2 How should we do ? いったいどうすりゃいいんだよ?
「まだ、見つからないのか、ジイヤよ~。」
「えぇ、まだですジャ。」
今まで何度この会話を繰り返しただろうか。リュウタもほとほと疲れ果てていた。
「もう6年経ったけど、まだ見つからないとは……」
「そうですジャねぇ。」
時の力はすごいものである。六年前、急な戦火に襲われたこの王国も、完全に元の姿を取り戻している。ただ一つのことを除いては、
「リュウタ、入るぞ。」
リュウタは、声のした方へと顔を向けると、扉が少し開き、そこから親父のリュウキが顔を出した。
「何か用。」
「別にこれと行って用はないけど……ところで、どう、見つかったか?」
「まったく。」
リュウタは顔を振り、
「しかし、……もう6年。あれ以来、いっさいの音沙汰なし。どうなってるんだ。」
「ここまで状況が悪化するとは、全く考えてなかったな。」
リュウキは椅子に腰をかけそう呟く。
リュウタは壁を叩くとまくしたてるように言った。
「わかってるさ。くそ、あのときジイヤに任さず俺が行けばこんなことには。」
そして、そのまま壁にもたれ掛かりうつむいている。
「すみませんですジャ。」
「もういい、ジイヤ。リュウタもいい加減にしろ。お前だけが悲しいんじゃない。それはわかってるだろ。」
リュウキはそう言い、
「ジイヤ、いつもの所にいるからな。」
と、部屋を出ていった。
「いつもの所?」
リュウタは不思議そうにジイヤを見る。
「はい。あの時以来ずっと……リュウタ様、少しはお父上様の事も考えてやってください。あれほど可愛がっていたリュ……」
「リュウキ様、リュウキ様!」
「何事ですジャか。」
ジイヤは扉の向こうから聞こえてくる声に答えると、兵士が一人部屋に入ってきた。
「はい。実は不振者が侵入しまして。」
「ほう。」
「それがまだ子ども、それも男の子と女の子の二人連れでして、どこから入ったのかと聞くと、洞窟の扉にふれると急に明るくなり、知らない間にここに出たと。」
兵士が語っているのを聞いていたジイヤは、話の後半になると顔を青くしていた。
「わかりましたジャ。リュウタ様、早くリュウキ様を連れて謁見の間へ。どこですジャか、その子ども達は。」
ジイヤは兵士と共に部屋を出ていった。
「ジイヤ、ところで親父はどこにいるんだ?」
一人残されたリュウタの声が、ただ空しくこだましていた。