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40話:※残忍で残虐な表現を含みます


<アリス視点・但し感情移入、共感、同調を非推奨>


「ごぐっ……」


 一瞬で全身が岩のように重くなる。耳がキーンと鳴り、ティナ達の声も聞こえない。


「ふむ。心臓を狙ったのだがな、そこは魔女の悪運とでもいうべきか……ふんっ」

「ごっ!?」


 短い槍が、腹から抜かれる。


 あたしはとっさに回復魔法をお腹にかける。

 ……後から思えば、この瞬間は、槍を刺し、動きを止めたチビに攻撃魔法を使ってやれば良かったんだと思う。だけど、そんなことはお腹の激痛と全身の氣持ち悪さ、息苦しさ、唐突に襲い掛かってきた死への恐怖に全部が全部、塗り潰され、何も考えられなかった。


 その一瞬の忘我(ぼうが)が……致命的だった。


「!」


 襲ってきた圧倒的悪寒に、全くの無意識で、身を(よじ)る。


 ガチ……という鈍い音。


「ぐっ!?」


 背中に激痛。身体が風見鶏みたいに回転して、足がもつれた。


「往生際の悪い」

「い゛っ!?」


 そしてゴチ……という鋭い音と共に……右肩……先程開けられた穴よりも少し上の方……にも激痛。


 体勢が完全に崩され、岩のように重くなった身体は、吸い寄せられるように、仰向けで岩の地へと崩れ落ちる。


「んがっ……ひゅぐっ!?」


 岩の地面に背中を強打して、肺の空気が押し出されるように口から漏れた。


 それでも一瞬、慌てて起き上がろうとして……動けないことに氣付いた。


「え? え?」


 あたしの右肩を貫通した槍が、その下の岩に、深く突き刺さって……いる!?


「あああぁぁあ゛あ゛あ゛」


 お腹の傷も完治しないまま、あたしはなんかの虫の標本みたいに、槍で、地面に刺し止められている!?


「その黒いモノ……魔法陣か……それを消せ。その頭、踏み潰すぞ?」

「いっ……いたい! いだい! いだいよぉ!」

「早くしろぉ!!」「ひっ!?」


 抵抗できないほどの威圧を受け、あたしは、お腹の治療のために出していた魔法陣を消した。まだ重要な血管を治しただけで、肉も内臓も治っていない。なんの内臓が駄目になっているか、それは分からないけど、お腹に沸騰(ふっとう)したゲロでもぶっかけられたような氣分。


 氣持ち悪さに、吐き氣と眩暈(めまい)がしてくる。


「なんでっ、槍、もう一本っ!?」

「これか?……竜殺しの槍はそもそもジャベリン、投げ槍でな。投擲(とうてき)する部分は分離できるようになっている。今ここにあるは投擲部を分離した残りよ」

「なんでっ、空に投げたのに、生きてっ!?」

「我は竜殺し。空中は、そも想定された戦場である」

「それだけでっ」


 動けない身体で、それでも地を舐め、チビの身体を見上げると、その背中に……なにか先程までにはなかったモノがある。


 さっきまで、そこには、革鎧の、分厚い背中の装甲部位があったはずだ……それが溶けたかのように無くなり……その代わりに、そこにあったのは……そこから伸びていたのは……。


「紐?……」

「知らぬか。これはパラシュートという。高所より落ちた人の命を、助ける用具だ。傘の部分はもう分離したがな」

「し、ら、な……なにそれ」


 わけがわからない。


 意味がわからない。


 四百年前にそんなモノは無かった。


 いや、この時代にだって、滅多にないモノだろう。


 よりによってどうしてコイツが今、それを持っている? 装備していた?


 竜殺しだからなの?……そんな偶然って、アリなの?


 まるで運命のように、あたしはコイツに勝てない。勝てなかった。


 認識が、冷氣のようにあたしを覆う。


 どうしてあたしは、魔法陣を消した?


 威圧されたから。それが心の底から恐ろしかったから。


 痛みに、苦しみに我慢して、結界で身体を覆うなり、攻撃魔法を使うなりすればまだ反撃の芽はあったかもしれないのに?


 どうしてあたしは……魔法陣を消してしまったの?


 心が認めてしまったから。あたしではコイツに勝てないと思ってしまったから。


「いぁっ……だめ……こん、なの……違う……あた、しは……」


 寒い。心が(こご)えていく。


 ユミファの魔法で石化するように、あたしが痛みに焼かれて、(こお)っていく。


「俺は貴様に要求する。今すぐ、ここにいる全員の目を覚ませ」

「だ、から、そ、それ、は、あたしじゃ、なぎゃあああぁぁぁ」


 チビの右足が、あたしの左肩を踏む。骨が砕けた。


「他に仲間は?」

「いだっ……うっく……や、やめ……」

「仲間は?」

「……い、いたら、あたしが知りたいって……ひぃっ!?」


 耳元でドゴッという音。

 見ればチビの右足が、あたしの耳元の地面、その岩を割っていた。


 信じられない。


 体重も、そこまで重いとは思えない小さい身体。


 その踏み潰しで、どうして岩が割れる?


 勝者と敗者の違いが、明確になっていく。


「動くな。不穏を感じれば頭を潰すと言ったはずだ」

「ひっ!?」


 再び、今度は逆側の耳元の岩が割られる。


 尖った耳の先に、こいつの踵が少しカスった氣がした。


 あんな踏み付けを喰らえば、あたしの頭など一瞬で木っ端微塵だろう。


 イヤだ。


 頭部がグチャグチャになったあたしを、ティナが悲しそうに……でも気持ち悪そうにも……見ている姿を想像してしまった。


 そんな死に方は、絶対にイヤだ!


「お前はどこの者だ? 見ればハーフエルフのようだが、カナーベル王国に仇なすは何の因果に拠るモノか」

「あ、あ、あたしは、誰の仲間でもないし、ティ……アンタの国に仇なしてなんか……ぎゃあ!?」


 岩を割る踏み潰しに、あたしの右足、そのくるぶしが粉砕される。


「魔女め。ならば俺や俺達のテントの間で何を()さんとしていた。眠っていた者達、あの肌の色は、ゴブリン化の兆候であろう? 人をゴブリンに変える魔女、伝承にあるデュルムジュームとはそなたのことか?」

「う、う、う……」


 よりによって、そこと勘違いされるのか……。


 四百年で、随分と伝言ゲームされたみたいな、ドゥームジュディの名前。


 何か反論したいけれども、身体のあちこちから上ってくる痛みと不快に、それもできない。


「答えろ!!」

「おぎゃ!?」


 今度は右足の、その太ももを粉砕される。


 ……って、だから痛い痛い痛い!……いたいよぉ。


 だくだくと血が流れていく。

 服が、鎖帷子の下のインナーが、自分の血でジュクジュクしていってるのがわかる。


 でもその認識ですら、感じた次の瞬間には、全身あちこちからの「痛い」という訴えに塗り潰され、全部が全部焼かれてしまう。


「エルフの血も赤いのだな。()なことだ……心がまだ稼動するなら答えよ……尋問だ」

「いやぁぁぁあああぁぁぁ」


 そうして答えようもない質問に、今度は左足が折られる。


 ヤバイ。


 これはすっごくヤバイ。


 死ぬ。


 これは本当に、マジでヤバイ。


「ぎっ」


 意識が遠のく。明滅する。


「……貴様!


 この状況は……


 なのだろう?……


 魔法……


 そんなことが信じられるか!


 ……この状況を


 ……るにはどうすればいい


 殺させない


 戦いもせず死ぬ不名誉


 俺は許さない。許せない


 魔女……


 誤魔化すな! 


 ……答えろ!!」


 質問は続くが、どれもあたしには答えられない。それはもう知識的にも、心の余裕的にも。


「ぎっ」


 左足の太ももも折られる。


「べぎゃっ」


 刺し止められたままの右肩を掴まれ、信じられないほどの握り潰しで、その骨を粉砕される。


 あたしが壊れていく。


「ごぁ……」


 噛み締めた奥歯から、そこへヒビが入ったかのような感触が返ってくる。


 ……そして、血で滲むあたしの視界に、チビが懐から、小さな小瓶を取り出すのが見えた。


「これは肉を溶かす液体だ」

「ぅぇ……」


 やばいやばいやばい。

 (ぼう)とし始めた頭でも理解できる。さっき背中に食らったのはアレだ。


 あの猛烈な痛みと熱さ。今思い出しても寒氣がする。


 ……嫌なことを思い出す。


 酸。


 あれは強酸だ。


 そういう攻撃手段は、あたしの時代にもあった。っていうかアムンが得意だった。


 友軍誤爆(フレンドリーファイア)の発生しやすい攻撃手段だから、使いドコロは限られていたものの、ハマった時の、それの効果は抜群だった。

 アムンの攻撃で、ドロドロに溶かされた人肉のおぞましさを思い出す。見た目はまだ氣持ち悪いだけで済むが、あの臭い……。


「ひ、いや……その瓶……」

「腹に、いい具合に穴が開いているな。これを流されたくなければ……答えよ。貴様は俺の仲間に弓を引いた。そこに、慈悲はない。ならばせめて真実を吐け!」

「や……いやぁ……本当に、ほんどうになにぼじらないっで……い゛や゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁあああぁぁぁ!!」


 焼かれる。


 身体を内部から焼かれる。


 ボロボロの身体が、もう自分でも何がなんだかわからないほど跳ねていた。


「ぴぎっ!?……が……ぁ……」


 噛み締めた奥歯が割れ、口の中が血だらけになったのがわかった。


「うぎっ……ぐぇ……ひぐぅっ……ぇぁ……」


 なにがなんだかもうわけがわからない。


 痛みが痛いというのを通り越している。


 氣持ち悪い、吐き氣、眩暈、酩酊、激痛、焼かれる、痛いという鉄板の上でジュウジュウ焼かれている。苦しい、死んじゃう、沢山の血が流れて寒氣がする。寒氣が熱い。凍えるほど焼かれてる。死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、あたし死んじゃうよ。


「が……ひぅ……ぅぁ……」

「やはり答えぬか。所詮は化生(けしょう)の類よ」


 慈悲とか……容赦とか、それどころか人間の感情すらあるのかもわからないような……そんな男に組み敷かれ、あたしは命を奪われようとしている。


 肩が両方折られ、粉砕された。

 足が、両足とも踏み潰された。

 口の中がおかしい。激痛が脳を直接焼いてくる。味覚が全部サビと痰の味。


 お腹に激痛の塊がある。それはもう何も思いたくない。意識から遠ざけたい。どんどん侵食されて、腐食されて、溶かされて……そんなボロボロの肉があたしの神経と繋がっている……それはどんな悲劇?


 あたしが溶かされ、消えていく。


「……本当に知らぬか。ならば」

「……ぃぁ゛」


 もうやだ。


 痛い、苦しい、辛いよぉ。


 死んじゃう。あたしこのまま死んじゃう。


「たひゅ……けで……ママ」

「魔女よ、あと一度だけ聞く」

「……なに……を゛?」


 やだよぉ。


 痛いのもうヤダ。


 苦しいのもうヤダ。


 辛いのもうヤダ。


 早く楽に……違う……死にたくなんてない……でも、もう痛くて苦しくて辛すぎて。


 どうせ終わるなら早くしてほしくて。


 だけど、もっと耐えなくちゃ、ティナ達が逃げられない……ティナ?


 そういえば、もうずっと長いこと、ティナの声を聞いてない氣がする。


 どんなに長くても、数分前にはその声を聞いていたはずなのに、不思議だ。


 と……そこであたしは(ようや)く氣付いた。


 ティナの、生体魔法陣(せいたいまほうじん)の氣配が感じられない。


「あ、れ?」「む」


 顔を横にする。溜まってた血と痰が、口の端からだらだらと流れていく。


 そういえばコイツ……顔そのものへは、何もしなかったなと……ぼんやり思いながら……あたしは、ティナの生体魔法陣の存在が、もうこの場のどこにも知覚できないということを、感じ取った。


 それ自体は、不思議でもなんでもない。あたしがこれだけ痛めつけられ、ダメージを負った今、その維持に必要な何かが失われたのだろう。


 だけど、でもティナは、それなら……どこへ行ったの?


 そうしてあたしは、ティナとサーリャがいたはずの方向に、あのバカ女……王女だとかいうクズ女しか残っていないことに氣付いた。


 ……ああ。


(なんだ……もう、逃げていて……くれていたんだ)


 ホッとする反面。


 なんだか少し寂しい氣がするけど。


 なんだかとても悲しい氣がするけど。


 この今のあたしの身体と、同等なくらい、心の何かが傷付いて、欠けた氣がするけど。


 でも……だったらいいかな。


 あたしもう、この痛みに、お別れしても……いい?


「ううっ……う……うわあああぁぁぁん!!」


 涙が、それがあたしの命への未練だったとでもいうかのように、ボロボロと冗談みたいに(こぼ)れていく。


「答えよ、最後の質問だ。聖女……あそこにいた少女と、お前の関係は?」

「……ひぐっ……うぅ……うぐ……ティ、ナが、あたしにと、って……ぐす……なに、か、って?」


 大切な人。


 長く、できるだけ長く、許される限りその(そば)にいたかった。


 大事な人。


「便利な、どぐぶっ……どう、ぐよ。魔ほ、うに詳しい人が、いたら、聞いて、みれば? 生体、魔法、陣。あははははは、はぎゅっ……」

「そうか。まぁ良し。聖女殿にはしかるべき手続きを取らせてもらうとしよう」

「……じがるべぎ、でづづぎ?」

「貴様と同じく、魔法使いであるのならば、法に従って処分すればいい。そうでなければ男爵家と国の判断に委ねるさ。疑惑だけで貴族を処断することはできぬ。ならばその判断は上に委ね、任せるさ」

「……そ」


 なら……いいか。


 ティナは魔法使いじゃない。


 ティナだったら、問答無用にならない限り、嘘八百、ハッタリと誤魔化しでなんとかしてくれそう。あの子にはまだ守るべきモノがある。なら大丈夫。


 ……それはとてもさみしいことだけど……でも……ならいいや。


 早い内にパパもママも亡くして、普通の暮らしは出来なくて、だから普通の幸せがどこにあるのかもわからなくて、酷いことも、ムカつくことも、悲しいことも、さみしいことも、なんか色々あった人生だけど、ティナが生きてくれるなら……もういいや。


 そのために死ぬんだったら、もういいや。


 最期に、守れてよかった。


 そういう死なら、もういいや。


 ほんとうはすごくすごくさみしいけど、でもいいや。


「何も得られなかったが、別に最初から多くを期待してのことではない。これは俺の不始末、あとは貴様に頼らず俺が処理しよう。魔女よ、最期に何か言い残したいことはあるか?」

「……言いのごじだい、ごと?」

「あれば(うけたまわ)る。貴様は、貴殿はちゃんと俺の敵だった。戦ったという実感を得られた。それには敬意で応える」

「言いのごじだい……こと」


 そっか……あたしはここで死ぬのか。


 もうダメ。あたしにはもうどうにもできない。


 痛いよ。


 苦しいよ。


 辛いよ。


 さみしいよ。


 もうあたしにはそればっかりで、なにもない。


「……ごめんね、エンケラウ」


 エンケラウ。


 あの時、痛かったよね?


 その氣持ち、今なら少しわかるな。


 痛くて痛くて痛くて、頭の中がグチャグチャ。


「それが貴殿の遺言か? 誰に伝えればいい?」

「エンケラウは、もう゛死゛んでる。あだじは天国にはいげないと思う゛から、アンタが行っだら伝えでおい゛で」

「……そうか」


 こんなのもう、こんな風になったらもう、わからないよね。


 あたしがどんな氣持ちで、あんたを助けようとしたのか。


 あたしがどんな氣持ちで、あんたをアイアに傷付けさせたのかとか。


 わからなくて当然だよ。


 ならきっとエンケラウはあたしを怨んで死んだんだ。


 それも当然だ。


 あたしは酷いことをした。


 これはその罰かもしれない。


 運命のように、勝てなかった相手に殺される。


「俺も天国へは行けぬ。行けそうな者へ託すとしよう。貴殿はアリスといったか。では魔女アリスよりエンケラウに、ごめんなさいと」

「あ、だ、じ、は、魔、女、じゃ、な、い」


 拷問のような治療に失敗したあたしが、拷問の果てに殺される。


 神様は、残酷だけど氣が利いている。


 アムンが時々、そう口にしていたみたいに。


 あたしは天罰で死ぬ。


「げぼっ!……ひゅ……はぁ……ぐっ……」


 血と痰が氣管の方に回った。苦しい。


「そうか、ではただのアリスよりエンケラウに、ごめんね、と……(しか)と承る」


 耳がキーンとする。視界が明滅を繰り返してる。命が終わる。あたしが消える。


 ママ……。


 あたし……。


 今からそっちに……。


 いいかな?


 ……もうそっちに、いってもいい?


 ママも、人に酷い事をして、沢山苦しめて、沢山殺したというから、きっとあたしは同じ所にいけるよね? パパはそこにいないのかもしれないけど……いいやもう。


 もう、いい。


 地獄でいいから、ママにあいたい。


 ねぇ……ママ。


 あたし、最後に、少しだけいいことをしたんだよ?


 ひとのために頑張ったんだよ?


 あたしの人生、悪いことばかりじゃなかったよって言ったら、信じてくれるかな?


 笑ってくれるかな?


 褒めてくれるかな?


 ママ……。


 あたしは……。


「それで? 聖女殿は、その短剣で何をしようというのかな?」

「……え゛?」




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