89 無人島
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早くも一週間が経ち、クリスティーヌ達はサバイバル戦がある無人島に向う船に乗っている。
船が島の海岸近くへと近付くと、コダックが生徒達に、荷物を持ち、船のデッキへと集合をかける。そして、これからのサバイバル戦の説明を改めて行ったのだ。
指令は事前に渡された、拳程の大きさのカードに触れると少量の魔力を吸い取り、指令が浮かび上がるようになっている。無人島だが、生徒達の居場所は学園側が全て把握しており、何かあればすぐに駆けつける事が出来る体制になっているのだ。
重要な勝敗については、ポイント制であり、ポイントが高い順から順位を決め、死に至る攻撃等を行った場合はその時点で失格となる。勿論、ペナルティーとしてポイントが引かれるのだ。
そして、島の中央の映像画面に現況が表示され、その都度、現況が確認が出来る仕様になっている。
島の中央には学園の本部があり、緊急時は渡されたカードを折ると救難信号となるので、紛失に気を付けるようにしなければならない。
「詳しくは、手渡された冊子に全て載っている」
コダックは生徒全員に何かの魔法をかけ、下の魔法陣に立つように指をする。生徒達は、これから始まるサバイバル戦に期待と不安を抱きながら、言われた通りに魔法陣の上に立ったのだ。
「お前達、頑張るんだぞ! 幸運を祈る! 」
コダックは大声で叫ぶと、足に魔力を込め自身の魔法陣を思いっきりと踏んだのだ。
すると、生徒達全員は船から空へと各方面へと勢いよく吹き飛ばされされたのである。
「嘘だろーー‼ 」
「ひゃーー‼ 」
「ちょ……ま……待ってーー‼ 」
「コダックーー‼ 」
「まじかよーー‼ 」
色々な叫び声と共に、無人島へと送り出された……いや放り出された生徒達は、船の上から親指を立て、にっこりと笑うコダックの姿を確認すると、森の中へ落ちていくのであった。
【コダックは絶対に許さん‼ 】
生徒一丸となった瞬間である。
散り散りに無人島の森に落とされたC組生徒達は、早く仲間と合流する為に、予め決めていた場所へと動くのである。
ルーダは飛ばされた際、魔導具を発動させ戦闘が苦手な者を数人捕まえ、同じ場所に落ちるようにしたのである。
この魔導具はチェーンの様な物で、離れ離れにならない様にする為に使われる。
ノワズに頼み魔導具を少し改良してもらい、戦闘が得意な者に渡していたのだ。
ルーダが見る限り、数名の戦闘が得意な生徒達はルーダと同じように魔導具を使用し、森へ落ちていったのである。
C組が一番懸念しているのは、戦闘が不向きの生徒の全滅である。
戦闘が得意でなくとも野営の得意な者や医療の得意な者、ノワズみたいに魔導具の扱いが上手い者もいる。
サバイバル戦では、サポートがあるからこそ、攻撃に特化している者達が活かされるのだ。皆その事を理解しているのである。
これは、最初にグラッサ家での訓練で学んだ事なのだ。
"皆、無事か?! "
"いたた……私……、あ。ジュイナは大丈夫! "
ルーダの念話が届く範囲の生徒達は、皆次々と返事をする。
ルーダは、側にいるゲイルに名前のメモを取るように指示を出し、念話の範囲外の生徒を確認するのだ。
"集合場所へ向かってくれ"
ルーダは念話を通し、聞こえる範囲の生徒にそう伝え、自分達も異動しようと動いた。
すると、草木をかけ分ける音が聞こえ、後ろを振り向くとC組ではない生徒が居たのだ。
お互いが同時に、魔法陣を展開させ一気に攻撃戦が始まったのだ。
ゲイルもルーダの指示に従い、一生懸命サポートをする。
"こちら、ゲイル。ルーダと共に戦闘に入った"
C組の生徒達に念話を通し、近況を知らせる。
緊迫した空気の中、島の何処かで何かが爆発したのか、地響きと爆音が聞こえたのだ。
"ここから念話が出来ない範囲で、エリールからクリスティーヌが暴れたって! 多分、エリールはクリスティーヌと一緒‼ "
ジュイナの念話に、ルーダが嫌そうな顔をし、ゲイルに、早く終わらせて行くぞ、と声をかけたのだ。
一気に魔力を込め、無詠唱で金縛りに陥らせ打撃で気を失わせて戦闘不能とし、ゲイルと他の生徒を連れ目的地へと急いだのである。
念話の範囲は限られており、届かない範囲だと当たり前だが、念話が出来ない。しかし、皆が念話を使えると、伝言ゲームのようにはなるが、全員と近況報告や伝達が出来るようになるのだ。
一方、暴れているとされるクリスティーヌは、島の北の方面へと飛ばされていたのだ。
クリスティーヌはエリールとセレナと一緒に冷たい水の上へと落とされ、浄化魔法をかけ温かい飲み物を飲んで暖をとっていたのだ。
セレナは野営での料理が得意で、可愛らしい顔付きと華奢な身体には似合わず、取ってきた魔獣を綺麗に捌けるのだ。戦闘は得意ではないのだが、一人で狩りに出掛ける位なので、まだ魔獣との戦闘はできるのである。
そんな中、憎き相手ジェシカと取り巻きの令嬢数名と会ってしまったのだ。
「あら、あら? こんな所に、ドブネズミがいらっしゃいま……」
ジェシカの言葉に、何時もは無視するクリスティーヌだが、今はサバイバル戦である。無視せず、速攻で魔法陣を展開し一気に攻撃を仕掛けるのだ。
無詠唱で、容赦無く繰り出される光の矢に、ジェシカと取り巻き達は守る術もなく、服や身体は泥と攻撃によりボロボロに破れ、いつの間にか皆、気絶をしていたのである。
クリスティーヌが戦った周りは、木が吹き飛び更地になっていたのは言うまでもない。
「あ〜ら、激弱小だこと。もう。お茶が零れたじゃない……」
クリスティーヌは涼しい顔をしながら、残ったお茶を啜り、何事も無かったかのように元の場所と座ったのだ。
これが爆音と地響きの理由だと、ルーダ達は後に知るのである。
エリールとセレナは、目が点になり次第にクリスティーヌの行動が可笑しくて笑い出したのだ。余り大きな声で笑うと、敵に居場所がバレる為、口元を手で押さえ必死に笑いを止めようとしている。
「何かおかしくって?? 」
頬を膨らませたクリスティーヌは、怖くない目で二人を睨みつけるが全く効かないのだ。
「何もないわ。クリスったら余程ガマンしてたのね」
エリールの言葉に、セレナも頷いたのだった。




