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第6章 中編 ただ今管理室に移動中

前章全て書き換えさせて貰いました。

見なくても支障はありませんが主人公がすこーし無気力キャラになってるかもしれないです。

―放課後


人通りのない長い廊下を僕は現在進行系で歩いている。


広い校舎は移動するだけでも時間がかかるから面倒だ。


「……あと5分くらいで着くかな。」


向かってる場所はもちろん生徒管理室。悠夜会長に会うため。試験内容を再度確認するためだ。


「にしても僕も変わっちゃったな。」


僕は軽くため息をついた。

この学園は世間から隔離されていて部外者はよほどの限り入れないらしい。そして国家からの手厚い援助。偏差値では上位に君臨するように集めらた学生達。


僕だってこの高校に入ったのは殺戮をするためじゃない、夢を叶えるためだ。

でも夜の授業のせいで成績が落ちる……ってことはない。自然と暗記出来てしまう。僕ってもとは天才!?とか思ってるのは冗談だとする。前までは何度も復習しまくってたのに今ではそれ以上の成績がとれていてビックリ。脳の作りが変わったのかな?



「それに恐すぎる先輩方……。」


あれは普通じゃない。この生活事態が普通じゃないけど……。たった2人の先輩に関わっただけでなんでこうなる?

悠夜会長はスポーツ万能だし天才的な頭脳を持つ。性格も優しいけどどこか裏がある。それに顔も整ってるから隔離された学園内では以上なほどの人気がある。そのせいで悠夜会長は神的な崇拝を受けているらしい。たとえば……。


僕は廊下の角を曲る。そこには女子生徒がいた。

説明するのは後にしよう。誰かに見られて考え事するのは嫌いなんだ。


女子生徒は2年生かな?リボンが赤だし。

知らない人なのでとりあえず素通りだな。歩調を速める。


「ちょっと貴方!!」


えっ?いや僕じゃないことを祈って歩調をさらにアップ。


通り過ぎようとした所で肩を捕まれた。痛いですって……。僕はバランスをとろうと腰に手をあてる。


「貴方。一年の分際で悠夜会長と話せるだなんて良い気にならないでよねっ!!!」


またか……。っていうか説明する手間が省けたよ。って誰にだよ!本格的に僕って危ないな。


「だったら悠夜会長と話したらいいじゃないですか?」

「まっなんてこと言うの!あそこまで高貴なお方の目に入るだけでも貴重だと言うのに。1年の管理生だからって生意気。」


人気が高すぎる先輩といると知らない先輩に絡まれる!嫌だよね〜僕に一目惚れしたってなら別だけどさ。


「……クラスはどこですか?」

「そうやって口答えするなん……はっ?」


僕の突然の質問にあっけにとられる顔をする2年女子生徒。耳が悪いのか?


「だからクラスを聞いてるんです。2年何組ですか?」

「A組よ。……なんで聞いたのよ。」

「いえ、何となくです。」


B組だったら殺戮生徒として尊敬しているのかと思ったけど違うのか。ただの熱情か。パッションか。だから人通りのない廊下で話しかけてきたのに武器を使用しないのか。先輩方って通常の一般生徒に見られてなければ使用している。これをチクると後で怖い目に会うから言わない。ふっ……僕ってビビり〜♪


「あと一つ質問良いですか?」

「なによ……。」

「悠夜会長に惹かれるのはなぜですか。」


僕の疑問だ。一般生徒が何故惹かれるのか。容姿か?生徒会長と管理生の座か?性格か?

彼女はさも当然と言う顔をした。


「……あの人は神に近いわ。神の申し子。存在するだけで私は尽くしたくなった。好きになることは禁忌よ。知らない内に惹かれてしまう。あのお方が纏ってる空気に魅了されちゃうのよ。分かった?」

「……はい。貴女が偶像崇拝者だってことが。」

「本当に生意気ね。殺したくなるわ。」


女子生徒が素早く僕の首に手をかける。


えっ?


「フフッ。私は本当はB組なの。騙されちゃうなんてやっぱりあまあまな1年生ね。個別授業を受けてるから2年生の殺戮生徒が分からなくてよかったわ。私はね管理生の実力試そうと思ったのよ。」


首を締めてる割には力を入れてない。殺す気はないってことが分かった。頬を緩ませる一般女子生徒……訂正、殺戮女子生徒。僕はそんなことにいちいち芝居してられない。無表情を貫く。彼女を見つめ。


「皆言うんです。皆……。」

「はっ?この状況で何いうき。」

「皆、悠夜会長を神だと言うんです。なぜあの人が神だと?崇拝される悠夜会長が可哀相です。」

「…………。」

「頼られるばっかりで、崇拝されて皆近付かないって聞きました。皆が皆を監視してるんですよね?神に触れさせないためと。」

「……知ったような口ね。うざいわ。」

「管理生ですからね。知ってるんですよ。この学園の流れが。」

「……貴方に何が分かるの?私には私達殺戮生徒にはあの方しかいないのよ!あの方が望むなら自殺だって大量殺人だってしてやるわよ!だってあの方だけが全てなのよ!貴方も今に分かるわ……。あの方以外この学園で信じられる者がいないと!肝に命じておきなさい。」


そう言って彼女は僕の首から手を離すとスタスタと歩いてしまう。


「最後に一つだけいいですか!」


カッコイイ去り方に水を差す僕。

律儀にもちゃんと振り返ってくれた。


「……何よ。」

「なぜ錐吾先輩はあまりモテないんですか?顔は良い方だし性格だって冷静ですがちゃんと支えてくれる人なのに。」

「……悠夜会長に敵対意識を持つ者は好かれないのよ。生徒管理生ってだけで仲良いなんて本当にうざいわ。」

「そうですか。」


ならこの1年間僕は2、3年から嫌われること覚悟か……。友達、海斗以外にも作っとくべきかな〜。仲間は多いに越したことはない。女子中心に作ればハーレムも夢じゃないな……嘘です。


「…………。」

「…………。」

「……どうかしました?もう用はないですけど。」

「質問来ると思ったのよ。あと1つだけなら答えてあげても良いわよ!」


なんだそれ?


「じゃあ……武器を教えてください。」

「素直に名前とか聞かないのね。」

「武器で覚えたほうが楽なんで。」


名前なんて覚えるの面倒だ。だけど武器の種類を知るためにも聞いてみた。

含んだ笑いをする殺戮女子生徒。


「フフッ。生意気でうざいわ。武器は鎖鎌よ。」

「鎖鎌の人……。」

「人とか酷いわ。別の言いかたにしなさい。」

「では……おばさん。」

「お姉さん……よね?もしかして殺されたい。」


冗談ですよ。


「鎖鎌のお姉さん……で良いです。」

「よろしい!じゃあね。雅也君。」


あっ僕の名前知ってたのか。


「……さよなら。鎖鎌の先輩。」


小さく呟く。

結局のところ、お姉さんなんて言うほどの趣味は持ち合わせていない。


僕は鎖鎌の先輩とは背を向け逆の方向に歩き出す。


僕にいやと言うほど絡んでくるイカレタ宗教団体の先輩方。名前を覚えるだなんて多過ぎる。


でも良かった〜。


手に持つナイフを見えないようベルトへセットする。


あと少しでも首に力入れてたら殺してしまうところだった。

あの人に肩を捕まれた瞬間に腰からナイフを抜きとりかけて、いつでも出せるようにしていた。


「……本当にあまあまな先輩で良かったよ。」



さて生徒管理室に向かわなくては……。

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