39 奇抜作戦成功②
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「この黒い草の蔦はマセージアの樹の蔦だ。マセージアは別名縄張りの樹」
ルーダが冷たく話すとダニエルはみるみると顔が真っ青になる。マーガレットはルーダが何を言いたいのかわかっておらず、何度も同じ言葉を繰り返し暴言を吐き続ける。
「そんな事なんともないじゃない!ただ宿舎を見にきただけよ!何がおかしいのよ」
「おめでたい頭だな。さっきの防音と幻影を仕掛た場所から僅かな魔力を取り出しマセージアに記憶させたんだよ。つまり、ここで捕まるということは……ここまで言えばわかるだろう?」
ルーダは、クリスティーヌを始末出来たのか確認する為にきっと同じ奴等がまた来ると予想していた。
怪しい場所から直ぐに魔力を取り出し、C組で一番隠密行動が出来る生徒に直ぐに宿舎に罠をはるように指示をしていたのだ。宿舎に罠をはったのは、犯人を炙り出す為だ。マーガレット達が到着する迄に間に合うかは一か八かだったが成功したようである。
マセージアの樹は排除したい者、つまり近寄らせたくない者をその場で捕獲出来る特殊な樹木である。
「なっ…!!」
マーガレットは口ごもり、その場にいる全ての者はマーガレットとダニエル、他の2人の生徒に疑いの目を向ける。
「さて、詳しく説明してもらおうか」
アレクシスがフランと共に一歩前に出た。雨足は緩やかになっているが、皆びしょびしょに濡れている。
「私は何も知らないわよ!そこの生徒達はどうなのよ!」
マーガレットは金切り声を上げ、他の捕まっている生徒達に顎をしゃくり、自分は無実だ、と何度も叫ぶ。他の捕まっている生徒はマーガレットに恋心を抱いていると噂されている男爵家の男子生徒二人だ。二人共目が虚ろになり、何かブツブツと呟いていて気味が悪い。
「この二人の様子がおかしかったから、ついてきたんだ」
ダニエルはアレクシスにそう言い切り、先程まで青ざめた顔はどこにいったのかドヤ顔を皆に披露する。
「まぁ後ほどゆっくりと聞けますしね。このお二人の生徒は尋常ではないのでそのまま結界に居て頂きましょう」
にっこりと不敵な笑みを浮かべ結界を展開するフランを見て皆ぎょっとした。その笑みの裏にはどす黒い何かが隠れているのは見てとれる。ダニエルは顔を引きつらせながら上から返事をし、拘束を一時的に解かれた。教師達も外に出てきて状況を把握しようとする。
「さてと、俺らはお迎えに行かなきゃなんねーんだよ」
エスイアがそう言いジュイナと数名の生徒達が踵を返しもと来た道へ戻る。数名の教師達が慌てて一緒に同行すると言ってきたが断り、コダックだけ行く事にした。
「あ。王子さまもくるかい?」
ルーダはアレクシスに尋ねる。アレクシスは静かに頷いた。歩いて行くと時間がかかる為、生徒が数名飛行タイプの魔獣を召喚しそれぞれ分けて乗る。アレクシスは亜種赤龍に茶色の髪の生徒と一緒に乗る。一同は穴がぽっかりあいた場所、C組の陣地へと向かうのだった。
飛行中、何度もアレクシスがクリスティーヌを見て、本当にクリスだよな、と何度も聞くものだからクリスティーヌはずっと笑っていた。周りのC組の生徒は2人を生温かい目で見守っている。
直ぐに目的地へ着くと、コダックは言葉を失った。辺りは大きな穴があき雨のせいで水が溜ってきている。何があったのか分からないコダックにルーダが説明する。時折、コダックが質問しエスイアやジュイナが答えるのだ。
「他のC組は……その……なんだ……、もう居ないのか?」
顔を青ざめさせ、声を震わせながら、コダックはルーダに聞く。
「あれ?言ってませんでした?大丈夫ですよ。なんの為にこの作戦考えていたのやら」
きょとんとした顔をするルーダに怪訝そうな顔つきをするコダック。コダックが、本当なのか?、とジュイナに声をかけると、ジュイナは穴の少し離れた所へ迷わず走り出した。そして、手に魔力を込め地面に手をおくと魔法陣が展開され残りのC組の生徒達が現れる。
コダックとアレクシスは目を白黒させながら、状況がいまいち掴めていない様子だった。C組のカミラ達とルーダの攻撃班は、お互いに成功した事に歓喜をあげ喜ぶ。皆、雨と泥塗れでもはや誰が誰なのかわからない状況だ。
ルーダはコダックとアレクシスに説明をする。
クリスティーヌが毒の攻撃を受けたあと、必ず敵はクリスティーヌの安否確認の為に陣地に来る、そして攻撃を仕掛けて来るだろうと予想をしふた手に分かれた。ルーダの班はA組の旗奪還とクリスティーヌの隠れ蓑。クリスティーヌは変化の魔法で茶色の髪の生徒に変装しており、解毒は完了している。
カミラ班は敵襲を受け撤退する前提で、土魔法と防御魔法を得意とする者を置き地下に逃げていたという。勿論、魔導具を駆使し旗もそのまま地下に隠し、ほとぼりが冷めるかルーダ達の迎えが来るまで地下に待機しているという事だった。野営ではなく、地下へ潜ったのだ。
もしも、敵に地下にいる事がバレてしまっていたら、カミラ組は全滅してただろうと。奇抜な一か八かの作戦だったのだ。
淡々と話すルーダにコダックは突っ込みたい気持ちを抑え、自分達の元へ早便が届かなかった理由も加味し黙って話を聞いた。
「で、カミラ達から話しを聞くと黒いフードの者達が数名来た、と言うんだ。攻撃してきた者達は殲滅したのだが、王子が何か心当たりがあるんじゃないかなぁーと思ってここに来てもらったんだ」
「黒いフード……心当たりある。2年前の王都襲撃の犯人達だ」
その言葉を聞いた周りの者は顔をつきを変えた。黒いフード達の仕業ならば、きっとハミルも関わっているに違いない。そしてここ数年はニズカザンでは何も起こらなかったが、周辺国では黒いフード達の悪行の噂が流れている。
クリスティーヌに毒を放って殺そうとした理由も確実ではないが予想はついたのだ。




