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5 婚約者ダニエル

何度も書き上げたものが消えてしまい、脱力中です。物語を読んで頂いてありがとうございます。

 デジュの赤い葉が全て落ちた頃クリスティーヌは父親のガウス・エルノーワから呼び出されたのである。


 そう。例の()()が来たのだ。

 クリスティーヌは、あのクソおと…いえ、ダニエルとの婚約話に間違いない、と確信をしているのだ。


 クリスティーヌは、それとなくダニエルとの婚決まりそうな噂を聞いた、と伝えたうえで、ダニエルとの婚約をしたくないから助けて欲しいとマリエルに懇願し作戦を立てようとしていたのだ。


 結論から言おう。

 全く打開策案など立てていない。


 よく考えてみてほしい。

 病み上がり初日に自分の魔力を確かめる為だけに、家を飛び出し魔法をぶっ放すような令嬢とそれにお供するスーパー侍女である。卓上で静かに打開策案を出している訳がない。


 いつの間にか軽装に着替え、颯爽と森や草原に行き訓練という名の新しい魔法や魔獣の探索に力を入れ1日が終わるのである。


「何とかなりますわ!」


 当のクリスティーヌは超がつくほど楽観的、いや開き直りなのか、その自信はどこから出てくるのか全く不明なのである。

 ただ考えるのが面倒臭いので放置しているだけ、とは口が避けても言えないマリエルはそっと見守るしかないのであった。後に世の中そんなに甘くない、とクリスティーヌは実感する事となる。


 クリスティーヌは緊張しながら、廊下を歩き父の執務室の立派な焦げ茶色の扉を軽くたたく。


「入れ」


 すると、中からバリトンボイスの声がし、直ぐに扉が開かれたのだ。中から少し白髪混じりの執事のネイズが現れ中に入るように促された。クリスティーヌは静かに部屋へ入り、ドレスの両端を軽くつまみ婦女のお辞儀をする。


「ごきげんよう、お父様。」


 クリスティーヌが顔をあげると、奥の立派な机にガウスが座っていた。歳の割には若く見え、時々ブラウンの髪をぐしゃぐしゃと掻きむしりながら、左右に高く積み上げられた紙の束を高速で右から左へと処理をしている。まるで千手観音のようである。


「クリスティーヌ呼び出してすまぬな。まぁそこに座りなさい。」


 クリスティーヌは黒の革張りの椅子に腰掛ける。すぐにメイドのアリーがハーブティーを入れてくれたのだ。ほのかに香るこの匂いは、リラックス効果抜群のカモラル草であり、重大な話に限ってこのハーブティーが出されるのでもう婚約話は確定だとクリスティーヌは悟ったのである。


「実はだな……」

「いやです」


 ガウスが話すと同時にクリスティーヌは言葉を被せ即答した。


 これがクリスティーヌの何とかなりますわよ!作戦。とりあえず()()()と何があっても突っぱねるだけの作戦というにはおこがましい作戦である。


「いやです。婚約の話でしょう?」


「そうだ。バードン家の次男ダニエル・バードンとの婚約の話だ」


 悲痛な顔でガウスは続ける。


「実はな、以前から何度も打診されていてな。何度もお断りしたのだが、先方が一枚上手だったのだ。殿下を味方につけてしまってな。王命で言われてしまえば逆らえんよ。クリスティーヌ…すまない。何か打開策があるまでの間で良いから婚約を結んでもらいたい。ジュリエッタもスペンサーも回避できないかと動いているんだ」


 クリスティーヌは無表情で、"わかりました。"とだけしか言えなかった。

 流石に王族から話をもって来られては、いち公爵家の人間とはいえ理由なく断れないのだ。

 それを十分にわかっている分、クリスティーヌは仕方がないと婚約の件は受け入れたのだ。


 直ぐさま自室に戻りベッドにダイブし、枕に顔を埋め頭の中で絶叫する。


 はあぁぁぁぁ??

 子供が子供なら親も親ですわ!

 王族使うなんって厚かましい!

 どうせ金が目当てとおっしゃるなら他の金持ちに行けばよろしいのにっっっ!

 きぃぃぃ!悔しい!悔しい!

 こうなったらフェンリルを必ず手に入れてアイツを餌とするべきね!

 それとも超猛毒のマヒフ茸を食べさせて毒殺するのも1つの手ですわ!笑い死にも楽しそうですわね。フフフ。コレをあーして……この猛毒蜘蛛のエキスを使うのも……フフフ……


 クリスティーヌは、よっぽど悔しいのか、足をバタバタさせながら結婚破棄作戦から、完全暗殺計画に変更し今ある知識をフルに使い考える。


 あーダメですわ。

 今の知識だけでは完全暗殺!完全犯罪!にはなりませんわ。

 もっと知識が必要ですわ。

 もっと身体能力をあげる事が必要ですわ。

 近いうちに憎きダニエルと顔合わせがあるとか……


 前回は顔は良いと言われましたし、瓶底メガネをかけて地味路線でいきましょう。地味だし性格が合わないとダニエルから婚約破棄を申してもらえるようにしましょう。メガネをかけているだけで馬鹿にする低俗な男の代表ダニエルですからね。絶対に食いついてきますわ!だってお洒落メガネではなく瓶底なんですもの!


 それから1時間程、超低レベルなクリスティーヌの1人脳内討議会は続いたのであった。

瓶底メガネの出番はもうすぐ。

見て頂きありがとうございます。



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