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91 攻撃開始

 "なるほど。アレクがわたくし達を見逃した訳は、これ、ですか……"


 クリスティーヌ達が立っている反対側の河川敷には、高学年の陣営があり、20人程の生徒がいたのである。


 まだこちらには気付いていないが、気付くのは時間の問題だろう。


 "さて。どうしたものでしょうね……"


 クリスティーヌ側も同じ程人数はいてるのだが、交戦になれば痛手を負う事は目に見えていた。


 "迂回するか、仲間を探すか……"


 模擬戦でエスイアと一緒の攻撃班だったターナーが呟く。

 こちらは医療が得意な者が居ない状況なのである。クリスティーヌは全て出来るが、流石に医療に特化した者に追いつかないのだ。



 "ここは、正面突破ですわ‼ "


 "ちょっ……クリスさん‼ "



 C組の生徒達は慌て、正面から突破しようとするクリスティーヌを止めようとするが、既に遅かった。



 "ターナー、ここは乗るしかなさそうよ。こちらは防御で固めます、貴方達はクリスと共に攻撃をお願いします"



 エリールは諦めたように皆に指示し、念話が届く範囲にいるかもしれないC組の生徒に呼び掛けてみる。だが、反応はなかった。


 セレナ達は、魔導具の扱いに得意な者と一緒に設置をし、敵の攻撃に備える。ターナーは他の戦闘が得意な者と一緒にクリスティーヌの後を追う形となったのだ。


「敵襲だ‼ 敵襲‼ 」


 敵の陣営が慌ただしく動き、魔獣が数体出てきたのだ。



 "さぁ。やりましょう"



 クリスティーヌはフェンリルを召喚し、敵の結界に指を滑らせ紋様を描くと、結界にひびが入り粉々に破壊し、陣営の中に入り颯爽と小さな粒を巻いたのだ。


 巻き終り、魔力を拳に一気に込め陣営全てを魔法陣に包みこむ。すると、小さな粒が見る見るうちに大きくなり、小さな子供位の大きさになったのだ。


「うわぁ‼ 南瓜魔獣(パンプキンボーイ)だ‼ 」


「逃げろ‼ 」


 敵陣営は更に慌ただしくなり、混沌の渦に巻き込まれたのだ。


 南瓜魔獣(パンプキンボーイ)とは名前の通り、南瓜(かぼちゃ)の顔をした魔獣である。

 子供程の大きさなのだが、魔力が強く一体ならすぐに倒せるが数十体になると倒すのに時間がかかるのだ。パンプキンボーイは土魔法が得意であり、砂嵐を起こしたりと悪戯好きで相手にすると少し厄介な魔獣である。


 結界の中に閉じ込められた高学年の生徒達は、パンプキンボーイによって確実に数を減らされていおり全滅するのは時間の問題だった。


 だが、高学年クラスもやられているだけではない。結界で閉じ込められる前に空へいた者達は、空から魔獣で攻撃を幾度もしかけてくる。


「さて、空にいる者を殲滅致しますか」


 クリスティーヌは、フェンリルを自身の陣営へと戻し、足元に魔法陣を展開させる。

 そして、魔法剣を取り出し空へ向かって駆け抜けるのだった。



 "クリスさん、相当練習してたもんな"


 "俺達、要らないんじゃないか?"



 ボヤくC組の生徒達を他所に、クリスティーヌは敵の魔獣を倒していく。

 クリスティーヌが動く度に、空中に()()()()()()が現れ、遠目から見ればクリスティーヌが空を舞っているように見える。


 器用に魔獣の上部に魔法陣を出し、クリスティーヌは足元の魔法陣に剣を刺す。すると、魔獣の上部に展開された魔法陣からクリスティーヌの剣先が出現し、魔獣の身体に刺さる。

 敵の魔獣は、地面へと落ちてうめき声をあげるのだ。


 怒った高学年クラスの生徒達は、クリスティーヌに狙いを定め、幾つもの魔法攻撃を出す。


 辺りは轟音と地鳴りがし、土埃が舞い視界が遮られ、クリスティーヌがどうなっているのかわからない状況になっている。



 "クリスさん、大丈夫……だよな? "


 "多分……だいじょ……"



 C組の生徒は防御結界を張り、ターナーは結界内のパンプキンボーイと敵の生徒達の動向を見ながら、状況確認をするのだ。


「あーー‼ まどろっこしいですわ‼ ここはスカッと一撃でドーーーーンでしょうが‼ 」


 クリスティーヌは叫びながら、何やら高学年クラスの生徒に文句を言いだしたのだ。


 "ヤバイぞ‼ おい‼ 早く結界を何重にもかけろ‼ "


 ターナーは念話で叫び、エリール達に結界を更にかけろと指示をする。

 同時に、クリスティーヌは魔法剣に魔力を込め地面に突き刺し、一気に魔力を放出したのだ。


 地面に幾つもの亀裂が入り、突き刺した魔法剣の下に魔法陣が展開される。

 クリスティーヌが空中に紋様を描き、掌で掴み取るとオレンジ色に発行し、辺り一面に居る生徒や魔獣達は全て気を失ったのだ。


 クリスティーヌ以外、全て気絶してしまったのだ。


「あら。どうしましょうか」


 クリスティーヌは、やれ困った顔をしたがすぐに仕方がない、と諦めたのだ。


 暫くその場で一人でのんびりと昼寝をし、カミラ達数名の生徒がクリスティーヌを見つけ合流したのである。

 カミラはこの光景を見て、直ぐに何が起きたか察し、クリスティーヌに雷を落としたのである。


 この時点で、高学年クラス生徒の半分、2年C組の生徒の三分の一が失格となった。勿論、C組の失格者は全てクリスティーヌの攻撃による失格である。

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