プロローグ
「そこの若い人、ちとワシの知っている昔話を聞かないかのう?」
のんびりと歩いていたら、突然80ぐらいのおじいちゃんが話しかけてきた
自分は少し考えて、とりあえず時間もあるので縦に頷いた
「そうかそうか、最近の若いもんは勉強熱心でワシもうれしいぞ」
自分は少し話を聞いた
内容は
昔にある感情を持たない人間兵器がいたこと
その人間兵器は、人を殺すために使われた
血を見ても、なにも思わない、その人が可哀想とも思わずに次々と殺していく
でも、そんな人間兵器にも殺せない人がいた
人間兵器は、感情を持たない、いわば機械だ
人間兵器は、とある少女を好きになってしまったのだった
だから殺せなかった
だけど、所詮自分は人間兵器……感情を一切持たない機械
ある日、人間兵器はこう思った
『どうして、自分は人間兵器なんだ……もしも自分が人間だったら、自分はあの少女に話かけることもできたのか?なら、自分はここにいない方がいい、そうだ……自分が死ねばいいんだ……」
と思ったそうだ
だが、人間兵器は自分を殺すことが出来なかった
なぜなら自分を殺す方法がわからなかった
人間兵器は、自分の体を思いきり剣で心臓を刺した
が……
まったく死ななかった
そもそも、人間兵器には心臓というものがなかったらしい
だから死ななかったのかもしれない
人間兵器の感情に近いものはズタズタになった
「という話じゃ、悲しいお話なのじゃ」
おじいちゃんは、そこで話を止めた
自分は、
「おじいちゃん、続きはどんな物語なの?」
と、どうやら自分はこのお話にハマってしまったようだ
「そうじゃのう~、なんて言えばいいのかわからないんじゃ、でもな、人間兵器はまだ、この時代にいるらしいのじゃ」
自分は、さっき聞いた話は物語と思っていたが、どうやら本当にあった昔話らしい
「その人間兵器って、今どのように暮らしているの?」
「それはじゃな、自分の目で見ると良いかも知れないな」
と言って、おじいちゃんは、突然消えた
<人間兵器>
自分の頭の中にしっかりと入れておいた
もしかしたら、<人間兵器>は、ずっと昔からどこかにいたかもしれない……