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死のアカウント  作者: 夜神 颯冶
序章
2/13

最後の希望ね・・・


「もう少し期待させるようなこと言われれば

頑張れるんだけどね」


「嫌よ。

後々《のちのち》ストカーにでもなられたら厄介やっかいだもの」


「それ、わざわざ言う必要ある?」


僕はげんなりしテンションが落ちた声でぼやく。


「そうね。

じゃあ私を守れたらパンツ見せてあげる。

それともキスがいい?」


彼女の論理はどこまでも合理的で殺伐さつばつとしている。


契約としてのキスはするけど心はあげないと。


とは言え興奮してしまうのは、童貞の悲しいさが


「私としてはキスの方がおすすめかな。

死んだらパンツは見えないけど、

キスなら死んでもして貰えるものね。

私が生き残っていればだけど」


死んでも守れと!?


確かに童貞の僕がキスを出来るチャンスなんて、

これを逃せば一生ないかも知れないけど。


知れないけど・・・


「僕は死なないとキスも出来ないほど、

下層階級なのか!?」


「あなたは人気アイドルじゃないもの。

当然よ。

それに死んだら、その事実は闇の中。

無いのも同然。

お互いにとってWIN(ウイン)- WIN(ウイン)の契約じゃない」


彼女は言葉はどこまでも簡潔かんけつで、

閑散かんさんとして無機質むきしつではあるが、利己的りこてきではない。


期待させるだけで何もさせない女子と比べれば、

契約としてでも義務をはたす姿勢は、

律儀りちぎですらある。


そこが彼女の魅力でもあるのだが。


「君は僕を利用して、

気がかたむきかけてるふりをして、

利用だけしようとは考えなかったの?」


「面倒なのよ。

そう言ったでしょ。

女子は複雑なのよ」


確かに大多数の女子の心情は複雑だ。


だが彼女にかんして言えばそれは当てはまらない。


どこまでも合理的に見えて不合理だ。


そう言った意味では彼女の言葉は真実を言い当てているが、真実を語ってもいない。


大多数の女子と言うカテゴリーは複雑だが、

彼女自身は複雑ではない。


どこまでも清廉潔白せいれんけっぱく


嘘は言わないが真実もまた言わない。


それが僕がとらえた彼女の輪郭りんかくだった。



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