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232 CANNIBALISM OVA

 ユッキー、オジサンは、討伐されたモンスターから剥ぎ取りをしていた。

 一方のハルガは剥ぎ取りを行わずに武器をブンブン振り回していた。彼はもうこのクエストを百回以上はやっているので、四天王素材は余分に所有しており、剥ぎ取りを行わなかった。

 

「このクエストは乱戦を学ぶ場だ。ずっと何も考えずにキャリーされていたら気が付かなかったはず。まぁ、今のもキャリーだがな」


「そう……だな」


 しょんぼりするユッキー。

 

 剥ぎ取りタイムが終わってイベントがスタートした。

 ハルガはイベントから離脱。

 数秒後、雪が降ってきた。


「これは……?」


 ユッキーが呟くと、ゴーグルを被ったコシロウが走って来た。彼は背中にライトライフルを担いでおり武装していた。


「ユッキー! オジサン! そっちにクリスタルのモンスター行かなかったか?」


「それならさっき倒されたけど……それよりその武器どうしたんだよ」


「俺、バスターになったんだよ。そっちの方が情報収集捗ると思ってな。これで、探偵兼バスターだぜっ!」


 遠くからバディが走って来た。


「ぷんすかぷんすかぷんすか、ぷーん! ハァ……ハァ……意外に体力あるわね、コシロウ」


「バディ、何があったんだよ」


「私がフレア・ウォーズの残骸を調べていたら、クリスタル・デュークが現れて……」


 バディの発言の後にコシロウが続く。


「そんな襲われそうなバディを助けようと、俺がクリスタル・デュークって奴目がけて発砲した訳だ! そしたら、クリスタル・デュークは残骸を銜えて飛び去ったんだぜ」


「でもクリスタル・デュークは……」


 ユッキーの手を掴むバディ。


「ユッキーとオジサンが倒したのとは別の個体だよ」


「厳密に言うと、倒したのは俺達じゃないけど」


「多分、以前スカイ・ティラオスを襲った奴……」


 オジサンの頭上に何か固い物が当たった。


「何だ……これは」


 それからすぐ彼らの目の前にF・ウォーズの残骸が投げ出され、上空からC・デュークがゆったりと舞い降りて来た。みるみる内に気温が下がり、C・デュークの足元が凍り付いた。


「もう何度も戦った相手なのに、こいつだけは別のクリスタル・デュークとは違う威圧感を覚えるな……」


「クリュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥ」


 C・デュークは静かに鳴いた後、F・ウォーズの残骸をバリボリと食い始めた。

 その光景は、冷気以上に見てるものを凍てつかせた。


「うぉぇー……こんなんオヴァじゃん」


「ユッキー、オヴァって何だ?」


 オジサンの疑問。


「昔そんなアニメがあったんだよ。……それに共食い的なシーンがあってな」


 コシロウはC・デュークにライトライフルを向けた。コシロウの扱うライトライフルは「テイデンオブライト」で、黒と黄色が稲妻のように交わるカラーのスサノオ素材で作れる武器となっている。

 コシロウの撃った弾は、C・デュークの額にヒット。

 C・デュークは顔を上げた。

 口元は血のような赤で染まり、翼を広げた姿は残酷な天使のようだった。

 

「クリュ……リュ……リュウウウウウゥ!」


 C・デュークが光輝く。

 その神々しさに、バディが一歩前に出た。


「クリスタル・デュークが進化する……」


 寒さと冷気と凍てつく風の舞う山岳で、ユッキー、オジサン、コシロウは禍々しい空気に呑まれていった。

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