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第2章 後編 僕の決意

殺戮、管理、人が殺される……か。


「お〜い、雅也!上の空だぞ!何かあった?」


笑顔の海斗。僕は返事を返すのが面倒で適当に息をつく。 


「なんだよ!どうかしたの?」

「いや、どうしてもっとまともな親友を作らなかった自分を軽蔑してただけだよ。」

「それって遠回しに俺のこと言ってるでしょ!」

「何を言ってるんだよ。授業が終わるたびにクラスの女子に疑わしい視線を向ける男子の端くれにもおけない奴のことを言ってるだけさ。」

「…………別に女子を見てたわけじゃない!制服を制服を見てただけだ!」

「はいはい。弁解は2時間前の休み時間に言うべきだよ。」

「ちょっ雅也。待ってよ!先に行くなって!」


学校が終われば寮に帰る必要がある。刹淕学園は3クラス、Sクラス、Aクラス、Bクラスに別れている。クラス事に2、3年生と同じ寮で過ごしている。これも殺戮クラスにとっては都合の良いことなのかもな~。


「雅也、初日から宿題の山って面倒だよね。」

「海斗にとってはそうかもな。」

「何それ。自分なら楽に出来るとも言いたげだね。皮肉~!」


そういって海斗はふざけたように僕からバックを奪った。


「返せよ。その中にはさっき話した宿題の山が入ってる。もしかしてやってくれるつもり?」

「クックック!俺は見た!授業中なにげに宿題を片付けてた雅也の姿を!」


まるで悪の組織の失敗すること前提の作戦をいかにも有効そうに考えている悪役に見えてきた。


「それは幻だよ。幻覚だ。もしかして海斗も老化が進行しているみたいだね。」

「そう言って!何だよ。雅也は勉強できるからって……。」

「だって簡単だろ?中学の復習しか出てないのに解けない方がおかしい。」


その時、3時を告げる時計搭の鐘がなり響く。確かこの学園が創立した際に造られたんだっけ。

廊下から見た時計塔は真新しさがあって、まるで昨日にでも造られたような感じだった。

……金があるだけに毎年設備してるんだろうな。


「じゃ、急ごうか。門限決まってるし……。」

「じゃ……て何だよ。」

「僕は管理生だからね。一般生徒の見本でいなくちゃいけないんだ。」

「はいはい。雅也がそんなこと言うだなんて大丈夫?」


門へと着きくぐり通ると外は、とても澄み切っている。


「……なにがだよ。僕は常に健康体で有名なんだぞ。」

「うさんくさい雅也はほっとこう。」

「……そうだよね。もともと海斗と僕はそういう関係。交わらない双曲線なんだよな。」

「ちょっ!冗談だって。雅也~!」


その屈託のない笑顔に、こいつはどうなんだ、と考える。

その夜の授業に参加する者なのか?


門限まで後10分。新入生の門限はおそろしいほど早い。

それに比べ2,3年生は門限が早いわけでもないのでゆとりが見える。

走る……までとはいかないが早歩きといったほうが妥当だろう。


「そういえば、雅也はちゃんと先生の話聞いた?」

「…………。」


早く寮に着くことを考え無駄口を叩かない。

管理生ということは表向きでも模範生なのだ。5分前行動は大切だとか何とか悠夜先輩に言われたことを思い出す。後5分で着くかどうか。


「夜間授業のことなんだけど。」


聞いてなかったな。面倒だし僕って無気力が命だもん。


「そっか。そっか。じゃあ今日も頑張ろうな。」

「うん。頑張ろう!ってもう学校終わったし!意味不明。ちゃんと話し聞いてよ。」

「さ~て急がなくちゃな。管理生って大変だ。」

「……棒読みだよ。雅也。って!待ってよ!!」


海斗が声をあげ僕へと追いつこうとする。

さぁこれから何が起きる。

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