96 合流
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"もうすぐクリスさん達がこの付近にくる‼ "
"ラム‼ 後どれ程の距離で着く? "
"500メルあるかどうか‼ "
"よし、皆、作戦通り決行するぞ‼ "
エスイアの言葉に緊張が走り、静寂な空気に包まれる。
"……何も音がしない……? "
"何処?! "
"まさか……違う場所か?! "
エスイアの言葉と同時に、空から火の雨が降り注ぐ。慌てて防御結界をはり、事なきを得るが地上から来ると思っていたエスイア達は驚きを隠せなかったのだ。
"お待たせ致しました‼ "
"クリスティーヌ‼ お前‼ "
"エスイアくん‼ クリスさんより先に黒いフードの者‼ "
ローズの言葉に、エスイアは一旦冷静になり、黒いフードの者達に標準を合わせ、魔導具を発動させる。
辺り一面に魔法陣が展開され、光の柱が幾つも浮かび上がり、黒いフードの者達の魔獣が魔法陣へと近付く事を拒否したのだ。
魔獣は上に乗っていた者達を振り落とし、何処かへと去っていく。地面へと落とされたフードの者達は、エスイア達の仕掛けた罠により、たちまち拘束され身動き出来ずにいるのだ。
何か喚き散らし悪態をつく黒いフードの者に、容赦なく石を投げつけ、気絶させ静かになると、ローズはガッツポーズをするのである。
誰もが魔法を使え、と思ったが、ローズはC組一の錬金魔法を使い、C組一の攻撃魔法が下手な生徒なのである。
火炎魔法を使うものなら、豪炎を出してしまい建物を全焼させたり、水魔法を使えば洪水を起こしたりするのだ。C組ではクリスティーヌよりある意味厄介な人物かもしれない、と認定されており、教師の許可なく攻撃魔法は禁止になっている。
クリスティーヌ曰く、ローズは魔法コントロールが上手くできなくなっていると言う。そして彼女もまた、肩に呪いをかけられた傷があり、それが原因ではないかと推測してるのである。
"何とかなりましたわね"
"クリスさん……エスイアがもの凄い形相でこちらを見てるのだけど……? "
ジュイナの言葉も耳に入らなかったクリスティーヌは、この後エスイアから説教されるのである。勿論、最終エスイアがひいたのは言うまでもない。
"で? この後どうするの? "
"まだ黒いフードの者がいる。ここからの脱出方法も分かっていない"
"では、その黒いフードの者に聞けばいいのですわ"
"待て待て……黒いフードの者達が簡単に教えてくれる訳がないだろ? "
"そうですわね……。この空間は全てが繋がっている、と言うことは……"
にこりと微笑むクリスティーヌにC組の生徒達は悪寒を走らせ、首を必死に横に振るのだ。
クリスティーヌが何か良からぬ事を考えているのはわかる。だが、そうなると自分達に間違いなく、何か起きる事を意味するのである。
"祭壇に向かいますわよ。黒いフードの者達の援軍などが来られる前に、一気にかたをつけますわ"
有無を言わさずクリスティーヌはフェンリルを召喚し飛び乗るのである。勿論、ジュイナはクリスティーヌの制御役としてフェンリルに乗ったのだ。。
エスイアや他の生徒達は、ラムが考案した移動板を使う。このボードは、ニズカザン帝国で人気の冬のスポーツ、ブレードボードを改良した物である。
水陸両用であり、乗れる魔獣を使役していない者でも使えるのだ。後にこの発明は、ニズカザン帝国にとって無くてはならない移動手段となるのである。
ボードの中央にある魔石に魔法陣を展開させ、魔力を流し込むと足が固定され、自身の魔力操作によって前に進んだり止めたりできる。
クリスティーヌとジュイナを乗せたフェンリルの後を追い、エスイア達はボードを起動させ祭壇へと向かったのだ。
木々を掻き分け、黒いフードの者達に見つからないよう素早く移動する。
"黒いフードの者達はこの空間に何人いてるの?"
ジュイナの質問にエスイアは答え、そしてこの状況に陥った出来事を完結に話すのだ。
黒いフードの者達は、先程の二人ともう一人の三人だと言う。ただ、後から増えていればわからないがこの状況だと増えている可能性は低いと思われる。
そして、エスイア達がこの空間に来てしまった事は本当に偶然なのである。
コダックにより、吹き飛ばされた際にローズとラム、カインを捕まえたエスイアは吸い込まれた岩場付近へと落ちたのだ。
周りの状況を確認しようとした時に、何処かのクラスの生徒達の声が聞こえ咄嗟に岩場の影へと隠れ、通り過ぎるのを待っていた。
生徒達が通り過ぎ、ほっとしたのもつかの間。岩場の岩が動き出し、防御魔法を放つと同時に吸い込まれてこの空間へと来たのだ。
"私達が見た人数と一緒ね。ただ、同じ人物かは分からないけど"
"一人増えようが十人増えようが一緒ですわ"
"一緒じゃないだろ……。クリスティーヌ、まさかとは思うが……"
"待って。前方の祭壇付近に黒いフードの者と魔獣が見える‼ "
全員が前方を見ると、飛竜系魔獣と黒いフードの者が居たのだ。
魔獣は三体、黒いフードの者は二人いる。
"ここは先制攻撃で奇襲でしょう"
"クリスティーヌを止める事は無理だ。皆、援護を頼む。ローズ達はフェンリルと共に行動だ"
"フェンリル、ローズ達を頼みましたわ"
"程々にな"
フェンリルがそう言い、クリスティーヌとジュイナは魔法陣を展開し、黒龍と不死鳥を召喚し、颯爽と飛び乗り空へと舞い上がる。
ローズ達は、フェンリルの声に驚きを隠せず、金魚のように口を開けたり閉めたりと繰り返すのであった。




