婚約破棄のガチ勢
悪役令嬢がいて断罪があって光の聖女もいて卒業パーティーで破滅とかするんですね!頑張ります!
「公爵令嬢ヤバタ・ニエン!僕ぁお前とは結婚しない!」
バサッ
「そう、婚約破…ちょ、この袋何!!出してー!」
卒業パーティーの最中、突如私の前に人型の黒い霧が出現し、それは私を指差しながらとんでも無い事を口走ろうとしたが、全てを言い終わる前にゴミ袋を被せてやった。
「これ、予定通りに地下牢へ」
「ウッス」
私から袋を受け取った屈強な衛兵が退場すると、入れ替わる様に父上が駆け寄って来た。
「ヤバタ、大丈夫だったか?」
「ご心配なく。父上はアレに私を害する実力や度胸があるとお思いですか?」
「うわっはっは、それもそうだ!で、この後もお前がやるのか?」
「ええ、アレは私以外には興味を示していません。私が伝えなければ消える事は無いでしょう。父上は殿下と一緒に待っていて下さい」
私がそう言うと、父上は少しだけ不安そうな顔をしたが、私を軽く抱きしめるとパーティー会場の外へ送り出した。
私は会場に集まった皆様に礼をしてから、あいつが送られた地下牢へ向かう。ここまでの流れはパーティー参加者全員に事前に知らせてあった(勿論あいつの存在については伏せてある)ので、私の退出を止める者はいなかった。
ああ、ここまで長かったけどようやく終わる。もうすぐでアレと完全に別れる事が出来る。地下牢へ向かうまでの間、私はこれまでの事を思い返していた。
■ □ ■
「あっ、悪役令嬢だ!本当に悪役令嬢だ!」
私が最初にそれと出会ったのは、まだ国民が皆一日三回パンを食べる事ができた頃。奴は私を一目見るなり悪役令嬢と呼び、無邪気に笑っていた。
「殿下、あの、あくやくれいじょーとは一体」
「神様がねえ教えてくれたんだ!僕ぁ昔から神様の声が聞こえてねぇ!今日来る婚約者が悪役令嬢なんだっってさ!」
目を見開き、凄い早口で神様とやらの説明をするそいつを見て、私はコレに愛情を抱くのを諦めた。王太子は人の上に立つ資質に乏しいから、お前が妻となり支えてやってくれ、そう父に言われていたからある程度覚悟はしていたが、これを王にするのは本当に辛い。でも頑張らないと。この時の私はそんな程度に思っていた。
その考えはあまりにも甘かった。あれにはどうやっても王は務まらない。いや、どんな仕事も務まらない。
「つまりね、この世界は舞台なんだよ。真実の愛を知った王太子、つまり僕が悪役令嬢である君を倒してめでたしめでたし。そうすれば長年続く不作もきっと終わる。だからね、ヤバタは後五年くらいで処刑されちゃうんだ。国民は君を極悪人と呼ぶし、公爵家も無事では済まないだろう。勿論僕も君を断罪する時は君を悪役令嬢と罵るだろう」
「殿下」
「でも安心してくれ。僕ぁ君の役割を理解しているから。だから、悔いの無い様に残りの人生を生きて欲しい」
「殿下!」
「なんだい?」
「私はもう貴方の婚約者ではありませんし、貴方は王太子ではなくなります!ですから、もうつきまとわないで下さい!」
平民の食事が一日二回になった頃、あいつの妄想癖は悪化し、いよいよ誤魔化せなくなっていた。婚約は白紙化し、あいつは病気という名目で継承権を失い、私は新たに王太子となった第二王子ムカ・チャッカ様の婚約者になった。
そして、継承権を失った翌月にあいつは幽閉され、存在しないものとして扱われる事になった。あいつの名前を呼ぶ事がタブーとされ、私もそれ以来あいつの事は『アレ』『あいつ』『奴』等と呼ぶことになった。
戦争に負け国土が半分になった頃、私は貴族が通う学園へ入学し、そこでピンク髪の男爵令嬢と出会った。
「貴女、ピエンさん?光の聖女って噂の」
「えっ、あ、は、はいっ!私の名前はピエン・パオンで光魔法もちょっとだけ使えます!えっと、何で公爵令嬢様が私なんかの事を知ってるんですか?もしかして、私何かやっちゃいました!?」
「いえ、ただ希少な魔法が使える子が別クラスに居ると聞いたから会いたくなっただけよ。ピエンさん、これからもよろしくね」
「大貴族とのコネキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!…じゃなくて、ハイ!ありがとうございます!」
ピエンさんと会った翌日、私は久しぶりににアレの幽閉場所に向かった。
帝国との戦争に大敗、そして、私と同い年の光魔法使いピエン、いずれもアレが私に何度も語っていた事だった。戦争の結果はまぐれ当たりかも知れないが、幽閉前から王宮の外に一度も出てないあいつが下級貴族の事を調べるのは不可能だ。私は、妄言の出処を聞く必要があると感じた。
だか、あいつと話す事は出来なかった。私が部屋の前に来た時、あいつはシャツをロープ代わりにして首を吊っていた。これまで何度毒を飲ませても死ななかったのに、いざ必要になった時だけあっさり死んでいるなんて自分勝手にも程がある。
しかし、全く収穫が無かった訳ではなかった。あいつは部屋の壁や床に血と糞尿で色々と書き残していたのだ。あいつが最後に何を書いたのか、それを確認しようとしたその時、あいつの自殺を聞きつけた衛兵がバケツとモップを持ってやってきた。
「ヤバタ様、ここはばっちいから離れた方がいいっす。病気になるかもしれないッス」
「ちょっと待って、掃除する前にこの文字を確認させて」
「そんな事したら、呪われるかもッスよ!こいつは邪神みたいなの信仰してたッスから!ヤバタ様がここで亡くなったら俺の責任ッス!」
「多分大丈夫」
あいつは生前様々な人に迷惑な助言をしていたが、一度も他人を物理的に傷つける事は無かった。あいつなりに他人を気遣っていたのだろう。まあ、善意だけであんな言動をしていたからこそ現状がある訳だか。
『やはり僕は間違えて無かった。ザ・マーは実在し、生贄を求めている。ここにいても何もできないから、僕は反魂の術を使って卒業パーティーに出席するよ。皆も準備をしておいて欲しい。ヤバタ、君の断罪まで後三年を切ったよ』
壁と床に書いてあった文章から余計な部分を削ると、大体こんな内容だった。ああ、むかつく。
「卒業パーティーまでに準備をしておけですって?いいでしょう。貴方を完全に潰す為の準備をしてやりますわ。あー、そこの貴方、もう掃除していいわよ」
「了解ッス」
男爵令嬢の情報はどこから来たのか、こいつが使う反魂の術はどの様なものか、もし本当に卒業パーティーにこいつが現れた場合どうすれば良いか、課題はいくつかあったが私はそれらに立ち向かい、ガス状の悪霊として出現したヤツをゴミとして回収する事に成功したのである。
■ □ ■
ここは牢獄。壁の向こうでは私の今の婚約者やアレの世話係だった衛兵が待機しているが、部屋の中に居るのは私とゴミだけだ。私はゴミ袋を軽く持ち上げ床に落とす。
「わっぷ!」
落下時の衝撃でゴミが悲鳴を漏らす。よし、まだ生きているな。死んでるけど。
「ひどいなあ、ねえヤバタ、何で君は僕の婚約破棄を遮ったの?君は悪役令嬢としてこの国を救う義務がさぁ」
「おいゴミ。私の話を聞け」
「あ、うん。どうぞ」
ゴミが何やら主張してきたが、私が凄むと簡単に黙り会話の主導権を譲ってきた。相変わらず王族としても人間としても最低のクズ。狂人なのに腰が低く、すぐに相手に合わせようとする。しかし、学習能力が無く毎回会うたびに同じ妄言を繰り返す。
要するに、こいつには何を言っても無駄なのだ。いや、無駄だったというのが正確か。何故なら、今の私にはこいつを完全論破する準備が整っているからだ。これを聞けばあいつもギャフンと言うだろう。
「おいゴミ、お前の主張はこの国を不作と戦争から救う為に悪役令嬢である私が婚約破棄される必要があるというのだったな?」
「そうさ。僕ぁザ・マーから生贄が必要な事と君が悪役令嬢である事を聞かされた。だからお願いだ。まだ間に合うかもしれないから僕に婚約破棄されてくれないか」
「その必要は無い。何故なら不作も戦争もとっくに解決しているからだ」
「えっ」
ゴミが間抜けな声を上げた。まあ無理もない。自分の主張の大前提を否定されればこうなっても仕方がない。
「や、ヤバタ、それは本当なのかい?」
困惑するゴミに対し、私はこの日の為にまとめておいた資料を突きつける。そこには、今から三年近く前に突如新種の麦が発見された事と、その麦を分け与える事と引き換えに帝国に奪われた土地が返還された事が書いてあった。
「そんな、ありえないっ!まだ生贄が捧げられていないのに問題が解決するなんて!」
ゴミ袋の中でゴミの顔らしき部位が歪む。ざまあみろ。ようやく、ようやくこいつに言葉が届いた。
このゴミが首を吊った後、私はこいつがどうやって光の聖女の事を知ったのかを調べたが、結局その答えは見つからなかった。だが、その頃に幸運にも不作と戦争の問題が奇跡的に解決した。つまり、こいつが崇拝するザ・マーとやらがデタラメである何よりもの証拠が手に入ったのである。最早、光の聖女の情報源を探す必要は無くなった。
「ザ・マーは確かに言ったんだ!この国の問題が解決するには生贄が必要って!」
「それはお前の妄想だ!いい加減っ認めろ!」
私は見苦しくわめき散らすゴミを袋ごと持ち上げ壁に叩きつける。
「あぐっ!ぐふはっ!ほげっ!」
これまでの恨みを込めて、こいつのせいで苦しんだ人々の恨みも込めて何度も叩きつける。
「お前が王太子としてやるべき事から逃げた結果!私が!陛下が!王族が!どれだけ迷惑したと思ってるんだ!」
ゴミ袋の中身が黒いスライム状に成り果てたところで私は一旦攻撃を中断した。
「おいゴミ、まだ喋れるか?」
「ウウ…」
「喋れるなら、消滅する前に謝罪しろ。お前がつまらない妄想で私を苦しめたのは理解出来ただろ?」
心を折っても物理的に潰してもまだ足りない。今ならこいつを消滅させるのは簡単だが、その前に謝らせたい。勿論、今の私の言動が公爵令嬢としてよろしくないのは理解している。こうなるのを分かっていたから、こいつと二人きりになったのだ。こいつのみっともなさも、私の醜さも他人に見せられるものじゃないから。
私が攻撃の手を止めて謝罪を待つこと数分、ゴミはポツリポツリと静かに語り始めた。
「ヤバタ、その、この資料に書かれてる事は全部本当なんだよね?」
「あー、そうだよ」
「だとしたら僕が間違ってたんだね。ヤバタ、君は生贄なんかじゃなかった。ごめん」
こんな謝罪一つでこれまでの事が許される訳がないが、ちょっとスッキリした。よし、言いたいこと言ったしやりたい事やったし、そろそろピエンさん直伝の光魔法で綺麗に消してやろう。そう思った時だった。
「つまりザ・マーが求めていた生贄は別にいたんだよね!」
「はぁ!?」
結論が明後日の方向に飛んでいった。違う、そうじゃない。
「この国が僅か三年で立ち直ったんだろ?たまたま新種が見つかり、たまたま帝国が譲歩してくれて!そんな偶然は絶対無い!これこそがザ・マーに生贄が捧げられた何よりもの証拠だよ!」
キモチワルイ。何だこいつ。
「でも、悪役令嬢である君は生きている。つまり生贄と悪役令嬢はイコールでは無かったんだ!恐らく悪役令嬢とは生贄を捧げる役割を持つ存在。それを生贄と間違えていたなんて僕ぁなんて愚かだったんだろう!ヤバタ、本当にごめん!」
本当にキモチワルイ。こいつを何とかいい負かそうとした私が間違っていた。何が気持ち悪いのが言語化できないがとにかくキモチワルイ。
「イヤ待て、ヤバタが生贄じゃないとしたら誰か生贄だったんだ?よし、ヤバタ、新種の麦が見つかった直前に死んだ貴族をリストアップするんだ。生贄は誰からもその死を悲しまれず、苦しんで死んでいくのが望ましい。果たして彼あるいは彼女は生贄にふさわしい人生を全うできたのか?それを確かめなければならない」
「くたばれー!」
私は袋の中に両手を突っ込み、ありったけの魔力で光魔法を放った。
「さて、生贄は一体誰だったんだろうか。僕の弟であるムカ、隣国の皇帝リョウカイドウチュウ、真っ先に思い浮かぶのはこの二人だ。だけど、僕がパーティー会場に現れた時、二人ともいたよね?僕ぁすぐに袋を被されてちょっとしか会場の様子を見れなかったけど、二人がいたのは記憶している。ヤバタ、君の悪役令嬢という役割は恐らく生贄を断罪するものだ。だから、君が嫌う存在、君を苦しめた存在、三年ぐらい前に悲惨な死を遂げた存在がいたなら、きっとそれが生贄なんだろう。この国が現状平和ならば、その平和を確実なものにし、長続きさせる為に生贄が誰だったかはハッキリさせないといけない」
「黙れ!黙れ!お前もうしゃべんな!皆来てっ!助けて!」
ゴミ袋の中に全魔力を放り込んだ後、私は牢獄の外で待機していた人達を呼んだ。情けない話だが、私はこいつと二人きりているのに耐えられなかった。なーにが私だけで決着をつけるだ!5分前の私は馬鹿か!こいつはただの怠け者の狂人じゃない。もっと恐ろしい何かだ。こいつの一言が聞く者を苦しめる。
「ヤバタ!大丈夫か!」
「殿下!パス!」
「ああ!任せろ!」
扉を開けて入ってきたムカ様にゴミ袋をパス。頭のいいムカ様はすぐに状況を理解して袋の中に光魔法を撃ち込んだ。しかし、私とムカ様の光魔法を受けてもまだゴミはしぶとく生きていた。
「ところで今気づいたんだが、僕の存在意義は何だろうね?ザ・マーの言葉を聞き、生贄を追い詰め破滅させるのが僕の役割だと思っていたけど、それは悪役令嬢であるヤバタの仕事だと考えられる。ならば、僕ぁ何の役だ?ヤバタにザ・マーと生贄の存在を伝えて断罪の手助けをする為の?いや、僕が死んだのにも関わらず国の問題が解決しているのだから、僕はハッピーエンドには関わりの無い存在だ。それに、僕が悪役令嬢の味方の役割なら現在僕とヤバタはもっと友好的な関係になっているはず。何故ならこれは一つの物語、素人の書く短編恋愛小説の世界。ならば、敵味方の関係は単純なものになるはずだ。ヤバタか現在僕を好んで無いなら元々協力関係にならない運命なんだろう」
この汚れしつこい。人だった面影は完全に消えて、灰色のスープの様になってもまだ意味不明で恐ろしい言葉を吐き続けていた。だが、それも長くは続かない。ムカ様から陛下、陛下から私の父上、父上からピエンさん、ピエンさんから衛兵、衛兵から私、秘密を共有し光魔法を習得したメンバーで円になって順番に袋の中に光魔法を放ち、四周した所で遂にゴミは綺麗さっぱり消滅しゴミ袋はぺしゃんこになった。
「お、終わったー」
魔力が尽きた私達はその場に崩れ落ち、その後喜び抱き合った。
■ □ ■
あれから二十年が経った。作物の収穫量も十分、帝国との関係も良好、我が国は今日も平和だ。
国王陛下とお父様は病で亡くなった。二人とも六十歳まで生きたから、まあまあ生きた方だろう。
ムカ様は卒業後に私と結婚したが、王位を継ぐ事は無かった。鏡を見る度に「あいつが居る」と叫びだすので、とても王位を継げる状態ではないと判断されたのだ。王位継承は第三…じゃなくて第二王子に移り、ムカ様は離宮で懸命に看病したが、昨年亡くなった。
ピエンさんは卒業後に王宮魔術師として働いていたが、「アレの研究をしたい」と言った翌日に事故死した。
そして私は今、夫が死んだ離宮で最後の食事を終えた所だ。
「ヤバタ様、お酒用意できたっスよ」
長年の付き合いになる衛兵キュンデスが二人分の酒を持ってきた。酒は黒く濁っており、毒が入っているのが一目でわかる。
「苦いから鼻つまんでイッキに飲むツス」
「いえ、私は貴族らしくいかせてもらうわ」
キュンデスの優しさはありがたいか、最後は優雅に締めくくりたい。
「王国に乾杯!」
私は叫ぶと毒杯をゆっくりと口に運んだ。これでいい。これでザ・マーを知る者はこの世界に居なくなる。
あいつを消しさった後に私は考えた。もし仮にザ・マーという観測者が実在しているとしたなら、それを知ってしまった存在がこの世に居る事自体がまずいのではないか?
演劇の最中に役者が観客の存在を言及したら観客はどんな気分になるのか?いい気分では無いだろう。ザ・マーが実在し、私達が原因で気分を害したらこの国の平和も終わってしまうかもしれない。一度は完全に否定したあいつの言葉が日を追う毎に私の中で強まっていき、ムカ様がおかしくなってしまった時、私は不安の種を刈り取る決意をした。
「ねえ、私のやった事は正しいのかしら?」
意識が薄れていく中、私はキュンデスに聞いた。
「ザ・マーが実在するならリスク回避の為に貴女は死ぬべき、実在しないなら貴女は勝手な理屈で家族と友人を殺害した事になるんで死ぬべき、なんでこの選択は正しいっ…」
彼の答えを聞き終わる前に私は床に倒れた。最後に視界に入ったのは床にこぼれた毒入りの酒。
その黒く濁った色は私の嫌いなあいつによく似ていた。
あ、とーも。僕です。この世界に実りと乾きを与える神々ザ・マーよ、お久しぶりです。
いやあ、失敗してしまいましたよ。僕か早とちりして悪役令嬢と生贄を混同したばっかりに。まあ、王族なんてもんは国を守って死んでナンボですから、僕ぁ誰も恨んでないしヤバタも後悔はしてないでしょう。
え?「なんでお前まだ居るんだ」ですか?そりゃあ、気になる事があるからですよ。僕がこうして皆さんに話しかけるのは、ヤバタの覚悟を踏みにじる事になりますが、それでも皆さんに聞きたかったんですよ。
結局、生贄って誰だったんですか?
卒業パーティーの日から二十年ここで考えていたんですけどわからなかったんですよね。
でも、ずっと考えていてわかった事もあります。それは貴方達が見たいのは生贄が苦しむ様で、王国の平和はついでという事です。だって楽しいですもん。僕ぁ生贄がどんな人生を送ったのか想像してたんですけど、ふふっ、本当にそれが楽しくて。気持ちいいんですよね、絶対安全な所から馬鹿が勝手に破滅するのを見るのって。実際に見てないけれど、想像しただけでこれだけ楽しいんだから、リアルタイムで見ていた皆さんはもっとずっと楽しかったんでしょうね。
教えて下さいよ。貴方達の見た生贄はどんな人物でしたか?僕がお膳立てしなくても、ヤバタが戦わなくても勝手に自滅していく存在じゃなかったですか?恵まれた生まれから最悪の最後を迎えたどうしようもない奴じゃなかったですか?どうです?当たってますよね?貴方達はそういうのを選んで生贄に指定したんですよね?その方が楽しいから。
あ、僕ぁ別に皆様を悪趣味だと罵りたくて死にぞこなっていたんじゃないですよ。そう思ったならすみません。謝ります。逆ですよ逆。僕もその素晴らしい趣味を共有したいんです。ザ・マーよ、僕ぁ多少失敗しましたが皆様の為に頑張ってきました。国が豊かになったなら、結果的に生贄はどこかの段階で無様な死に方をしたのでしょう?僕にもそいつの事を教えて下さい。それでそいつの事を思いっきり笑いたいんです。それが叶ったらすぐに消えます。
ですから、教えて下さいよ。




