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31日目に君の手を。  作者: 篠宮 楓
21日目~25日目 アオ視点

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47/118

アオ視点開始です


いくつものを、(あお)を描いた。

この場所に来てから、……そしてななしくんに会ってから。

その欠片が、部屋の隅々に散らばる。


色に囲まれたこの場所に、ひときわ目立つ真っ白なキャンバス。

水彩用のキャンバスは、何にも染まらない色で、私を見つめている。




ななしくんから貰った(こころ)

小さな欠片が、いつの間にか溢れるように、心を染め上げていく。

それに伴うのは、幸せという名の感情。

そして、ほんの少しの切なさ。



ななしくんが合宿に行って、今日で四日目。

ななしくんと会ってからこんなに顔を見ない日はなかったから、余計寂しさが募る。




聖ちゃんに抱いていた気持ちとは、違う。

常に前を行く聖ちゃんを追いかけて、置いて行かれないように息もつけないほど駆けていたあの頃。


でも、ななしくんは。

私を見て、私の傍らにいてくれて。

ほんの少し、半歩前を歩いて……

手を差し伸べてくれる。



穏やかで、優しい想い。



目を瞑って、息を吐き出す。

浮かぶのは、一面の(あお)


ななしくんの優しさの込められた、色。



思わず笑みが零れる。



「ななしくん効果、だね」



目を開けて、筆を執る。


「ね、ななしくん」



幸せな気持ちも、切ない気持ちも。



君がくれた(いろ)を、私は捕まえていたいんだよ――




……いつでも君に、会えるように。


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