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66 メンドラ国の寒い国境

いつもありがとうございますm(_ _)m

誤字報告ありがとうございます。助かります。

何を食べても味がしない境地へといます。味覚って凄く大事ですね。皆様も体調にはお気をつけください。

「あー寒いわ」


「暖かい格好しても寒さには勝てないな」


 エスイアとジュイナは焚き火番をしながら、クリスティーヌの魔獣フェンリルに包まりふさふさとした毛に抱きつき暖を取っているのである。クリスティーヌはというと、瓶底メガネが寒さで凍ってしまうので必死に溶かしては着けるの無駄な作業をしているのだ。


 もう皆、素顔は知ってるから取ればいいのに、とエスイアとジュイナが思っていても口にする事はなかったのである。


 ここはニズカザン帝国とメンドラ国の国境にあるニズカザン国境警備の砦の中なのだ。


 ここから外に出る為には通行許可証が必要であり、検閲も兼ねているのである。

 最近はたまに荷車が入る程度位しか通らないのだが、少し前までは人通りも多く行列ができる程でこんなに寂しい状況ではなかったのだ。


 クリスティーヌと騎士団一行は王都から極秘任命され、2日前にこの砦へと着いたのである。

 現在メンドラ国からの不穏な動きは止まっているが、雇われ傭兵と思われる者達が国境付近に集結しているのは間違いないのだ。


 マッセラ教会の動きはまだわからないが、熱心に黒い魔石をばら撒く作業は怠っていないらしい。しかし、こちら側もただ指を加えて見ている訳ではないのだ。


 C組の魔導具発明のリーダーと言えば博士ことノワズである。なければ作れば良いと考える精神から発想がきているらしく、あったら便利だなと言うものから、どうでも良いような発明もあるのだ。


 ノワズ達のグループが以前発明し、模擬戦で使用した特定の物を読み込ませそれ以外の物は探知して弾くという薬品を応用し黒い魔石探知できる小型機械を作ったのである。機械と言っても掌位の大きさであり、取り付けも簡単なのだ。

 土魔法の応用で国境警備のある外壁に全て埋め込まれ、入り口では地面に埋められたりしている。そこを黒の魔石が通れば紅く光り、反応するという簡単な仕組みなのである。


 探知機のお陰で密輸などは大幅に減っているのだが、ニズカザン内で製作されている物や探知の範囲がまだ狭いのでそれを越えてでの密輸など全てを阻止は出来ていないという状況なのだ。


「串肉が食べたい……」


「寒いから肉シチューでも良くないか?」


「普通にラクッシュでも良いんじゃない?」


「賛成!」


「ラクッシュ飲みたい」


 クリスティーヌ達はメンドラ国からの攻撃に備える為にここへ招集されたのだが、当の本人達はキャンプか何か遊びに来た感覚でおり緊迫感が全くないのである。


 エスイアが牛乳と香りのする魔草をすり潰した物が入っている袋を鍋に入れひと煮立ちさせハチミツを回し入れる。それぞれのカップに均等に入れ手渡したのだ。


「あ〜……生き返る」


 クリスティーヌは眼鏡を曇らせながら、ほくほくと美味しそうにラクッシュを口にする。


「エスイアのラクッシュ美味しい。香草のブレンドが良いわね」


「メリッサが教えてくれたんだよ。疲労回復や体温持続にも良いからって出立直前にレシピ集を持ってきてくれたんだ」


 ジュイナは納得、という顔をしながら頷きメリッサの心遣いに感謝しながらゆっくりとラクッシュを飲み干したのである。


 三人が平和にのんびりとラクッシュを飲んでいる傍ら、デニスと騎士団員達が少し妙な点に気付き始めたのだった。


「デニス団長。国境警備隊の人数が少なくありませんか?」


「俺もそれは気になった。人数を減らす等とは話しに上がってなかったよな」


 デニスと騎士団員の一人は囁くような小声で話、念の為周りに聞かれないように自分達の周りを防音の魔法をかけたのだ。


「何かの罠かもしれん。警備隊の連中には気付かれないように、備えろ。まだ誰が信用できるかわからん」


「わかりました。王立学園の生徒達には伝えますか?」


「あぁ。まぁ、あの三人なら大丈夫だろう」


 騎士団員は素早く他の団員達に連絡し、警備隊達に悟られないように着実に応戦できる準備に入ったのだ。


「グレン警備隊長達はどこだ?」


 デニスは警備兵に聞くが、誰もわからない、と言うのだ。


 すると、警備門が轟音を立て爆発したのである。



 まさか……!!



 デニスは最悪の事態を考え、騎士団達に応戦する事を伝える。

 城壁の結界は解除され、次から次へと上からも下からも魔獣や火が降り注ぎ、城壁も爆発を繰り返しとても応戦出来る状況ではなかったのだ。あっと言う間の事だった。


「一時撤退!下がれ!!」


 デニス達騎士団は相手の予想外の攻撃により一時撤退を余儀なくされるのである。


 騎士団や警備兵の一部がこうなっている中、クリスティーヌ達は何も知らず少し離れた場所でフェンリルの側にいたのである。


「少し騒がしくなってきたな。何かあったのか?」


 エスイアが先に気付き、クリスティーヌとジュイナに聞くが全くあてにならない返事がかえってくるのだ。腰を上げ、目を凝らすと警備の砦から火の手が上がり煙が舞っているのが見えるたのである。


「なぁ。何か不味いことになってる気がするぞ」


 土の踏む音が聞こえ、三人はあっと言う間に武装している傭兵と魔獣達に囲まれてしまったのである。


 ジュイナは少し慌て気味に立ち上がり、クリスティーヌを足で突っつき立ち上がらせ何が起きても良いように魔法を使える準備をし、念話を始めたのだ。


「これはこれは。子供達が何故こんな所にいるのか」


 不気味な口元をしながら、甲冑と剣を持った男がこちらに一歩近付き話しを続ける。


「こいつらは捕虜になってもらおうか。それとも俺達の楽しみにするか」


 リーダーと思われる男の汚い笑い声と共鳴するかのように、周りの傭兵達も汚い笑い声を上げ野次を飛ばしながらジリジリと、三人ににじり寄っているのである。


 "合図で一斉に行ないますわよ"


 "文句もいってられねーからのってやるよ"


 "りょーかーい"


三人は念話を通し作戦を立てたのだ。


"今よ"

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