80 デジャヴ
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"剣で倒すのも面倒になってきましたわね"
"いや。剣で地道のが良いだろうが"
"こう、スカッとしたい時もありますわ"
"スカッとしなくても良いから前の魔物の塊をなんとかしろ"
クリスティーヌが不吉な事を念話で言うものだから、エスイアは止めに入る。その間、エスイアは空から赤竜の火炎を撒き散らし大体部の魔物を燃やし、クリスティーヌから教わった浄化魔法を使うのである。浄化魔法も使ううちに慣れてきたのか早く展開できるようになってきたのだ。
"キースさん達が魔導具設置したそうですよ"
"なら、俺達は少し離れるか"
"いいえ。駄目です"
クリスティーヌは、念話より早くフェンリルに乗りながら巨大な魔法陣を展開させ、直ぐに魔力を込める。すると、轟音と共に魔物達が上から押されたように跡形もなく潰れ、魔法陣があった場所にぽっかりとクレーターの様な大きな穴が出来たのだ。
光悦とするクリスティーヌの顔に、エスイアとジュイナは頭を抱え、フェンリルに離れるように念話で語りかけるのである。
キース達が設置した魔導具が発動し、ドーム状に張った浄化魔法陣は残る全ての魔物を殲滅したのであった。
キースにいいとこ取りをされたクリスティーヌはへそを曲げたのは言うまでもない。
「一応、ここら一帯は殲滅したようだな」
デニスは王都に早便を出し、トワライ王国へと援軍として突き進むのであった。
エスイアは上空から、少し気になった事があるのだ。トワライ王国の中心部辺りに巨大な黒い魔石が浮いているのが見えたのだ。禍々しい魔力を漂わせながら、黒い影がうようよと黒い魔石の周りを幾度となく動いて移動しているのである。
「デニス団長。中心部に巨大な魔石があります」
「巨大な魔石だと?! これは……嫌な予感しかしないな」
エスイアとデニスが話をしている間に、クリスティーヌとジュイナ達はトワライ王国の国境警備の城壁についていたのだ。
城壁には黒い魔石の魔物が溢れるように門に押し寄せている。
クリスティーヌは、しめた、とばかりに強大な光る槍を魔法陣から取り出し門へと何本も投げつけ爆発させ、派手に門をぶち壊してしまったのだ。
ジュイナは仕方なしに、空中に紋様を描き魔法陣を展開させ浄化魔法を次々とかけていき黒い魔石をただの石へと変えていくのである。クリスティーヌの速さに追いつく為、ジュイナの浄化魔法の速度も徐々に上がっていくのだ。
"ねぇ、エスイア……止められなかったわ。門を爆発させて壊してしまったんだけど……"
"はぁぁぁ?? 俺らは援軍だぞ? 敵兵と間違われたらどうすんだよ! おい、クリスティーヌ! 聞いてるか! 少し待て! "
クリスティーヌは慌てているエスイアの言葉を無視しそのままフェンリルと颯爽と壊した門を潜り抜け駆けていくのだった。
デニスがトワライ王国の門についた時、どこかで見た事ある光景だな、と思い出していたのある。
"中心部に強大な黒い魔石がある。クリスティーヌ、それなら派手にぶち壊しても良いぞ! "
"エスイア、それは本当ですの?! "
"キースさんからも許可貰ってるぞ! "
クリスティーヌはフェンリルに速度をあげるように指示し、トワライ王国の黒い魔石へと一直線にかけるのである。
魔石へと向かっている道中にも、黒い魔石を埋め込んだ魔物とトワライ王国の騎士達が闘っている場に何度も出くわしたのだ。その都度クリスティーヌとジュイナ、そしてニズカザン帝国の寡黙な魔剣士ルギが援軍として加勢し全て殲滅させていくのである。
魔剣士のルギは一角模獣に乗っている。スレイプルは白い体に模様が入っており、八本の脚を持っている。一角獣と間違われやすいがどちらかといえば、麒麟に近く脚力もあり魔力も高い魔獣である。高山の寒い地域に数頭しか生息しておらず、俊敏で角から雷を落とすので使役するのは中々骨が折れるのだ。
黒い魔石付近では、黒い影が魔石を守るようにうごめいており、手出しが出来ない状況である。
「クリス嬢、この先はどうなさいますか? 」
「ルギさん。貴方、お話できたのね」
「クリスさん! 失礼ですよ‼ 」
「余り話すのは得意ではないのです」
ルギは伏し目がちに困った表情をし、頭を掻きむしった。ちらりと見えた長い髪で隠された顔は戦で傷ついたのか瞼から頬にかけ傷があったのだ。
「ルギさん……少しこちらに来て頂けるかしら?
」
クリスティーヌは魔力を込め、傷口を治療しようとするが無駄骨におわるのである。
「もしかして……ノワズさんと同じ呪い? 」
「クリスさん、どういう事? 」
「分からない……でも、同じ呪いなのよ……」
クリスティーヌとジュイナはノワズを知っているかとギルに聞くが、魔導具の発明家と最近名前だけ聞いた事以外は知らないと答えるのだ。何か共通する事があるのだろうか、と考えるが益々分からなくなる二人である。
「これは一度調べる必要がありそうね」
「先に魔石を壊して、この戦いを終わらせてからね」
ジュイナがしっかりと釘を刺し、この後直ぐに追いかけて来たデニス達と合流するのである。
呪いの件はエスイアだけに話をするクリスティーヌとジュイナであったのだ。
「もうすぐしたら、味方の陣営が出てくるはずなのだが」
「あの煙が上がっている所かしら? 」
右手前方に煙が上がっている場所に向かうクリスティーヌ達は、味方陣営について絶句するのである。
そこには荒らされた陣営と無数の死体、そして焼け焦げた魔獣の山だったのだ。
「一体何が起きたんだ……」
「デニス団長、こちらにはどなたが派遣されていらしたのですか? 」
「第二部隊だったと思うが……。生徒も数名いた筈だ」
クリスティーヌ達は息を呑み、辺りを見回すのだった。ジュイナは地面の小さな魔法陣に気づき、掌を当てる。
すると、魔法陣から等身大のルーダの映像が現れたのだ。驚くジュイナだが周りいる騎士達は全く気付かないのである。
"エスイア、クリスティーヌ、周りに分からないように隠密に私の側に来て頂戴"
エスイアとクリスティーヌは、ジュイナの側に来るが何も見えないのだ。
【これを発動できるのはC組の仲間のみだ。魔法陣もC組の者にしか見えない。だが、見つけて発動させた者にしか俺の姿は見えない。奇襲を受け今はある場所に避難している。同じ様な魔法陣を幾つも仕掛けてあるが赤い魔法陣には触れるな。敵を炙り出す為の罠だ。黒い魔石に反応し拘束する。マッセラ教会の者が姿を変えニズカザンの中に紛れ込んでいる。気を付けろ】
ジュイナはルーダの伝言を念話でクリスティーヌとエスイアに話す。3人は三方向に分かれ、敵を炙り出す術を実行するのである。




