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ギャルゲ神のてんせい  作者: 碧海
第一章 転生と変生
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オールラウンダーが強いのではなく、強い奴がオールラウンダーになるのだ


「壱成。お前さん、鍛える属性は決めてるのか?」


休憩中に、オリヴィアが聞いてくる。


この世界の魔法は、媒体器(デバイス)導体(メモリー)があれば、どんな魔法でも発動はできるが、その効果の大きさは魔法の行使者により変わってくる。


これには、魔術師間の実力差……つまりは能力値(パラメータ)や魔力の操作技術が関与してくるのだが、魔法の効力を決めるのはそれだけではない。


この世界の魔法は、全ての人間が使うことが出来る【基本属性】。


基本属性を鍛えることで使えるようになる【派生属性】。


二つ以上の基本属性を鍛え、組み合わせることで使用可能になる【複合属性】。


このの三つに加え、ほんのひと握りの、『天賦の才』を持った人間だけが使える【特異属性】。


この四つで成り立っている。


そして、それぞれの属性には能力値とは別に、『属性値』と呼ばれる、他のゲームで言う『熟練度』のようなものが存在する。


この属性値は、同じ属性の魔法を使えば使うほど増加していくようになっており、属性値が上がれば魔法の効力も上がる仕様になっている。


そして、オリヴィアが言っているのは、どの属性を主属性にするのかということだ。


先程、属性値は、同属性の魔法を使えば使うほど伸びていくと言ったが、当然複数の属性に手を出せばそれだけ成長も遅くなる。


更に言えば、魔法は使えば使うほど、その属性の魔法に合わせて魔力が変化していくため、多くの属性を極めることは困難になっている。


その為、最初の段階では主属性を一つ、副属性にもう一つと言った具合に、多くとも二つか三つの属性に絞ることになる。


最初に決めるのは、基本属性の火・水・風・土の4種か、特異的に全人類が使える特異属性、無属性の中から、自身の主属性を決めなければならない。


無属性の魔法は、属性のプロセスを挟まない分、全ての属性でトップの発動速度を誇る。


しかし、無属性を主属性として行使する魔術師は存在しない。


なぜなら、無属性には属性値が存在しないからだ。


考えてみたら当たり前のことで、『無』属性に、属性値が付くわけがないのだ。


その為、属性値分威力が劣り、10年鍛えた無属性魔法より、3年の属性魔法の方が強い、なんてことがざらにある。


だから、実質的には基本属性の4種の中から、全魔術師が主属性を選ぶ。


そういった事実からの思考の末、俺は自分の主属性を既に決めていた。


「主属性は、風にしようと思ってる。」


オリヴィアは、すぐにその理由を察したのか、納得顔で頷いている。


「……なんだよ?」


「いや、いい選択だと思ってな。壱成のような、近接型の魔術師にとっては最適解だ。風による速度の上昇やその不可視性、それに何より、風は最も汎用性が高い。どんな場所でも不自由なく使えるし、戦闘以外でも役に立つ。……うん、さすが私の弟子だな。」


……オリヴィアの言う通り、俺が風を主属性に選んだ理由はそれだ。


俺が近接型である以上、敏捷は高いに越したことはないし、離れた的に素早く追いつくことは必須だと言ってもいい。


そして、風の特性上、見え辛いというのもプラスだ。


戦闘中、武器に気を使わなければならない相手に、不可視の魔法はやり辛いはずだ。


戦闘以外でも、風の流れでの索敵や、拡声、風の膜による防音などなど、今考えつくだけでもその汎用性の高さはピカイチだ。


それに……


「火や水、土と違って、その威力が減衰するような地形が存在しないのも良い。どんな場所でも強いってのは他の属性にはない強みだ。」


魔法は、地形による影響も受ける。


例えば、火山の近くなら火の属性が強まり、海の近くなら水の属性が強まる。


地形の影響は確かに大きく、その地形にあった属性を使えるというのはひとつの強みと言える。


……しかし、地形の影響を受けるということは、何も強くなるだけでは無いのだ。


火山の傍では、水は弱まり、海のそばでは火は弱まる。


風にはそういった影響がない。


それも、主属性に風を選んだ理由の一つだ。


「なら、副属性も決めてるのか?私としては水を押したいんだが。」


「水か。……風とも相性はいいし、ありだな。回復できるまで鍛えれれば最高だけど……。」


水は、基本属性で唯一回復関連の魔法が使える属性だ。


これは、水に対する信仰(イメージ)とか、人間の体の多くが水ってことも関係しているのだが、まぁそれはいいだろ。


「属性は風と水で。あとは、俺のスタイルのことなんだが……。」


「なんだ?現時点でそこまで問題は無いだろ?」


そうオリヴィアは言うが……


「何かが起こってからじゃ、遅いだろ?遠距離の敵に牽制できるようになりたい。銃か弓、どっちの方がいい?」


「……今の壱成は、刀の生成で近距離戦、魔法で中距離の牽制をしている。……オールラウンダーにでもなるつもりか?」


万能手(オールラウンダー)ねぇ……。なれるのならなりたいもんだが、無理、だろうな。


「オールラウンダーが強いのは、強いひとがオールラウンダーになるからだよ。俺にはとてもじゃないが無理だよ。あくまで牽制用だ。そもそも、魔法での牽制は、初手の近くに誰もいないような場合じゃねぇと使えねぇ。フレームが足りねぇからな。その為に、遠距離武器を教えてもらいたいんだけど。得意だろ?」


「確かに私は、武器は全て扱えるが、教えるつもりは無いぞ?」


そういったオリヴィアは、こちらを見てニヤリと笑う。


「……なんで?俺あんた以外に宛がねぇんだけど……。」


オリヴィアは、煙草をふかし、ニヒルに笑いながらこう告げた。


「そりゃあ、もっといいもんがあるからに決まってんだろ?」


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