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ロンリーオンリーデザイン人類

作者: 砂鳥 二彦
掲載日:2019/05/01

 ある未来、人の倫理は後回しとなり子供のへの責任という愛情が最大公約数となった世界。デザイナーベイビーが当たり前となっていた。


 「試験管の赤ちゃん」とも言われるこの遺伝子選別は、複数の受精卵と複数種の精子の組み合わせで生まれる赤ちゃんのことだ。


 この子らは遺伝診断的に先天性の疾患はなく、それどころか未来のアルツハイマーや内臓疾患諸々さえもスクリーニングされた健常な子らだった。それが親が子にしてやれる当たり前になっていた。


 いくつかの病気は過去のものとなり、先天性疾患はほとんど忘れられた、医学的葛藤は無くなっていった。


 そうなれば、デザインは病気や疾患の消去だけには飽き足らず。より優れた頭脳とより屈強な身体を持つ遺伝形質を選択されるようになった。


 そうしてより優れた遺伝子を保管する遺伝子バンクに集約されていき、集積された遺伝子情報は最高の精子と最高の受精卵を選び、頭脳と身体は完璧な見目麗しい子供を産んでいった。



 そうして幾数百年、人類はほとんどいなくなっていた。


 別に道の流行病で単一化された遺伝子が全滅したわけではない。


 ただ、必要なくなったのだ。皆が最高な一種類の遺伝情報の子供を愛する結果、性差のみが個体差となり、皆が同じ子供を産むようになり。親は子供でなく、二つの遺伝情報を持った子供のみを愛するようになった。


 それは倫理よりも科学的合理性を追求した先であるように、親の愛情が社会的な合理性に淘汰され収束していった結論であった。


 そして社会は、進化した生産性ロボットにより社会的生産性は解決したので、無尽蔵に増える人類は必要さえなくなった。


 社会と世界のリソースを最大限人類に与えるためには、人類さえ邪魔となり、たった二人の男と女に与えるのが社会的合理性となった。


 つまり、親の最大の愛を与えるにはたった二人の人類が最も最適となったのだ。


 全ての者の子、最高の子供ら、たった二人の人類はたった二人の子供を産み。人類はほぼ半永久的に繁栄した。


 例えどこかで二人が死のうとも、遺伝子バンクに保存された彼と彼女がロボットによって蘇生される。そんな一時の全滅を繰り返しながら、人類は生き続ける。


 いつしか、地球の資源を食い尽くし、宇宙の資源を食い尽くし、世界を愛に満たすまで。

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