34 これがCクラスですよ
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生徒達が集まる中、学園長からのお言葉で始まり教師からの注意事項が説明される。
雲一つない晴天に恵まれた。ラッパのファンファーレが鳴り響き、模擬戦が始まった。
ルールは至ってシンプル。陣地のカラー旗をとれば勝ち、それのみだ。勿論、細かい決まりはある。死に至らしめてはいけない、毒や催眠は使ってはいけない、賄賂で買収してはいけない等だ。危険行為をする者は全て失格となり、夏の講習会の参加が確定する。
AクラスとBクラスはやはり金を使い色々と道具を準備をしている。Cクラスは基本自分達で作る、というものだ。
Cクラスは早々に自らの担当場所を受け持ち、迅速に陣地を作り上げる。勿論、お得意のお遊びから始まった道具や罠もふんだんに使う。
一人の生徒が顔面蒼白で慌てて走ってきた。
「折角調合した瓶が割られている!残っているのは数本のみだ…」
皆どうしようか唖然としたが、メリッサが機転を利かしポウマの実を渡す。調合が得意な者と一緒に数本の調合薬を精製させ増やす。
「教員室にあったやつなのに……きっと他のクラスの嫌がらせだな」
「たく、汚い奴らだぜ」
「開始前に壊すなんて許せませんわ」
更に闘志を燃やす。
「皆!予想外の事が起きてもメリッサみたいに落ち着いて行動しよう!俺達は必ず勝つ!」
ルーダが叫び士気をあげる。実質、このクラスのリーダーであり戦術を指揮する人物だ。カミラと共に、着々と準備を進める。
「クリス!そろそろいい時間だ!1発ブチかましてこい!」
「わかった!皆、後は頼みます!」
「クリスちゃん!頑張って!」
「お前の成功祈るぞ!」
「クリスさん、待ってますね!」
それぞれ色んな場所から声がかかる。
皆からの声援を背にクリスティーヌは魔法陣を展開し、フェンリルを召喚する。フェンリルに飛び乗り敵陣へと進むのだ。
AクラスとBクラスの見える見晴らしの良い場所に行き、両方の備蓄と武器庫の上に同時に魔法陣を展開し、全て燃やし尽くす。
両クラスは、敵襲だ、と慌てふためき対応が追いつかない状態だ。
「よし、最初の一発目は上々ね」
クリスティーヌは早便の手紙をルーダに送る。
そして次の作戦に取り掛かるのだ。
この作戦は第一にクリスティーヌの先制攻撃がものを言わす。クラスの中で断トツで魔力があり攻撃も出来るクリスティーヌだからできる作戦である。
木々が擦れ、何か物音がしたと同時にナイフが数本飛んできた。クリスティーヌはかわしたが、避けきれなかった1本のナイフが脚をすってしまったのだ。パンツは切れじわじわと赤く染まっていく。フェンリルは分が悪い事を察し、クリスティーヌを乗せたまま崖から飛び降り、急いで自陣地へと走る。その間、クリスティーヌは段々と意識が朦朧としてフェンリルに捕まるのがやっとになってくる。
駄目だ。油断していた。目を開けるのが辛い……
目の前が次第に暗くなり、クリスティーヌはそのまま意識を手放した。
Cクラスの陣地にフェンリルが滑り込むように着くと、クリスティーヌが背中から転げ落ちた。皆驚いたが転がるクリスティーヌを見て顔面蒼白になる。医療班と調合班が一緒になり、クリスティーヌの処置に当たる。クリスティーヌは顔色が悪く全身に大粒の汗をかき、意識が無い状態だ。右脚にはナイフで切った痕があり、患部は切り口から徐々に紫に変色しだしている。
「ルーダ!!これは毒だ!この試合には毒を使ってはいけないはずなのになんでだ!」
「なんだと!クリスちゃんは大丈夫か?!」
「メリッサ!これはツユナの毒じゃないか?」
「間違いありません。早く対処しないとクリスさんの命が危ない」
「よし!医療班と調合班はクリスの解毒に取りかかってくれ。カミラはコダック先生に緊急の早便を出してくれ。他の皆はそのまま作業と攻撃をしかけるぞ。クリスちゃんの事は心配だと思うが、元気になった時に負けてたらクリスちゃんの攻撃が無駄になる。絶対にやるぞ」
ルーダが全員に指示を出す。
Cクラス全体に緊迫した空気が漂う。
Cクラスはこんな状況の中でも立て直し、第2弾の攻撃を仕掛ける。攻撃班は自身の傑作の魔導具を駆使するのだ。身体強化をし、数人が陣地近くに忍びより引き金を引く。すると、丸い球が陣地に入り、異臭を放つ。催涙は禁止なので異臭を使う。同様に他の陣地にも攻撃を仕掛ける。混乱をお見舞いするのだ。
魔法が得意な者は、自陣地全体に防御魔法を使う。魔獣を召喚し、近くにきた者を察知し、対応できるようにしておく。
敵陣からの偵察がきた。
攻撃班は魔獣に向かって、球を撃つ。勿論当てるつもりはさらさら無い。魔獣近くで破裂すると異臭のせいで鼻が効かなくなり、役に立たなくさせるのだ。魔獣の特性を知っていないと出来ない技だ。
敵陣もやられてばかりではいない。
こちらに向かって攻撃を仕掛けてこようと、忍びよるが、Cクラスの特製罠によって何人も脱落する。驚く事にCクラスの者が踏んでも反応しないようにできているのだ。
皆腕か足首に紐で編んだ特殊な紐をつけている。調合が得意な者が反応を無効にする薬を作り、手芸が得意な者が、糸にその特製薬と別の魔法をかけながら紐を編むのだ。そうすれば、特製罠には反応しないようになる。自爆を防ぐ為の工作だ。
穴に落ちた者はスモ小人達によって捕縛されている。勿論、スモ小人とは掌程の大きさの人型魔獣であり、C組の手芸が得意な女生徒から召喚されているのだ。
空からも陸からも、敵からの召喚した魔獣が出てくる。
C組の女子達が球に魔力を込め、魔獣を狙う。相手も抵抗して、火炎を球にぶつけたり、剣で切り落とそうとする。
球が割れ、中から糸が飛び出て身体につく。取ろうとすればする程身体にまとわりつく。糸はカラムの樹液を応用した物であり、一度樹液が付くと専用の調合液がないと取れない。
もがく度に糸に絡まり、終いには繭のような状態で地面に転がる。魔獣の糸を取ろうとした者も糸が纏わり付き、絡まり手足の自由を奪われ同じように繭になり地面に転がる。魔力を込めた分、逃げても追いかけられるという面倒くさい道具になっているのだ。
開発した生徒達はニンマリとしたあと、ハイタッチをする。これは後に改良を重ね、軍事の飛行タイプの追跡魔獣攻撃に応用される。
一気に捕虜が増えた。組によってカラーのスカーフをどこかしらに付けているのでどこの組なのか一目瞭然である。今の所、クリスティーヌ以外は無事みたいだ。
天才か!って思いますが、若い発想は奇想天外なんです




