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第2話: 初めてのお客様と特製パン

俺が異世界に転生してから数日が経った。

毎日新しいレシピと魔法の使い方を練習し、この台所にもすっかり慣れてきた。

ある日の朝、目が覚めると台所に誰かが立っていた。若い女性だ。


「おはようございます、あなたが新しい料理人さんですね?」


彼女は近くの村から来たと自己紹介した。

名前はリリィ。

村で一番の情報通らしく、俺の存在を聞きつけてやってきたらしい。


「村の皆が新しい料理人さんの料理を楽しみにしているんです。今日はその様子を見に来ました!」


俺は少し驚きながらも、リリィに微笑んだ。

初めてのお客様だ。

緊張するが、ここで腕を見せるチャンスだ。


「ありがとうございます。何か特別な料理をリクエストはありますか?」


リリィは少し考えた後、こう言った。


「美味しいパンを作っていただけませんか?村の子供たちが大好きなんです」


パンか。

幸い、この台所にはパンを作るための材料が一通り揃っている。

俺はすぐに取り掛かることにした。


まずは小麦粉をボウルに入れ、イーストと水を加える。

手際よくこねて生地を作り、しばらく発酵させる。

魔法を使うことで発酵時間を大幅に短縮できるのがこの世界の利点だ。

次に、特製の果実ジャムを作ることにした。異世界の果実は香りが強く、色鮮やかだ。


「リリィさん、この果実はなんという名前ですか?」


「それはルビーベリーです。甘酸っぱくて美味しいですよ!」


ルビーベリーか。

名前からして美味しそうだ。

俺はそれを丁寧に煮詰め、ジャムに仕上げた。

そして発酵が終わった生地にこのジャムを詰め、焼き上げる。


焼き上がるまでの間、リリィは興味津々に台所のあちこちを見て回っていた。


「ここってすごいですね!魔法で何でもできるんですか?」


「まあ、できることも多いけど、基本はやっぱり料理の技術だよ。魔法はあくまで手助けだ」


そんな会話をしながら、パンが焼き上がるのを待つ。

そして、オーブンから取り出したパンは黄金色に輝き、香ばしい香りが漂う。


「すごい!美味しそうです!」


リリィの目が輝く。その反応を見て、俺も満足感を覚えた。


「さあ、召し上がれ」


リリィは一口かじり、目を大きく見開いた。


「これは……なんて美味しいんでしょう!今まで食べたパンの中で一番です!」


彼女のその言葉に、俺は心から嬉しくなった。やはり、料理で誰かを喜ばせるのは最高の気分だ。


「ありがとう。村の皆にも喜んでもらえると嬉しいな」


リリィはそのパンを大切に包み、村に帰っていった。初めてのお客様を満足させることができて、俺は新たな自信を得た。

次回予告: 3話 村の祭りと特製料理


リリィの紹介で、村の祭りに招待された俺。

そこで村人たちに振る舞う料理を準備することに。

果たして俺の料理は、村の皆を満足させることができるのか?次回、新たな挑戦が待ち受ける!

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