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98 現る二つの影

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「何もみえない……」


「ですわね」


 クリスティーヌ達は、石造りの建物へとやってきた。


 中は変わらず真っ暗であり、外から光が入らない。ノワズ式魔導具を取り出し、灯りを灯す。足元は明るくなったが先は真っ暗で何も見えない。


「元の場所と言っても……何処が元の場所なのかわからないわ」


「何か目印でも置いて置けば良かったな」


 ローズとエスイアが小声で話しをするが、建物の中では声がよく通り小声でも大きな声に聞こてくる。


「魔力か何かが残っていれば、クリスさんが探して元の場所がわかるのに……」


 ジュイナの一言で、クリスティーヌは閃く。


 クリスティーヌは、空中に紋様を描きそっと触れる。


 すると歩く先に、魔法陣が現れたのだ。


「クリスティーヌ‼ でかしたぞ‼ 」


「クリスさん‼ 何をやったの?! 」


 驚くエスイアとジュイナに、クリスティーヌは説明する。


 時の魔女のメモに、見えない魔法陣や罠を発動させるものがあったのだ。嫌いな魔法の数式を必死に勉強していたのもこの為である。

 古代魔術は通常の魔法式より難しく、それを理解していないと魔力が暴走したり、自身に跳ね返る魔法もあるのだ。


 クリスティーヌは時の魔女の言葉通りに、着実に力をつけ、理解し古代魔法を修得している。


 クリスティーヌ達は魔法陣がある場所へと向かい、罠がない等を慎重に調べた。


「特に何か罠が仕掛けられているとかはなさそうですわね」


「そうだな……で? これからどうやって無人島に戻るんだ? 」


「わかりませんわ!! 」


 クリスティーヌの言葉に皆唖然としたのだ。いつも通りのクリスティーヌだが、何か策があると期待してたエスイア達は落胆の色を隠せなかった。


「ま……まぁ……私達もクリスさん任せにしてましたし? ねぇ? 」


「そ……そうだよ。エスイアくん、僕達も考えないと」


 ローズとカインは必死に、あれやこれやと考える。ジュイナは、クリスティーヌの事だからあまり考えていないだろうと想定内だったらしく、一人冷静に辺りを見回していた。

 すると、魔法陣が光出したのだ。


「皆‼ 何か起きる‼ 取り敢えず、姿隠しと防御魔法を‼ 」


 咄嗟の事だったが、慌てて魔法をかけ、魔法陣から離れ様子を伺う事にしたのだ。



 "何が起きるの?? "


 "誰かがこちらに来る、という事でしょうね"


 "その誰が気になるところだな"



 クリスティーヌとエスイアが念話をし、皆の場所を把握しつつ固まるように誘導する。


 魔法陣の光が一層強くなった時、黒い人影が二つ現れたのだ。


 クリスティーヌ以外は皆、その人物を見て驚いていたが、クリスティーヌは表情を一切変えず淡々とその様子を見ていたのだった。


 現れた二つの影は、会話する事なく無言でこの暗闇の建物の出口へと真っ直ぐ向かって行ったのだ。



 "マ……マーガレット嬢?! "


 "え?! そうなの?! "


 "そうですわね。マーガレットさんですわ。もう一人は、マーガレットさんのお父様かしら? "


 "レクガン男爵だわ。お母様が薄気味悪い方と小さい頃仰っていたのを覚えてる"


 "ナージェア夫人がそう仰っるのは珍しいわね"


 "ナージェア夫人?? あの、伝説のオペラ歌手の?! え?え? ジュイナのお母様なの?! "



 ローズは、クリスティーヌとジュイナの会話を聞き目を丸くする。ローズの両親は共に、ナージェアのオペラ歌手時代の大ファンだったのだ。小さい頃から、引退前の歌を聞かせてくれたり、語られていたのでローズも知っていたのである。



 "まぁ、母の事はさておき……。レクガン男爵が関わっているのは間違いなさそうね"


 "そうね。レクガン家の話は、アレクの耳に入れておいた方が良さそうだわ"


 "なぁ、お話中悪いんだが……。男爵達が()()()に行ったのなら、祭壇が無いのに気付いて不味い事にならないか? "


 "そうですわね。早くここから脱出しましょう"



 クリスティーヌは、この魔法陣の発動の仕方などさっぱりわからないが、物は試しだ‼ と言わんばかりに皆を魔法陣の中へと入れ、魔力を込め発動させてみる。


 魔力が魔法陣に行き渡ると、青白い光が発し目の前が真っ白になった。目を開けると、そこは岩場の付近にいたのだ。



 "戻れた……? "



 辺りを見回すラムは、木々に隠れる人影に気付き反撃体制を構える。


 草の擦れる音がすると思ったら、前方に黒い影が現れ大きな魔獣が現れたのだ。



 "フェンリル‼ "



 クリスティーヌは自身の使役するフェンリルに駆け寄り、背中に飛び乗りながら身体や頭を撫で回す。



 "クリスさん‼ "

 "エスイア‼無事だったか‼ "

 "ラムゥゥゥ……"



 ノワズはラムの無事な姿を確認し、目を潤ませる。ラムは、ノワズとハグをしながら魔導具の性能や使い心地の報告を告げる。何処までも真面目なラムなのだ。



 "話たい事はあるだろうが、一旦サバイバル戦は中止だ。本部に戻れとの事だ"


 "どういう事だ?! "


 "向かう途中で話をする"



 ルーダの言葉にエスイアはすぐ反応し、C組の生徒達全員で本部へと向かうのだ。


 クリスティーヌ達が岩場の岩に吸い込まれた後、一部の生徒達が黒いフードの者達の襲撃を受けたと言うのだ。


 この無人島にはしっかりと結界がはられており、事前に学園側が安全確認をしていたのだが、結界の一部が()()()()()されており、そこから侵入したのだ。


 学園側は生徒達の安全を確保する為に、サバイバル戦を中止にしたのである。


「裏切り者がマーガレット以外にいるかもしれませんね」


 クリスティーヌは、ルーダの話を聞きながら誰にも聞こえない声でつぶやいたのだ。

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