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94 怪しい祭壇

いつもありがとうございますm(_ _)m

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 "うぷっ……気持ち悪い……"


 "思ったより、ぐるぐると回りましたわね"



 岩場の岩に吸い込まれたクリスティーヌ達は、何処かの空間に飛ばされたのだ。


 ぐったりしたジュイナを横にする為に、クリスティーヌは腰に括り付けた紐を解き、ジュイナの背中を優しくゆっくりと擦っている。


 ジュイナは、青ざめた顔をしながら立ち上がり、クリスティーヌにお礼の言葉を述べたのだ。



 "クリスさん、ありがとう。だいぶ良くなったわ"


 "いいえ。んー? ……ここは……来た事ありますわね……"


 "え?! いつ? "


 "……幼い時……です……わ……"



 クリスティーヌは、前回のツルッと足を滑らせ頭を打ち付けた18歳の時に、一度この白い空間とやってきていたのだ。恐らく、今も同じ空間だろう。



 "ジュイナ、また何処かに飛ばされるかもしれません"


 "えぇ‼ もうぐるぐるは勘弁して欲しい‼ "



 叫び声をあげるジュイナに反応し、真っ白な空間はたちまち歪み、クリスティーヌ達はまた違う空間へと飛ばされたのだ。



 "ほんっとうに、もう嫌‼ "


 "まぁ、ぐるぐるじゃなかった分マシでしたわ"



 コロコロと笑うクリスティーヌに、ジュイナはげっそりとした顔で頷き、早速二人は今の状況を確認しようとするのだ。

 地面は硬く、辺りは薄暗い。目が慣れてくると、ぼんやりと周りが浮かび上がる。



 "ん……石? "


 "建物の中かしら? "



 ジュイナはノワズ式魔導具を取り出し、魔力を流すと灯りが点り、宙に浮かべる。

 二人は、魔導具が使用できる事に少し安心をし、先の暗闇へと進んで行くのである。

 周りには何の気配もなく、二人の靴音だけが響く。


 暫く歩くと、前方に明るくさす光が見えたのだ。



 "出口?? "


 "わからない。何が起きてもいいように、準備してましょう"



 二人は慎重に前方の明るい場所へと進み、姿隠しの魔法をかけ、ゆっくりと外に出る。



 "これは……"



 そこは森が広がっており、開けた場所に何かの祭壇があった。祭壇の周りには幾つもの柱が立っており、祭壇の奥には、黒い魔石のようなものが埋め込まれた大きな石版があったのだ。


 クリスティーヌ達は、静かに石版へ近づき黒い魔石かどうかを目視で確認する。

 黒い魔石の周りの石版には、文字が沢山掘られていた。



 "この文字は古代文字ですわ"


 "クリスさん、読める? "


 "所々しか読めないわ……。この魔石を扱う者? 暗黒? 力? (いにしえ)の時? 後は何かの術式……かしら? "


 "聞くだけで、良からぬ事のような気がするわ……"


 "もっと古代文字を勉強しておけばよかったわ"




 クリスティーヌ達が静かに石版を見ていると、近くの茂みから草木を踏みしめる音が幾つか聞こえてきたのだ。


 クリスティーヌとジュイナは急いで反対側の森の茂みへと身を潜める。


 すると、森から黒のフードの者が数名やってきたのだ。



「あの無人島は、今まで無事だった筈なのに、何故王都の生徒達が紛れ込むのだ‼ 」


「申し訳ございません。演習場になっている事とハミル様が行方不明の為に、一時的に結界が緩んだせいかと……」


「それは仕方がないとして、生徒達に気付かれる魔力の弱さとは……。ハミル様の捜索は続いているのか?! 」


「はい。全力でお探ししております」


「一体ハミル様に何が起きたのだ……?」


「わかりません。何処かの森へと寄った際に行方不明になった、としか……」


 クリスティーヌとジュイナは側の森で息を潜め、黒のフードの会話を聞きながら人数を確認する。



 "3人……ですわね"


 "偉ぶってる奴がリーダーか何かね。エスイア達は何処かしら……"



 クリスティーヌとジュイナ念話を通して確認し、今の状況の情報収集を続ける。



「そうか……生徒達は()()したのか? 」


「いえ……それが……」


「なんだ‼ まだなのか?! 魔力を全て吸取ってしまう事がそれ程難しい訳ではないだろう‼ 」


「ですが……その生徒達を逃してしまい……」


「なんだとっっ‼ たかが子供(ガキ)だろう。手古摺る訳がない‼ 」


「いえ……ただの子供では……」


「さっさと捕まえて処分しろ。ここを見られたからには生かしておけん‼ 早く行け‼ 」


 一人の黒のフードの者が怒鳴りつけ、他の二人は慌てて返事をし、直ぐにもと来た道へと走り去っていったのだ。


「ちっ。使えん奴らだ」


 残った黒のフードの者は祭壇に手を当て、魔力を流し込むと、黒い魔石が現れ自身が集めたであろう魔石を取り出し、融合させたのだ。


 融合がうまくいくと元の場所へと戻し、森へ戻って行ったのである。



 "一先ず、エスイア達は何とか無事みたいね"


 "そうね。早く合流しなければ厄介な事になりそうだわ。それに、先程の男の声……何処かで聞いた事があるのよね……"


 "クリスさんも? 私も聞いた事があるのだけれど思い出せなくって……。取り敢えず先に、エスイア達を探し合流しましょう‼ "



 二人はこの土地を知る事から始める。

 ここが異空間なのか、地下なのか全くわからない状況なのだ。おまけに、地理がわからなければエスイア達の居場所の見当もつかないのである。


 クリスティーヌはノワズ式魔導具を発動させようとしたが、膨大な魔力に敵が反応するかもしれないとジュイナが止めたのである。


 ジュイナは魔法陣を展開し、無数の魔獣蜘蛛達を召喚する。ぞろぞろと小さい蜘蛛が出現し、ジュイナの命令通りに八方に飛び散り、エスイア達の捜索にあたるのだ。



 "暫くは待ちましょう"


 "わたくしも魔獣蜘蛛を手に入れようかしら……"



 二人は魔獣蜘蛛に捜索を任せ、ノワズ式魔導具の映像を取り込むものを取り出し、祭壇や黒い魔石の埋め込まれた石版をくまなく撮るのであった。


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