76 事故?それとも…
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いつの間にかPVが120000を突破しまして驚きと共に嬉しく思います。
誤字脱字等多い中、皆様の報告と暖かく読んでくださるお陰で頑張れています。
幸いデニスの噛痕はローウェン達の処置により、傷口からの感染もなく回復したのだ。
「二度とクリス嬢の囮は嫌だ」
「僕も嫌ですよ」
デニスとローウェンは言い合い、何があっても阻止しようと無駄に同盟を組むのであった。
鬼人の件は早急に早便を出し、次の日には魔獣研究所の所員と騎士団員数名が派遣され調査を開始したと報告があったのだ。
魔獣研究所の所員達は目を輝かせながら伝説と言われているジャビルの調査に心踊らされていると聞き、後日デニス達が王都へ戻った際に根掘り葉掘りと怒涛の質問責めにあったという。やつれたデニスとローウェンを見てアレクシスはただただ無言で頷くのであった。
クリスティーヌ達一行は、トラブルもなく魔導具設置を順調にこなし次の目的地へと向かうのである。
「ふぅ。一日3ヶ所か4ヶ所が限界ですわね」
「まぁ、移動時間もあるしな。そろそろ日が暮れるからそこの街の宿でも泊まるか」
「やっと飯が食える……腹減った〜」
デニスを先頭に街へ入り、馬を預け近くの宿屋へ入ったのだ。
「ん?ここは…」
クリスティーヌが首を傾げ、食事の為に一階へと降りデニス達と合流したのだ。
「デニス団長。今更な事をお伝えしても宜しいでしようか?」
「なんだ?もうクリス嬢が何を言っても驚かんぞ」
デニスは、さぁ来い、と言わんばかりの態度でクリスティーヌの言葉を待つのである。
「この宿屋……いいえ、この土地はダニエルの家の領ですわ。バードン家の領ですわね」
勢いよくデニスの口からビールが吹かれ、真正面にいたエスイアは頭からビールを被ったのだ。
「デニス団長。なんか俺に恨みがあるんですか?ったく、きったねー」
「ごほっ……ごほっ……すまん。エスイア、わざとじゃないんだ」
エスイアはこめかみに青筋を立て、袖口で頭を拭き直ぐに浄化魔法を自身にかけたのだ。
デニスは謝りながら、手前にあった巨大羊のソテーを差し出し頭を下げたのである。
「うむ。少しばかり不味いかもしれんな」
「グラナダの肉は絶品ですよ?ソテーも良いですが、わたくしは果実ソースで煮込むのが一番ですね」
「おい。クリスティーヌ、取りすぎだろ?」
「少し位良いじゃない」
「まぁ、まぁ。沢山頼んでも良いんじゃない?」
クリスティーヌとエスイアの幼稚な食べ物の取り合いをジュイナが割って入り、追加の注文をするのである。
「その不味いじゃなくてだな……うん。もういい。取り敢えず、黒いフードの者と関係があると言われているバードン家には注意しろとお達しが出ているんだ」
デニスは周りに注意し小声で話をするが、ジュイナの、防音魔法をかけてあるので普通に話て頂いて大丈夫、だといわれ拍子抜けするのだった。
「まぁ、大丈夫でしょう。今は大人しくしてるでしょうし。心配でしたら、防御魔法かけて寝ますか?」
「そうだな。そうしておこうか、今日は皆1つの部屋で寝るか」
明日の向かう場所の確認をし、クリスティーヌ達は2階の1つの部屋で寝る事にしたのだ。勿論、ベッドはクリスティーヌ達に譲りデニスとローウェンは床で念の為に交代に寝たのである。
ローウェンがうとうとしてると、何か焦げ臭い臭いがしてきたのだ。
串肉をほお張っていた夢を見ていたローウェンは、薄っすらと目を開け慌てて大声で皆を起こす。
「ローウェン!!見張りの意味がないだろ!」
デニスはローウェンを怒鳴りつけ、急いでドアを開けると炎のがすぐ側まで迫ってきていたのだ。
「火あぶりですか」
クリスティーヌは目をこすりながら、ポツリと呟き他の者達は慌てふためきながら起きた。
「どうしよう……」
「どうするも何も…ゲホッ。煙がやばいな」
「デニス団長!どうしますか?!」
「ゲホッ、どうするも何も下から火の手が上がってる以上飛び降りるしか……」
カーテンを少し開け、窓の外を見ると10数名の自警団が待ち構えていたのだ。
「ちっ。外もだめか。自警団と言ってもバードン家の息がかかっているに違いない」
クリスティーヌは目をこすりながら、おもむろにフェンリルを召喚したのである。
「皆さん、魔導具と剣は持ってそれ以外の荷物はその場に置いて乗ってください。床が崩れると意味がありません」
皆訳も聞く前にクリスティーヌの指示に従いフェンリルに飛び乗ったのだ。
「エスイア、扉から炎が出て来たら、窓を火炎魔法で壊してください。ジュイナも火炎魔法で壁をぶち壊して下さい。わたくしは天井を行きます。あとはフェンリル、お願いね」
"娘よ、落ちぬようにな"
クリスティーヌは強力な防御魔法と姿隠しの魔法をフェンリル全体にかけその時を待つのだった。
家屋が焼き潰れるような音が聞こえると扉から勢いよく炎が出てきたのだ。
クリスティーヌとエスイア、ジュイナの三人は同時に三方向に火炎魔法を使いそこらじゅうを燃やしつける。炎の爆発に便乗し、フェンリルは勢いよく天井を突き破り、道を隔てた隣の屋根へと飛び移ったのである。
「あっぶねー、これ気付くの遅かったらやばかったな」
「本当にね」
「この街を早く出た方が良いだろう」
「フェンリル、人数多くて動き難いかもしれないけど離れた街へと行ってくれるかしら?」
"造作もない"
フェンリルは風を切るように走り、街を出て森を抜け別の街を目指したのだった。




