40 一先ず決着?ですよ
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クラス対抗模擬戦は黒いフードの者達によって予想外の事が起きたが、C組は文句なしの優勝だった。
二本の旗を獲ったのはもちろんの事、クリスティーヌの解毒、仲間の避難、黒いフードの者達の撃退等が評価されたのである。
1年の部の最優秀生徒はルーダが選ばれた。
C組の個々の実力は勿論だが、生徒それぞれの得意な事を活かし最大限発揮させ臨機応変にかつ的確に配置出来た戦術が評価されたのだ。
A組とB組の敗因は間違いなくC組を侮ってしまった事だと大半の生徒は納得しているが、一部の生徒は未だに納得していない。
だが、アレクシスの一言で表立って文句を言う者はいなくなった。フランが、やっと王子の威厳が、と目を潤ませていた事は秘密である。
模擬戦当日の後処理は教師が慌ただしく現状把握、王宮への報告をしたり、怪我人や訓練所の安全確認をしたりと大忙しだった。
コダックが、何でこんな事になっているんだ、とボヤいており雑務の一部を書類処理が得意なC組の生徒が請け負っていた事は秘密である。
そして次の日から数日、一部の生徒は教官や王都のお偉いさん達に呼ばれ事情を詳しく話さなければならなかった。勿論、C組は全員が事情聴取を受け皆ぐったりした表情で一日が終わり寮へ戻ったのだ。
余談であるがツユナの解毒の速さを聞きつけ、国の魔草と調合の巨匠達がこぞってC組の調合と医療に携わった生徒に猛アプローチをかけてきた。それによって、コダックは更に仕事が増え、スペンサー特性ドリンクをコダック仕様に作ってもらい乗り切ったのである。
そして、クリスティーヌは幸い後遺症も残る事なく、元気に過ごせるようになっている。エレノーワ家から感謝と称し、C組にスペンサー著者の調合書と魔草学書の本、貴重な魔草を送られた。
入手困難である魔草学書ー極みーも送られる事となり、生徒達は大喜びし届いた日にはコダックの授業は失われ、実験や野外活動に当てられた。コダックがまた頭を抱えたのは言うまでもない。
マーガレットとダニエルは、またもや証拠不十分であり何も確証が無い為にお咎め無し。
これについてはC組が猛抗議をしたのだが、確たる裏付けが取れない為に仕方なかったのだ。相手は貴族である以上生半可な証拠では立件できず、逆に不躾だと何か要求される恐れがある。
それを聞いたC組は始め憤慨していたが、ルーダとカミラがなにやらゴニョゴニョと話しをしC組を笑顔で納得させたのだ。ゴニョゴニョは秘密らしくC組誰一人聞かれても口を割らなく、コダックの悩みの種となるのはまた別のお話。
マーガレットは聴取中にも悪態をついており、ダニエルと共に知らぬ、存ぜぬしか言わなかった。だが、今回の件により黒のフード達と関係あるとほぼ確定しており、限りなく黒に近いとアレクシス達も理解している。2人は要注意人物として国の機関が見張るようになったのだ。
そして、一緒にいた2人の生徒達が主に今回の件に関わっていたとみられる。
王都の騎士団やお偉いさん方の捜索によると、両家は共に黒のフード達と関わりがあるとされる団体に所属しており、家宅捜索した際に危険物や書類等の証拠品を数点押収している。危険物が何なのかは不明だが、今回の件に関わっていたという重要な証拠となる書類も見つかったのだ。
押収した次の日に、両家が共に火災事故が起きたのだ。火の不始末が原因とされているが、きっと証拠隠滅を図ったのだと推測されている。
両家の処分は今回の件で爵位返還しお家は取り壊し、平民として過ごすように国の監視の元田舎の農村地帯への移住を命じられたのだ。勿論、生徒2人は王立学園から退学し平民として家から近くの学園に通う事となる。
一先ず今回の件は決着したのだが、黒のフードの者達が何の為にクリスティーヌを殺害しようとしたのか、ハミルは何を目的としているのかが何も解明されていない状態である。
アレクシスはフランと共に一時王宮へと、殿下と近衛騎士団長やお偉いさん方と会議をする為に戻ったのである。
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模擬戦から一ヶ月後、デジュの樹の葉は青々と色付き太陽の日差しが一層強くなってきた。
C組は相変わらず、何やらあそびと称し実験を毎日している。
勿論、実験の効能を試されるのはC組担任のコダックだ。
そんなある日の事である。
「お前達……もうすぐ夏休暇が始まるからと言って浮かれているんじゃないだろうな」
「そんな事はありません。C組の皆はコダック先生を思って行動しています」
ルーダが笑いを堪えながら、真剣なふりをする。
「ルーダ。これはここをこうしないとだめよ」
カミラはコダックの話しを半分聞き流し、盤上の駒を一気に置き換える。
「うわっ!なんだ!その手は!」
ルーダは驚きカミラの顔を見るとカミラはにっこりと笑い、鬼の鉄槌様から伝授されたの、と目をきらきらと輝かせながらうっとりと話しだす。
カミラの為に言っておこう。決してべニックに恋心を抱いている訳ではなく、べニックの戦術にうっとりとしているのだ。
周りの生徒達は始まった、と察し目を合わせないようにする。こうなってしまったカミラに捕まった者は永遠とべニックの戦術がいかに素晴らしいかを語るのだ。それに付き合えるのはルーダとコダックしかいないのである。ある意味クリスティーヌと同種であり、そのような生徒が集まるのがC組なのだ。
昼の鐘が鳴り、生徒達が昼食をとる為に廊下がざわつき始める。
A組からレイアスとケントがやってくる。二人共貴族なのに気さくであり、勉学に熱心な為にC組から受け入れられている。
「クリス、夏の休暇は何をなさるの?」
「んー、マリエルと隣国のトワライ王国へと行く予定ですわ」
「トワライ王国?あぁ、確か水の国と言われているよね?」
ケントがそう言いながら、目でメリッサを探している。
「ケント。メリッサなら今日は食堂へ行くと言ってましたわよ?」
くすくすと笑うクリスティーヌの言葉に残念そうにするケント。そんなケントにレイアスが愛の鞭をお見舞する。
「夏の休暇明けの学園パーティーにメリッサを誘うと意気込みをして何日になりますの?メリッサは可愛らしいですし、他の殿方達がほおっていませんわよ?」
ケントは目を見開き直ぐに心を決めたように足早に教室を出て行った。
ケントは調合が得意なメリッサと話が合い、色々と調合や治癒を語るうちにいつの間にか惹かれていたのだ。一部の生徒はその事を知っているが、この国の王子のアレクシスがケントを恋敵と勘違いしているので面白半分でその事を伝えていない。なんとも心優しいC組の生徒達である。
「話しが逸れましたわね。トワライ国で何をなさるの?クリスが隣国へ行くということはきっと魔獣関係ですわよね?」
レイアスが呆れたようにクリスの瓶底眼鏡を取り、まだつけてらしてる、とブツブツと何かを言っている。
「うふふ。そうですの!水の国と言えば、あれですわ!」
クリスが嬉しそうに水の国と言われるトワライ王国の魔獣をこんこんと話し続け、鐘に救われたレイアスはげっそりした顔で自身の教室へと戻って行ったのである。




