Life like a maze.
…
9月になった。二学期が始まる。9月1日はあまり良いイメージがない。
関東大震災が起きた日…もあるが、そっちではない。
俺は、電車に乗ろうとした。
とりあえず制服に着替え、学校には行こうと思った。
いつも通り、電車に乗った…。
…その瞬間、耐えられなくなった。
"外に出たい…!"
…が扉はもう閉まってしまった。次の駅までもちろん扉は開かない。
"無理だ…!"
そう思って、次の駅で一旦降りた。
"電車に乗れない…"
涙目で父に連絡をした。
15分くらい経った頃、返信が来た。
"大丈夫だから。また辛くなったら連絡ちょうだい。いつでも迎えに行くから。"
その文面だけで、少し気が楽になった。
家から学校までは1時間ほど電車に乗らなければならなかったが、父とのやり取りのおかげで学校までたどり着く事ができた。
…
学校に着き、教室に入ると、人が大勢に思えた。
1時間目はなんとか乗り切ったが、その後具合が悪くなり、うずくまってしまった。
どうしよう…と考えていると、
「おっ修人じゃん。…どうしたの?具合悪い?」
と、声をかけてきたのは山口佳子だ。
俺は息を切らせながら
「大丈夫…だと思う…。」
「顔色悪いし、とてもそうは思えないけど…。保健室一緒に行ける?」
そう言われ、頷くしかなかった。
その後、保健室に行き、早退した。
次の日は学校を休んだ。
…
それから、恐怖の対象が増えていき、以前は電車という空間が怖かったのに、電車自体が怖くなっていった。
なぜなら、生きているのが苦痛すぎて、電車に吸い込まれそうになるからだ。
特に誰かに悪さをされている訳でもない。
環境自体は恵まれている。
それなのに、ただ息を吸う事すら苦痛で仕方なかった。
"生きるの、辞めてもいいかな…"
自然と頭の中を埋め尽くしていた。