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青と黒の狭間  作者: 島七枝
3/7

Life like a maze.

9月になった。二学期が始まる。9月1日はあまり良いイメージがない。

関東大震災が起きた日…もあるが、そっちではない。


俺は、電車に乗ろうとした。

とりあえず制服に着替え、学校には行こうと思った。


いつも通り、電車に乗った…。


…その瞬間、耐えられなくなった。

"外に出たい…!"


…が扉はもう閉まってしまった。次の駅までもちろん扉は開かない。

"無理だ…!"


そう思って、次の駅で一旦降りた。


"電車に乗れない…"

涙目で父に連絡をした。

15分くらい経った頃、返信が来た。

"大丈夫だから。また辛くなったら連絡ちょうだい。いつでも迎えに行くから。"


その文面だけで、少し気が楽になった。

家から学校までは1時間ほど電車に乗らなければならなかったが、父とのやり取りのおかげで学校までたどり着く事ができた。



学校に着き、教室に入ると、人が大勢に思えた。


1時間目はなんとか乗り切ったが、その後具合が悪くなり、うずくまってしまった。

どうしよう…と考えていると、

「おっ修人じゃん。…どうしたの?具合悪い?」

と、声をかけてきたのは山口佳子だ。

俺は息を切らせながら

「大丈夫…だと思う…。」

「顔色悪いし、とてもそうは思えないけど…。保健室一緒に行ける?」

そう言われ、頷くしかなかった。


その後、保健室に行き、早退した。

次の日は学校を休んだ。



それから、恐怖の対象が増えていき、以前は電車という空間が怖かったのに、電車自体が怖くなっていった。

なぜなら、生きているのが苦痛すぎて、電車に吸い込まれそうになるからだ。


特に誰かに悪さをされている訳でもない。

環境自体は恵まれている。


それなのに、ただ息を吸う事すら苦痛で仕方なかった。



"生きるの、辞めてもいいかな…"

自然と頭の中を埋め尽くしていた。

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