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ダンジョンを破壊せよ  作者: ゆず胡椒
第一ダンジョン
3/54

第一のダンジョンへ・1

マスコット?キャラ登場

いつの間にか意識を失っていたようだ。

目を開くと青空がみえた。

俺はどこかの草原に寝転んでいた。

牧草のような背の低い草が一面に青々と生えている。


女神様は既にいない。

ここからは自分の力でやってくれってことか。

爽やかな風が吹いている。

俺は上半身を起こすとおもむろに呟いた。


「ステータスオープン」


……何も起きませんね……。

ステータスを開く呪文とかいるのかな?

俺も生前にはそれなりに転生ものとか読んでるけど、どのパターンが該当するんだかさっぱりわからない。

普通はこんなんで、つまり「そうしたい」と思うことで魔法が使えたり自分の能力が確認できるわけだが。

『異世界に転移する普通』のなんと矛盾に満ちた有り様よ。


哲学的なテーマだ。

それはともかく。


「んー、ステータス!認識!自己認識!確認!ステータス開け!開示!」

「ファイヤっ!○ラっ!……マ○リトっ!」


ステータスも見れないし魔法も使えません……。

くそ、勇者になったはずなのに!

いや、雷系呪文なら使えるかもしれない。

そう、諦めたらおしまいだってニシイオリが()ってた。

俺が雷撃系勇者呪文(ライディーン)!と叫ぼうとした、まさにそのとき。


「…なあ、あんちゃん。さっきからなにしてんねん?」


うわ、びっくりした!

いきなり後ろから話しかけられた。

人いたの?

恥ずかしい……。

焦って振り返ったが誰もいない。

空耳か。

はたまた幻聴か。

哲学なんて考えてたから俺の小さな灰色の脳細胞がオーバーヒートしたか。

違った。


「ここやでー」


下から声がする…?

視線を下げるとそこにはつぶらな瞳がついた黄緑色のマリモ?が鎮座していた。

マリモ……なのか?


「えーと」

「おはようさん」

「あ、おはよう。えっと君は……なに?誰?かな」


ちなみにこの……マリモ?

加藤英美理みたいな声だ。

なかなか可愛い。


「名前はまだ無いで。あんちゃんがこの世界にくるとき私も作ってもろたさかいに」

 

女神(リーガイル)様の関係者か?

作られたってどういうことだ?


「ちうかあんちゃんの分身兼、相談役兼、この世界の案内役兼、癒し系マスコットキャラちうとこやな。よろしくなー」

「ああ、うん、多芸なんだね。よろしく……分身?どういうこと?」

「うん、つまりやな……」


そして黄緑色のマリモは俺と彼?のこと、この世界について等々を語ってくれた。




――――――――――――――――――――――――――





あんちゃん、優遇措置(しえんせいど)があるって話は覚えてるやろ。

これはその一つ。

と同時にあんちゃんにとっての安全装置(ちゅーとりある)でもあるねん。

順に説明したるさかいな。

ええか?


まずあんちゃんのその身体やけどできたばっかりでこの世界にもあんちゃん自身にも最適化しとらんねん。

本来ならすぐ魔法も使えるんやで?

せやけどあんちゃん、元の世界に魔法は無かったろ?

それがいきなり魔法使おうとしたらどないなると思う?

と、こう言われたらわかるやろ?

そう、コントロールの効かん魔力はやっかいやで。

身体ん中で暴れて本人を傷つけてまう。

それを防ぐこと。

それが私があんちゃんとわけられた理由の一つや。


さっきいきなり魔法使おうとしてたやろ?

危なかったやんな?

私がおってよかったやろ?


そう、この世界には魔法がありよる。

現実を改変し、あり得ない結果をよびこむ法……あんちゃんもド○クエとかやったことあるやろ?

私は無いけどな。

あんちゃんの記憶もいくらかあるさかいわかるで。


ここはそれに極めて近い、いわゆる剣と魔法の世界ちうやつや。

嬉しいか?

んで私は何かってゆうと。

あんちゃんの身体の魔力と魂のほうの知識・情動の一部。

それに女神様の力と知識の一部が結びつけられた存在や。


え?わけわからん?

つまり、私を介さんとあんちゃんは魔法は使えへん。

と思っとけばええわ。

こら、あんちゃんを守るための措置や、ってさっきも言うたな?

せやけどそれだけやないんやで?

あんちゃんはこっちの世界にくるとき望んだやんな?


勇者になりたい?

ええ年して恥ずかしないん? (うるさいよ!)

まあ、内なる願いやさかいしょーもない願いでも仕方ないわなあ。

しゃあけど公の場では言わんといてや?一心同体、もとい一心二体やさかい私まで恥ずかしなるでな?

頼むで。


んで、勇者?ちうか俺TUEEEE!がしたいってのがあんちゃんの望みやんな?

もちろんできるで。

いつかは。

頑張れば。

ちう条件付きやけどな。

そう、女神様もちらっと言うてたやろ。


ダンジョンの魔力を奪えば俺TUEEEE!はできる。


奪った魔力に応じたレベルで、やけど。

あんちゃんの身体が魔力の扱いに慣れたら、やけど。

つまり段階を踏まなならんわけや。

んで段階をきちんと踏んだら私があんちゃんの身体に少しずつフィードバックしてあんちゃんを強化したる。

そのほうが安全やからな。


え?女神様が作った身体なのに不便?

あんちゃんいきなりごっつい能力追加(ブースト)は無理や言われたやろ?

それにな、ええほうに考えてみい。

ちょっとずつ強なったほうが勇者っぽいやろ?

そういうあんちゃんの内なる願いに配慮しつつ。

色んなすり合わせをして女神様がわざわざこのかたちにしてくれたんやで?

あんちゃん中身はもうええ年の大人やん?

周りが気ぃ使ってくれてんのに、いちゃもんつけるのおかしない?


せやな。

そこは謝るところやな。

え?

だったら最初に教えてくれ?

いきなり、ふあっいやっらめぇっとか叫び出すいかれぽんちに(らめぇっなんて俺は言ってない)どうせえちゅうねん?

しばくでほんま?

え、恥ずかしいこと思いださせんな?

あんちゃんが勝手に墓穴ほったんやろ。


まあええわ。

あんちゃんも転生したてで舞い上がってたちうことにしといたろ。


んで納得できたらそろそろ最適化(ファストリチュアル)を始めよか?

最適化が終わったらあんちゃんが見たがってたステータスも見れるし魔法も使える……いや、その下準備くらいは終わるわ。

いきなり極大魔法(エクストラマジック)とかは無理やけどな。

簡単な魔法とかスキルならこれで使えるようになるで。


―――――――――――――――――――――――――――――

※裏設定※

関西弁は適当

なお、女神は本来関西弁でしゃべる

言語回りは女神のものをコピペしたからマリモ?は関西弁になった

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