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死のアカウント  作者: 夜神 颯冶
序章
5/13

 

「時間が巻き戻った瞬間に、

 それまでの記憶は消えるけど、

 携帯に書いた日記だけは残る。

 この予言メールも、

 予言と言うより日記みたいに見える」


「うん、確かに文面は、

 私が書いたような感じだとは思ってたけど」


「最初に僕に相談に来た時に不思議に思ったんだ。

 暴力的な相談なら、僕より大場君の方が

 喧嘩なれしてそうだし」


大場おおば さとし


素行そぎょうは良くないが、腕力には定評がある人物。


「そうなんだけど、なんか急にあの人、

 生理的に嫌な感じがして」


「それだよ。

 きっと君は一度あの人に相談して

 ひどい目にあったんじゃないかな。

 そして時間をリセットして全ての記憶が無くなったけど、

 その感覚だけが残っているとしたら」


「そうなの?」


「それに相談するなら、

 僕なら生徒会長とか、

 ほかにもたよりになりそうな人はまだいるけど」


「あの人、私には頼りなく見えるけど。


 でもそう言えばこのメールが届く様になるまでは、

 たしかに頼りになりそうな気がしてたかも」


「君はすでに何人にも相談し、

 そのすべてにおいて失敗して、

 時間を巻き戻っている可能性がある。


 いやそもそも、その未来を選択しないという

 選択をしていると言うか 」


「でもそれだと予言と何かちがいがあるの?」


「そこなんだけど、失敗を繰り返さないためには、

 その違いが重要な気がするんだ。


この予言メールはその重要度によらず気まぐれに、

ほとんど必要ないような予言も多いし、

必要な事でも送られてない事もある。


予言の精度せいどがバラバラであまり役にたってない」


たしかにそうかも」


「そこでだ、これからは出来るだけ重要な事にかぎり、

 正確に簡潔かんけつに日記に書いていくんだ。

 それでこの未来の予言が役にたつようになる。

 僕の予測が当たってればだけど。

 僕の予想が当たっているかどうかも、

 そのメールの予言の文章の変化で確かめられる」


「うん」


「君は携帯に日記を残すときメールで日記を書いて、

 自分宛にメールを送り、届いたメールを保存するんだよね」


「うん」


「これからはそのメールの件名に、

 未来レポートと書いて日記を残すんだ。


 とにかくこの予想が当たってるか確かめる為に、

 今日一日だけは、重要でない事も事細かに日記に書いて。


 今日一日だけでいい。


 それでこのメールが、

 未来の君が書いものかどうかを判断する。

 それが解れば後は重要な事だけを書くようにする」



「うんわかった」



 

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