表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
204/300

204 拡張種 大空の竜スカイ・ティラオス

 また別のクエストに行くんじゃないかと不安になっていたが、

 今回は無事「決戦・大地の竜ティラオスの討伐」を選んでくれた。

 ユッキー達がバディからクエストを受注するとストがやってきた。


「今回は僕も遠くから観察させて頂きます!」


 バディは戦闘に入ってからも、マップのエリア「1」で調理を選択すればクエストに来る事はあるが、遠くからとはいえ、ストが同行するのは初めてだった。


「私がストの安心安全を守るので、バスターさん達は戦闘に集中して頑張って下さいね!」


「不安だなぁ」


 ユッキーはまだバディに気を許していなかった。

 会話イベントが終わると、セカンドが口を開いた。


「このクエスト、センコウハメ? ……を、しないと難しいらしいのだが、いまいち何故この戦術が必要なのかわからないのだが……」


 閃光ハメとは、目つぶし系アイテムを連続で投げ続ける事により、モンスターを行動させない戦術である。アイテムの手持ちが無くなるか、敵モンスターが戦闘中に完全耐性をつけるまで有効であり、割とオーソドックスな戦い方ではある。

「ティラオス 攻略」でネット検索すると、閃光ハメをしている動画が沢山出てくる上、モンハァンを様々なコンテンツで熟知していれば、特にわからない要素は無いのだが、そうでないプレイヤーなどは躊躇する要素なのかもしれない。


「取り敢えず、行ってみようぜ。セカンドがいるならクリア出来るだろ」


「ユッキー、そのセリフ最近は負けフラグにしか聞こえないぞ」


 和やかな空気で彼らはクエストに向かっていった。


 クエストは山岳マップ。このマップはティラオス戦が初出である。

 高低差の多い、草原、砂漠に続く3マップ目である。

 草原と砂漠はほぼ平坦なエリアが多かった為、突然のこの高低差は、ややきついと感じる仕様かもしれない。Nランク時点でのバスターの機動力では、エリア移動にかなりの時間がかかってしまうのだ。

 山岳マップのエリア数「5~10」となっているが、このクエストは固定で「10」。そしてどんな時間からスタートしても昼からスタートする。


 ミニマップを見ると、エリア「3」にアイスワンがおり、エリア「5」にティラメスがいる。エリアを通過しないと明確に表示されないが、討伐済みのモンスターはクエストスタート時点で表示される。


 ユッキー達は、エリア「3」と「5」を通過せずに、「?」マークのエリア「10」に向かう。ボスモンスターのいるエリアを通過すると、強制的に武器解放が行われ制限時間が発生するので、避けていると思われる。


 エリア「10」に辿り着くと、「ティラオス」が待ち構えていた。

 エリア「10」は開けた山場に奥は崖。太陽光が降り注ぐ見晴らしのいいエリアだった。


「ティャアアアアアアアアアアアアゴゴ!!」


 ユッキーの大剣とオジサンのライトライフルが淡いプリズムを放ち、武器性能が解放され、制限時間が発生した。

 それに併せて、BGM「大地と空の共振」も流れ始めた。

 

「いよいよお出ましだなっ! ポコパンにしてやるぜっ!」


 ユッキーがちょっとかっこつけてるのがわかった。

 「皆さん、頑張って下さい」とストのチャット。

 「バスターさん達ならやれるやれる!」とバディのチャット。


 ティラオスは猛牛のようなと突進を繰り返すが、フリャフリャとイビルゲイのピタゴラスイッチ的攻撃に比べて単純なモーションだった為、ユッキーとオジサンは余裕のローリングで躱していた。


「これ、普通にクリア出来るんじゃないか?」


「ただ、少し攻撃する隙がないな」


 オジサンは少しずつ攻撃をしてダメージを与えているが、今の所ユッキーは避けているだけでダメージを与えていない。ヘイトはオジサンの方に向いており、オジサンが攻撃する隙は減少していた。

 見かねたセカンドは、パラライズネットを敷きティラオスは罠にかかって罠麻痺状態に。ユッキーは大剣を振り回しダメージを与えていく。

 極端に部位の固い箇所もなく、戦闘モーションもシンプル。コンスタントにダメージを与えていると、ティラオスは瀕死状態になった。


「ガァアアアアアアアアアアアアアオオオオオッ!」


 ティラオスは、インド象並みの巨体を揺さぶり、大地を蹴り上げて咆哮を放った後、体を丸め始めた。


「何だ?」


「皆さん、離れて下さいっ! 嫌な予感がします!」


 ストのセリフが発せられてすぐ、ティラオスを中心に強風が吹き荒れた。BGMは無音に。ユッキーとオジサンとセカンドは吹っ飛んで、エリアの端の方まで追いやられた。

 ティラオスは土色の鱗をエメラルドの輝きへと変化させ、一帯を覆い隠すような翼を生やした。


「ガァアアアアアアアアアアアアアオオオオオッ!」


 「ティラオスが進化した!?」とストのチャット。

 そのチャットが流れてから、

 某飛竜の激しいアップテンポのアレンジBGM「新・丘森戦闘」が流れた。

 「これはどうしましょうかっ! 今回のクエスト内容を変更します」とバディのチャットが流れ、クエスト内容が「???の撃退」に変更された。

 討伐ではなく撃退クエストに変更された為、倒す必要はないというか、絶対に倒せないクエストとなった。


 ティラオスの翼の生えたエメラルド形態の名前は「スカイ・ティラオス」。

 「拡張種」というカテゴリーのモンスターとなり、Sクラス相当のモンスターとなった。

 スカイ・ティラオスは、一番ダメージを与えていたオジサンに滑空で近づきローリングテイル(回転しっぽ攻撃)を放った。「オジサンは戦闘不能になりました」というチャットが入る。スカイ・ティラオスは、Sクラスカテゴリーのモンスターな為、Nクラス最強のイビルゲイよりも基礎火力が高い。無論、Nクラス装備のガンナーはワンパンである。


「オジサーーーーーーーン!!」


 傍らでユッキーは「ドンマイ」の固定チャットを入れる。

 セカンドもイラスト付きスタンプで「ドンマイ」を入れた。

 スカイ・ティラオスは、ユッキーの方を向いて光線ビーム調の「エアブレス」を放った。スカイ・ティラオスになった時点で、土属性から風属性になっている。


「ブフォ!」


 強ブレスを受けたが、ユッキーの体力はミリ残った。


「加護が発動しなかったけど、ワンパンされなかった」


「ご主人! 防具が睡眠耐性の方のままだから、加護スキルは発動しない……!」


「そんな馬鹿なっ!」


 スカイ・ティラオスは、空中を飛び回って滑空し、エメラルドの太陽のような輝きを放って、大技を放ちそうなモーションをとった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ