表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/173

103. 告知①

 ある日、沙織は地下スタジオで携帯電話を見つめていた。

 目の前にはパソコンに向かう鷹緒の後ろ姿がある。今日は撮影帰りにここで合流する約束だったが、鷹緒の仕事が一向に終わらないため、ここですでに一時間ほど待っている。

「よし、終わり」

 やがて鷹緒がそう言って、沙織は顔を上げた。

「終わり?」

「ああ。待たせたな」

「ううん。でももうちょっと待って」

 散々待たせた沙織がそう言ったので、鷹緒は首を傾げて沙織に近付く。沙織が持っていたスマートフォンには、縦書きの活字が並んでいた。

「小説?」

「うん。今いいとこなんだ。もうちょっとで章が終わるから待って」

「へえ……電子書籍か。おまえが本読むとか知らなかった」

「失礼な。これでも情報バラエティ番組の準レギュラーですし。前より読むようにはなったかな」

 そう言いながら、沙織は画面上でページをめくっていく。

 鷹緒は沙織の頭を撫でるように軽く叩くと、自らの支度を始めた。

「わあ……続き気になる」

 それから少しして、沙織はそう言いながら携帯をしまう。

「そんなに面白いんだ?」

 支度を終えた鷹緒に尋ねられ、沙織も立ち上がった。

「うん! なんかすごい感情移入しちゃうんだ。きっとハマるよ。鷹緒さんも読んでみる?」

「俺が? 小説なんて久しく読んでねえな……」

「カメラマンと高校生の恋物語なんだよ。なんか私たちのことみたいに思えちゃって」

「……FLASHフラッシュ?」

 本のタイトルを見せつけられ、鷹緒はそのままそれを読んだ。

「そう、FLASH」

「へえ。そんなに面白いなら読んでみようかな」

「本当? おすすめだよ」

「ま、気が向いたらな……そろそろ出るぞ」

「はーい」

 そんな会話を交わしながら、二人はスタジオを後にした。

「そんなこんなで、新たに某大手サイトからも電子書籍発売中です」

 振り向きざまに言った沙織に、鷹緒は苦笑する。

「誰に言ってんだよ、沙織」

「えへへ。いつも読んでくれてる皆さんに」

「早くしないとおいてくぞ」

「あ、はーい」

 今度こそ、二人はスタジオを出ていった。

以前より電子書籍を販売させていただいたサイト様の休止に伴い、ご要望にお応えして、本編「FLASH」改訂版と、続編「FLASH2」を、Amazon・Kindleストアにて発売中です。時期が来ましたら他サイトでの電子書籍出版も考えておりますので、そちらのほうがよろしい場合は今しばらくお待ちください。

これからもFLASHシリーズをよろしくお願いいたします。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07N1RR1JV/ref=series_rw_dp_sw/358-5279128-3413448

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ