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31日目に君の手を。  作者: 篠宮 楓
12・13日目 アオ視点

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30/118

今日は2話投稿します。

短めです。

アオの過去ターン

今日も、昨日と同じ真っ青な夏空が広がっていた。

吸い込まれてしまいそうなくらい、深く青い空。

ななしくんに、引き戻してもらえた青の色。

どこかで、ななしくんも見てたらいいな……そう思った。





夏の午後は、とても静か。

とくにここは隣の家との間も空いているし、目の前は川。

暑い最中、散歩する酔狂な人はそうそういない。

聞こえるのは、蝉の声、川風が揺らす草の音。

川の流れ。


人間の存在さえ忘れてしまう、人の気配は欠片もないこの家で。

私は希う。



もう一度、あの、感覚を。

もう一度、あの、場所に。



青色を、いくつも紙にのせていく。

薄いものから濃いもの。

白みがかったもの、たくさんの青。


「ななしくん、今、どこにいるんだろう」

ぽつり、呟く。


綺麗な青は、ななしくんが傍にいなくても心に鮮やかに映る。

けれど、ななしくんがいるともっともっと鮮やかで爽やかだ。


しばらく来れないって言ってた。

しばらくって、どのくらいだろう。


約束もしていないのに、毎日来てくれるななしくん。

「優しいよねぇ」

ほわり、笑みが浮かぶ。

目の前の青が、鮮やかさを増していく。


「ななしくん効果~」


絵筆は色水を吸って、白を染め変えていく。

白一色の画面が、いくつもの色に染まっていく。



そうだね。うん、そう。

描いている時は、無心じゃない。


少し前、自分が口にした言葉を否定する。



大切なものを思い浮かべながら描いたら、その絵には私の心が宿るのかもしれない――




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