表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死のアカウント  作者: 夜神 颯冶
序章
6/13

6

 

それから僕達は緊急時にそなえ、

携帯番号を交換したのだが、

そこで新たな事実が発覚はっかくする。


彼女の言葉を信じるなら、

彼女の携帯に交換した覚えの無い男子の番号が

大量に登録されていたのだ。


その数クラスの半数以上。


ここからみちびきだされる答えは、

僕にはあまりうれしいものではなかった。


「おそらくは、君が助けを求め交換した男子達だ。

時間を巻き戻る際にその記憶は無くなっているけど、

携帯だけはその痕跡こんせきが消えず残るらしい」


・・・


「なんか、ごめんなさい」


彼女は意識的にこちらを見ずにそうつぶやいた。


「はっはっは。

 大丈夫、想定ないだから・・・

 僕に一番に相談に来る女子なんていないって、

 客観視きゃっかんしするだけの常識じょうしきはあるから・・・ 」


なんか傷口が広がっている。


僕の顔をチラリと見て彼女はふたたあやまる。


「本当、ごめんなさい」


やめて~~~


それ以上あやまらないで~


告白もしてないのにフラれたような焦燥感しょうそうかんが、

全身を包んだ。


ズキズキと胸を刺す痛みを教訓に、

僕はひそかに心に誓うのだった。


彼女には間違っても告白するのはよそうと。


「あっ!

メールが来てる!?」


「えっ!見せて見せて」


僕が携帯を覗き込もうとすると彼女は慌てて離れた。


「ダメ!?

プライベートな事まで書いてあるから」


彼女は顔を真っ赤にし携帯を隠してしまった。


「ちょっと待って」


彼女は僕に背を向け何か携帯を操作すると、

その携帯の画面を見せた。


そこには宛先不明のメールと共に、

未来レポートの文字が件名に刻まれていた。


「とにかくこれで決まりだな。

君は時間を巻き戻っている」


「うん」


彼女は恥ずかしそうにうつむいてうなづいた。



それから僕たちは安全をし、

一緒に下校する事にした。


予言では彼女が死ぬのは明日の夕刻。


今日は安全なはずではあるが。


僕に相談(そうだん)する未来は初めてで、

それで未来が変わってないとも言い切れない。


まったく下心が無かったと言えば嘘になるが。


彼女の安全を最優先で考えるなら、

これがベストなはず。


そう言い聞かせ、

人生初の登下校を漫喫まんきつするのだった。


ここでにわか雨でも降ってくれれば、

相合い傘なんて言うレアなサプライズになるのだが

世界はそこまで童貞に都合つごうよく回ってくれては、

無いようだ。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ