12歳でハーバードを卒業した天才少女なのです!
この裏設定を語るのどうですかね? 面白かったらコメントお願いします!
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