81 本物と偽物
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クリスティーヌは早速魔法陣を展開し、ノワズ印の魔導具から調合器材を取り出したのだ。
抹茶色した実をすり鉢に入れ、全てすり潰し幾つかの薬剤を数滴入れる。入れ終わると、すり鉢を魔法陣の中央に置き、魔法陣に魔力を込め囁く様な声で詠唱をする。
魔法陣が消えるとすり鉢には青緑の粉末になった調合薬が出来上がったのだ。
"こっちは準備できたわ"
"やるなら今しかねーだろ? "
"ですね。わたしはサポートに回ります"
エスイアは地面に木ノ実を植え、元陣営のあった場所全体に根を張り巡らせる。するとジュイナが魔法陣を展開させ、ニズカザン帝国の騎士や仲間を全て結界の中へと閉じ込めたのだ。
一瞬の事で何が起きたか分からないキースやデニス達はクリスティーヌ達3人に叫んでいるが、無視をしそのまま粉末状になった青緑の粉を撒き散らしたのだ。
「クリス嬢! 何だこれは⁉ 」
デニスは相変わらずだが、シャルゼとルギは状況を見ながら、なるほど、と呟き周りを見渡しながら戦闘の体制に入るのである。
暫くすると、騎士団員の二人が顔を掻きむしりながら苦しみ出したのだ。
「その者達から離れなさい! 」
シャルゼは叫び、ジュイナは結界を解き攻撃の体制へとはいるのだ。
騎士団員の二人の顔が徐々に元の顔へと戻り、服装も騎士達の物ではなくマッセラ教会の教徒のローブへと変化したのである。
周りの騎士達は唖然とし、何が起きたのかわからないと顔に浮かべ様子をただただ見ているだけなのだ。すると、待っていましたとばかりにエスイアが狙いを定め、騎士団員に化けていた教徒二人を先程張り巡らせた根で足元から徐々に拘束をするのである。
「離せ! 離せ! 」
「我々は偉大な者だぞ! 」
マッセラ教会の教徒二人は口々に暴言を吐き続け、拘束から逃げ出そうとするが動く度に木の根が締め付け徐々に息苦しくなったのか、お喋りが無くなっていったのだ。
「クリス嬢、これは一体どういう事ですか? 」
キースは冷静にクリスティーヌ達に目を向け口を開くのを待っている。
「詳細は後で答えます。ただ、この焼け跡から奇襲を受けたかもしれないと言う事は予測はできます」
クリスティーヌ達はルーダからの伝言はまだ言うべきではないと判断しているのだ。簡易的な炙り出しで引っかかったのがこの二人だけだったかもしれないのである。他にも変化の魔法で身体を変え、ニズカザンの騎士団員に紛れ込んでいる敵がいる恐れがあるからだ。
「なるほど」
「少々手荒な方法を使いましたが、命には変えれません。それにデニス団長が仰っていた第二部隊の生存も確認されておりませんし、わたくし達がやった事は間違えているとも思えません」
「確かにそうだな。詳しくは、そこの二人にじっくり聞くとしよ……」
「……馬鹿め。誰が言うか。我が教祖は偉大なり‼
ぐはっ………」
キースが言葉を言い切る前に、マッセラ教会の教徒が叫び、自身に毒を盛ったのか血を吐き二人共絶命してしまったのだ。
「くそっ。どうやって毒を‼ 」
デニスは叫び、握り拳を固くし唇をかみしめるのである。
「多分、手首に紫の魔法陣が出て居ますので自身で毒魔法か何かをかけたのかもしれません。別の何かとも関係あると思われますので安易に近づけなくなりましたね」
「少し戦況を確認するべきですね。少し防御魔法をかけ、作戦を練り直す必要があります」
キースは淡々と指示を出し、クリスティーヌ達はローウェン一と緒に行動する事を条件に周辺を調査開始したのである。
未だに中央に巨大な魔石が怪しく黒光りし、黒い影が守るように漂っているのだ。
"何故この陣営から先に奇襲を受けたのかしら? "
"役割毎に先に潰す手筈が計画されてた……って事だよな"
"一応ルーダが無事だと言う事は、カミラも一緒なのかしら? "
"きっとそうだと思いますわ。ルーダとカミラがいてれば何か痕跡を残す筈よ"
"俺達にしか分からない方法で、って事だな。あいつ等らしいな"
クリスティーヌ達3人はお互いが直ぐに駆けつけれる範囲で広がり周辺をくまなく探すがこれといって特に変わった事がないのだ。
"困ったわね。何も見つけれない"
クリスティーヌが呟くと、ジュイナが一つ考えるのだ。
ジュイナはおもむろに不死鳥を召喚させ、自身とフェニックスに姿隠しの魔法をかけると空に飛び上がる。
"やっぱりね。粋な事するわね"
"何か見つけたのか? "
"えぇ。ルーダ達の居場所がわかったわ"
ジュイナは地上に降り、フェニックスを戻すと姿を見せクリスティーヌとエスイアに念話で話したのだ。
地上からは何の変哲もない、焼け焦げた後やルーダの仕掛けた魔法陣、折り重なる魔獣の屍の山。だが、空から見ればそれは一枚の地図となりルーダ達の避難した場所がわかる仕組みなのだ。
C組にしか見えない魔法陣を上手く使った簡易巨大地図なのだ。
早便等を出すと相手側から拒否されているうちは送れなかったり、最悪敵兵に見つかり居場所がバレてしまう恐れがあるのだ。
ルーダはその事も踏まえ、C組の生徒なら必ず気付いてくれる事を想定し奇襲を受けたのにも関わらず必死に残してくれたのだろう。
"ルーダには頭があがらないわね"
"さすがとしか言いようがないな"
"この事実をどうするかが問題だよね"
3人は探索を続けながら、それぞれ意見を出し合いどうするか考えるのである。
3人の考えが纏まらないうちに、キースから集合の合図がかかり一旦ルーダ達の問題は置いて置くことにしたのだ。




