表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/151

69 デニス団長と三人組

 

 ジラン司教が言ってたトワライ王国への襲撃とソルティオが言えなかったロンズデール家の事とは間違いなく繋がっているわ。

 だからソルティオはあの時言わなかった……

 いいえ。まだ、確信が持てないわ。



 クリスティーヌは頭をフル回転させ、知り得る情報を元に自身で仮説を組み立てているのである。


 甲冑の擦れる音と土を蹴る音が次第に近づいてきた。自国の仲間達が砦に戻ってのだ。


「もうすぐデニス隊長達が来ますよ」


「これは割に合わない。クリスティーヌと組むと労力が10倍増しだぜ?おかしいだろ」


「激しく同意する!クリスさん、何でそんなに厄介事に巻き込まれちゃうの?」


 エスイアとジュイナは、信じられない、と連呼しデニスが来れば嫌味で応対してやろうと目論むのである。


「おい!!お前達!何故ここにいる!」


 デニス団長はクリスティーヌ達の姿を見るなり、驚いたように叫び出したのだ。


「どーもこーもありません。俺ら、置いてきぼりなってたんですけどー?」


「は?お前達は避難してたんじゃないのか?」


「してません。なんなら、戦い抜いて自ら勝利をおさめたのですがねぇぇぇぇ?」


「褒められはしても怒鳴られるのは少し違うかと思いますわ」


「いたいけな初級生を戦場に借り出しそのまま放置するなんてね」


 語尾を強めデニスとジュイナは騎士団員や警備兵達を睨みクリスティーヌも混じり話しを続ける。


「多分、警備兵の裏切り者は捕まえてぐるぐる巻きにしてそこら辺に置いたっけな」


「あちらとこちら……あ。防御魔法をかけてますので解除をお願いします」


「デニス団長、ジラン司教がこちらに来られました。()()()()()()()と一緒に。そして、ハミルなのですが……」


 クリスティーヌ達は、この国境の砦で起きた事を報告したのだ。


 裏切り者の警備兵はグレンと言う名で、もう一人の名前はわからないが一緒に捕まえており、砦の中に侵入した傭兵達も捕まえて姿隠しの術で隠している事。

 グレンが黒い魔石を胸に埋め込み、尋常ではない力を手にし暴れ捕縛した後に、ジラン司教と教徒数名、黒のフードの者が様子を確認しにここへきた事、そして彼らはメンドラ国のこの森の中へと入って行った事を詳しく伝えたのである。


「もう一つ気になる事を言っていました。トワライ王国を落とす、と……」


「な!トワライ王国をか?!」


「あちらの国でも黒い魔石で騒がれています。先日ソルティオが来られたのも黒い魔石の件で来られたとか。後日、父のガウスやグラッサ家とも話しをしていたので何かしらの情報はトワライ王国も持っているとは思います」


「そうか。アレクシス王子もその件で色々と動いてるらしいが……一度国王に報告しないと駄目だな。それに、ジラン司教が居ない状態でマッセラ教会はどうなってるのかも知りたい」


 デニスは応援を要請し、国境警備隊を強化する為に一度王都に戻るのだ。

 仮の警備隊はグラッサ家から引退した騎士団員や今の騎士団員達で数日間は補うように手配したのである。


 破壊された砦の修復にはかなりの時間を要するのうだった。たが、ノワズ達の発明品のお陰で数日もすれば復元するだろうとの見解である。


 勿論、クリスティーヌ達三人は事情聴取を含め王都に呼ばれたのであった。


 ーーーーーーーー


「報告は以上だな?いい忘れてた事や補足はないか」


「あーそーいえば、俺達砦に置き去り放置されましたねー」


「そうですわ。怖くて怖くて無我夢中でした」


「必死に私達戦いました」


 重役達、上層部の面々が驚いた顔をしながらクリスティーヌ達の話しを身体を乗り出して根掘り葉掘り質問してきたのだ。


 三人は大袈裟に怖かった等と言いながら、心の中で舌を出し、デニスが上層部からこっ酷く怒られてしまえ作戦を決行するのである。


 "デニス団長、絶対俺達の事忘れてたな"


 "それか、私達ならいけるだろう、とか適当な事思ってたんでしょ"


 "ジュイナの意見に同意だわ"


 上層部の聴き取り調査中にも関わらず、念話で雑談し次はデニスに何をしてやろうかと目論む

 のであった。


 聴き取りが終わると、三人は隣の部屋へと案内され飲み物や茶菓子が用意されここで少し待つようにと言われたのだ。


「まだ続くの?」


「流石に疲れましたわ」


「同じ事を二度も三度も話すと疲れるよな」


 ノワズが開発した魔導具も提出し、話す事は全て話したのにも関わらずまだ何かあるのかと思い、げんなりする三人なのである。


 扉を叩く音が聞こえ、三人の前に現れたのは意外な人物だったのだ。


「お兄様っっ!!」


「やぁ、クリスティーヌ。久しぶりだね」


 スペンサーはクリスティーヌが驚く顔を見て笑い、エスイアとジュイナと互いに挨拶を交わしたのだ。


「さて、挨拶も終わったし積もる話しはしたいところだけど、本題へと入ろうか」


改まったスペンサーにクリスティーヌ達は気を引き締めるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ