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パパ上は神速剣の使い手


「いくぞぉ!!ナハル!しっかり捕まってろよ!」

「はい!パパ上!」



 エール・ナハル6歳。女。所持スキル【スキップ】。外見は幼いので今後どうなるかはわからないが、少なくとも悪くはないと思う。髪は赤毛。瞳は緑。それが今の俺の情報。

 自分でもまさか女に転生するとは思ってなかった。おかげで女体は見放題触り放題だけど、自分の身体をいくら触ってもって感じだ。たまに公衆浴場に連れて行って貰えることはあるからそれは嬉しいのだが、やはり身体中から分泌されて滾るリビドーを避雷針のように受け止め集中させる息子がないのですっきりしない。全身を駆け巡る痒みにくすぐられ、むず痒い刺激に身体をくねらせることしかできない。


 と、前世の記憶や男としての感覚を引き継いでしまっているばかりに6歳にして性に目覚めかけている俺だが、そんなことは今どうでもいい。

 今何をやっているか。そう、戦闘である。といっても、冒険者である父の手伝いではあるが。


 別に父が凄腕冒険者とかそう言うわけではない。むしろ俺が生まれてくるまではただの農夫だった。そんな父がなぜ冒険者に転身したかと言うと、一重に自分の実力を勘違いしてしまったのである。

 どう勘違いしてしまったのか。答えはこれ。


「スキあり!今だ!くらえ、神速剣!!ザーンッッ!!」

(ほい、スキップと)


 ホモダヌキが背を向けたスキを突いて剣を振りかぶり父に【スキップ】を発動する。

 次の瞬間、父が一瞬で剣を振り下ろしたポーズでホモダヌキの真後ろにワープする。そして哀れなホモダヌキの背中が斬り裂かれて絶命する。


「ふぅ、よし。畑を荒らす泥棒の討伐、完了だ!」

「お疲れパパ上」


 見事ホモダヌキを討伐した父の背中から地面に降りる。

 まぁ、こういうことだ。俺のスキル、【スキップ】はあらゆる動作、事象をスキップする。さっきは父が剣を振り下ろすという動作をスキップした。ホモダヌキを切ったという結果だけが残った。

 

 これと同じことが昔起こった。まだ俺が赤ん坊の頃、幸か不幸か前世の記憶や意識を引き継いでいた俺は、父におぶさり山へ山菜を取りに行った。その際、俺達はフタナリスズメの大群に襲われ、絶体絶命の危機に陥った。俺を守ろうとして鎌を取った父を助けようと【スキップ】を発動。まさかまさかの大勝利。見事何羽かのフタナリスズメを討伐し、残りの群れを追い払うことに成功した。その日のエール家の晩飯は鳥鍋だったとか。


 結果、自分には思った瞬間には行動を完了させる特殊な力があると勘違いし、それをスキル【神速】と名付けて冒険者に転身したというわけだ。

 まぁ、【スキップ】をしても相手の肉を断つだけの腕力がないと攻撃は通らないから、その点ではパパ上もその辺の一般人よりはだいぶ素のスペックが高いのかもしれない。

 ちなみに、パパ上も1人で闘技場に行って【神速】を使えないということがあった。その時は対戦相手と接戦の上なんとか辛勝したらしく、それ以来発動条件を【大事な者を守る時】と勘違いして俺を連れ歩くようになったわけだ。本人は背水の陣のつもりらしいが、子供をそんなとこ連れてくなとも思う。


「ナハル、袋に詰めるの手伝ってくれ!ホモダヌキはオス同士での繁殖を主とする種だからな。基本的にメスは生まれにくいし、パートナーに巡り合えずに孤独死することが多いんだが」

「あ、こいつメスだね」

「そう。こいつは強いメスだな。稀に嫌がるオスのホモダヌキを襲って子を作り、自分の群れを作って君臨する奴がいる。こいつはそのタイプらしい。このタイプのメスのホモダヌキはオス共を腕力で従えて君臨してるから、その分オスのホモダヌキより筋肉が引き締まっている。だからその食感が好きなマニアに高値で売れるんだ。やったなナハル!」

「うん!今日の夕飯はごーかだね!」


 そんなこんなで俺は異世界で【神速の子連れ狼】エール・ヤヌウスの助手として冒険者見習いをやっている。

キャラの名前はなんとかメーカーだかジェネレーターだかで適当に作ってます。他の有名作品とかぶってたらごめんなさい。

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