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249 海域中央に潜む海の神

 テーブルの表面は透明なモニターになっていて、ワイルドサバンナとTクラス拠点のコスモ・ラメールの間を通る海域が表示されていた。その海域を通過する潜水艇の現在地が赤い点となって見えている。

 ナディアが、テーブル表面をタッチして解説する。


「このテーブルを見るとわかりますけど、ワイルドサバンナ及び海洋拠点コスモ・ラメールまでの地図になっています」


「こういうのアメリカのドラマとかで見た事あるー!」


 子供のようにはしゃぐユッキー。

 ナディアは、テーブルに表示された海域の中心部を指差した。


「この辺りの亜空間に、私達が神と呼んでいるジュラシックモンスターが生息しています」


「ここに来て神!? しかも生息!?」


「ユッキー、少し落ち着きなさい」


「スマン、バディ」


 ナディアは、ユッキーとバディにそれぞれ視線を送った後、咳き込んだ。


「その神の名は……ヘキサトリトン」


「ヘキサトリトン……? 何処かで聞いたような見たような」


「……私達のチーム内でしか共有してない名前だから、多分勘違いだと思うわ」


「そうかもな。続けてくれ」


「ヘキサトリトンは、巨大な体躯とは裏腹に大人しい性格で、刺激したりしない限りは暴れたりしないのだけど、興奮状態になると海域一帯に嵐を発生させてしまうの。私達のチームがヘキサトリトンを確認してから注意深く観察していたのだけど、謎の青い鳥が突如海域に現れてからヘキサトリトンの様子が可笑しくなってしまったの」


 ナディアは、タッチ操作可能なテーブルの表面をタップし、青い鳥の画像を拡大表示した。その不気味な青い鳥は、サザンクロス・デュークを倒した時に発生した物体と一致していた。


「この青い鳥、俺達が倒したドラゴンの消滅時に現れたものだな……」


「大まかな情報はバディから届いていて、原因や因果関係を現在調査中なんだけど、仮にヘキサトリトンがコスモ・ラメールに甚大な被害を与える事になってしまったら、私達はヘキサトリトンを撃退しなければならない。だから、その前に何かしらの対策を立てたいの」


「なるほど」


 今のユッキーのなるほどは、よくわかってない奴だ。

 二号は、ソファの上で立ち上がった。


「自分、その海の神を写真に収めないと死ねないっス」


 間違った方向に意気込む二号。

 バディ、話題をまとめる感じに手を合わせた。


「……という事で、私達は新拠点コスモ・ラメールにて、もしもの時の為に装備の強化と拠点の強化をしていきたいと思います」


「つまり、コスモ・ラメールに来る依頼等のクエストをどんどん攻略していって、最終的に、ヘキサなんちゃらを倒せばいいんだな」


「ユッキー、まだどうなるかわからないから」

 

 左右の会話をよそに、ナディアがヒジカタの名前を呼んで、いい姿勢で座っていたヒジカタが腰を上げた。


「コスモ・ラメールに、新たに配属された便利屋ハスキルーの女の子がいるから、指導してもらえないかしら?」


「拙者にお任せあれ」


 ヒジカタは、続いて何かを言おうとしたが、言葉を飲んで口を閉じた。

 ナディアの携帯端末に通知が入り、海洋拠点コスモ・ラーメルが見えてきたとの連絡が入った。

 潜水艇が海上に出た所で、ユッキーもブリッチに飛び出し、広がる水平線上を眺めた。そこには、リゾート地のような海洋拠点が煌びやかに佇んでいた。


「あれが新たな拠点、コスモ・ラメール!」


 大海原を進行する潜水艇の俯瞰視点になって、「ジュラシックバスターC.C」という表記が、シュワンと大きく表示された。

 カメラは上空からの俯瞰視点から深海へと潜っていき、巨大な物体が薄暗く表示されてから映像が暗転した。

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