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231 PERFUME&DUST EXPLOSION

 クエストを開始してからハルガは「あっ」と呟き、ユッキー達を一瞥してからすぐに瞬間移動でC・デュークのいるエリアへと向かった。

 恐らく武器交換を忘れたのだろう。ハルガは意外にこういったミスをよくする。

 Tクラスのクエだったら致命的なミスだが、Sクラスであれば問題ないだろう。

 

 ユッキー達が食事を済ませて準備をし、初期エリアを出た頃にハルガはC・デュークを討伐。武器は火属性である「太陽王の太刀・極」を使用しているので、氷属性であるC・デュークの弱点を突いており、僅か五十秒でC・デュークはポコパンとなった。

 討伐チャットを見たユッキーは「えっ……」と言葉を零し、あまりの討伐スピードの速さに若干引いていた。

 続いてハルガはF・プロミネンスと相対する。

 火属性武器は水属性のF・プロミネンス相手ではあまり火力が出ないが、刀は基礎火力が高いのでそれなりにダメージが通る。

 F・プロミネンスが瀕死になった頃に、ユッキー達とスサノオが、ハルガのいるエリアに入って来た。F・プロミネンスがエリアチェンジしたので、ハルガはスサノオへとターゲットを変えた。

 ユッキーとオジサンは待機を命じられているのでエリア端に留まっていたが、ウサギは瀕死のF・プロミネンスを追いかけて行った。

 スサノオはヒート状態になって咆哮を放つ。それに合わせてハルガは、刀固有技のカウンターを使い咆哮を見切って硬直を回避し、スサノオに猛攻を浴びせて討伐。ユッキーとオジサンは無言で討伐されたC・デュークとスサノオの剥ぎ取りを行った。

 ハルガは討伐した二体を無視し、瞬間移動で瀕死のF・プロミネンスの元へと向かった。ウサギよりも早くF・プロミネンスに接触。F・ウォーズがF・プロミネンスのいるエリアに出現した所で暁玉を使い、飛行中のウォープロ夫妻を墜落させる。地上でのたまう夫妻の間でハルガは何度も回転切りを放って、F・プロミネンスを討伐。F・ウォーズの酩酊状態が解除された所で、ウサギは閃光の援護。再びF・ウォーズは酩酊状態になり、ハルガはF・ウォーズに激しい攻撃を浴びせた。F・ウォーズは瀕死状態になり、ユッキーとオジサンが戦闘エリアに到着した頃にはもう討伐されていた。

 四天王が全員討伐されるまでの時間は僅か五分三十秒。

 ユッキー、オジサン、ウサギは、信じられないといった表情でハルガの鬼気迫る背中を眺めているのであった。


 クエストクリアからのクールタイムが終わり、ウサギ以外のプレイヤーが拠点に戻された。


「……? どうしたんだ?」


 ハテナが浮かんでいるユッキー。


「このクエストは、受注者のみクエストクリア扱いになる。バディモードであれば、受注者とそのバディがクリアとなるが」


「じゃぁ、また俺とオジサンがこのクエストを受注しないといけないのか……」


 じぃーと、ユッキーはハルガを見る。


「もう一回行ってやってもいい。ウサギさんはイベント中だろうし」


「ありがとうございます!」


「オレはこう見えても面倒見がいい方なんでね」


 ハルガは、刀から武器種「パヒュームロッド」の「ミラージュロッド」に変更した。ミラージュロッドはSクラスの武器で、F・プロミネンスの素材で製作された物だ。以前セイカが武器種「ツイスター」の「ミラージュサイクロン」を使用していたが、この武器もF・プロミネンスの素材で作られている。

 ミラージュロッドの属性は水属性。基礎攻撃力は「260」。ハルガが使用する場合、スキルを火力スキル寄りにするので、実数値はもっと高くなる。

 

「オレはSクラスの武器を使う。これでお前らに戦い方を教えてやる」


 ユッキーとオジサンは飯を食い、ユッキーが「不貞の四天王」を受注した。

 オジサンとハルガが参加。クエストへと向かう。


 初期エリアにユッキー、オジサン、ハルガが並ぶ。

 前回と違い、ハルガは走ってF・プロミネンスのいるエリアへと向かう。

 Sクラスの武器だと瞬間移動が使えなくなる。

 ユッキー、オジサン、ハルガは、F・プロミネンスのいるエリアに到着し、ハルガはF・プロミネンスの至近距離で暁玉を使い酩酊させる。


「閃光支援しろ。クリスタル・デュークがエリアにいないなら暁玉を使える」


「戦闘に参加していいのか?」


「攻撃はしなくていい」


「わかった」


 ハルガは、F・プロミネンスにミラージュロッドで猛攻。Sクラスの武器を使用している事もあって、瀕死になるまでに三分かかった。弱点属性を突いている訳でもないのに三分はむしろ早い方で、スキルを火力に全振りしているお蔭だと言えた。

 C・デュークが戦闘エリアに来たので、F・プロミネンスとの乱戦が発生。それぞれが「850」ほどのダメージを受けた所で、F・ウォーズがエリアに出現した。

 瀕死のF・プロミネンスがエリアチェンジした所で、今度はC・デュークとF・ウォーズの乱戦が発生。C・デュークが「1050」のダメージで、F・ウォーズは「700」のダメージを受ける。このダメージ差は、C・デュークが氷属性でF・ウォーズが火属性という相性が関係している。

 C・デュークがエリアチェンジした所で、ハルガは他二体を無視してC・デュークを追いかけた。ユッキーとオジサンもハルガに付いて行く。C・デュークのエリアにハルガ、ユッキー、オジサンが着くと、F・ウォーズも追いかけて来た。再び、C・デュークとF・ウォーズの乱戦が発生。それぞれ前回と同じダメージを受けた。C・デュークはまたエリアチェンジし、ハルガはまた追いかける。これを繰り返していたらC・デュークが瀕死状態になった。

 C・デュークを追い詰めるF・ウォーズ。

 その様子を見ているユッキーは口を開いた。


「どういう事だ……? フレア・ウォーズが追いかけて来る」


「今使用しているミラージュロッドは、フレア・プロミネンスのフェロモンを放っている。それに引き寄せられてフレア・ウォーズが追いかけて来るんだ」


 別のエリアに本物のF・プロミネンスが瀕死状態でいるのだが、ハルガの使用するミラージュロッドが放つF・プロミネンスのフェロモンは、雄個体のC・デュークと同じエリアにある為、F・ウォーズはハルガの方にばかりに来るというカラクリがあった。


「頃合いだな」


 F・ウォーズの周囲に漂う粉塵を使い、ハルガはミラージュロッドの必殺技「DUST EXPLOSION」放ち、C・デュークを討伐。F・ウォーズもそのままDUST EXPLOSIONでハメ殺して瞬殺した。

 F・ウォーズとC・デュークの剥ぎ取りを行う、ユッキーとオジサン。


「……こういう戦い方もあるんだな」


「メインクエストはちゃんと戦略を練ればクリア出来るように設計されているんだ。ほら、行くぞ」


 F・プロミネンスのいるエリアに一行が辿り着いた所で、スサノオがマップに出現した。F・プロミネンスのいるエリアにスサノオが来て乱戦が発生。F・プロミネンスは「1050」のダメージを受け討伐。一方のスサノオは「700」のダメージを受けた。

 残りはスサノオ一体。

 スサノオが黒い煙を噴射した所で、ハルガは必殺技のDUST EXPLOSIONを放ってスサノオをハメ殺して討伐した。

 ここまでで約十五分ちょっと。さっきよりも時間はかかったが、Sクラスの武器でも討伐出来る事が照明された。


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