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30日目はこの1話で終了です。
原田視点。
かなり短め^^;
自宅に戻って、原田が最初にしたこと。
それは風呂に入る事だった。
いや、もう熱下がってきてるし。
暑いし、べたべたするし。
いいのか悪いのか分かんなかったけど、村山先生いたら怒られる気がするけど!
帰宅したのが夕方という事もあって、その後すぐ夕飯(アオから貰ったスープに、これまたアオから貰ったご飯を入れて雑炊な感じで)を食べて薬飲んでさっさと寝た。
そして翌朝。
熱も下がって、関節の痛みも引いた。
流石に喉はまだ痛むけれど、体調は確実に快方に向かっている。
いままでも扁桃腺腫れた事あったけど、さすがにこんな急激に体温が上がったのは初めてだった。
体力落ちたかなぁ。
情けない。
合宿でこんななったとか、考えたくねぇし。
しかも……
布団から出した手に握られている携帯に、少し目を落とす。
いくつかボタンを押して画面に表示させたのは、合宿中に撮ったいくつもの写真。
これを早く見せたくて合宿帰りにアオの家に寄ったのに、ゼリー食って寝転がって熱出して……って俺は小学生か!
「あー……」
何の為に行ったのか、わかりゃしねぇ。
アオに迷惑かけに行っただけじゃねぇか。
見ていた携帯を床に転がして、原田は溜息をついた。
礼を言いたくても、メアドも番号も知らない事にさっき気が付いた。
家に行けばいつでも会えるからと、聞く事さえ考えなかった。
自分の間抜けさに、溜息しか出ない。
明日から学校が始まる。
始業式だから昼までには終わるだろうし、アオに会いに行こう。
まぁ、その前に自転車を取りに行かなきゃいけないんだけど。
朝はそんなに時間ないだろうから、また後で来るって伝えて。
メアド聞いて、連絡取れるようにして。
そしてできれば――
「名前、聞いてみるかな」
あの悲しい顔をしなくなったアオなら、教えてくれるかもしれない――




