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32 クラスメイトですよ

いつもありがとうございます。

ブックマークにPV励みになっております。

 休み時間になると以前顔の傷を治してくれた赤毛の男子生徒がCクラスにくる。レイアスとも仲良くなったらしく、一緒にクリスティーヌの元へ来て実験の話をする。


 赤毛の彼は、ケント・ポリック辺境伯爵の3男であり治癒魔法を得意とし、将来は医療の分野で活躍したいと日々勉学に励んでいると言う。


 レイアスも頭が切れ、情勢などにすこぶる詳しい為ケントと話が合うらしい。


 ケントが来ると第2王子のアレクシスが機嫌悪くなるのはCクラスでの周知であり、触らぬ神にナンチャラ精神で触れないでおく事が暗黙のルールになっている。お子ちゃまアレクシスは何時まで経ってもお子ちゃまらしい。


 最近、Cクラスに他クラスが入れないようになっている。それは、近々クラス対抗模擬戦がある為だ。勿論、他のクラスも同じである。


 AクラスとBクラスはほぼ貴族ばかりのクラスだ。Cクラスは半分が平民で半分が名ばかりの爵位持ちと少し貴族の特殊なクラスである。


 創立当初から貴族クラスは毎年お金に物をいわせ勝利し、Cクラスは歴代負け続けているという。教師の中でも今年はどうなるのか、と話しているらしいがやはりCクラスは眼中にないらしい。因みに優勝候補は王子のいるBクラスだそうだ。

 コダックがCクラスの魔法学中に口を滑らせ、Cクラスは眼中にないらしいぞー、と言ったのだ。Cクラスは表面上温和だが、変な所で負けず嫌いなのである。1番火をつけてはいけない者達に着火してしまったのだ。


 コダック先生の魔法学の時間=クラス対抗模擬戦の準備時間と皆、脳内変換されたのは言うまでもない。


 Cクラスは非常に勉学に熱心であり、それぞれ得意な分野が違うが、それを補う為に教えあったりしている。貴族の無駄なプライドが無い為にできる事だ。中には、貴族達に嫌がらせをされている者もいる為にやる気に火をつけた者もいる。


「おいおーい、今は魔法学の時間だぞー」


 コダック先生は周りを見渡しながら声をかけるが、皆無視だ。あちらこちらで固まって何か作業をしているらしい。


「クリスさーん!これでどうかな?」


 男子生徒が手をあげ大きめの声でクリスティーヌを呼ぶ。そこには数人の生徒が試験管やビーカーなどを使って何やら怪しい液を作っている。


「うーん、効果がどうかわからないわよね。誰かが実験対象になってもらわないと駄目だわ」


 クリスティーヌとメリッサと男子生徒達とキョロキョロと目ぼしい人物を探す。皆一斉に()()()で目を止めた。


「何だ!お前らなんだ!さっきまで無視してたじゃないか。ん?なんだその紫の液体……」


 男子生徒たちがコダックを抑えメリッサがコダックに紫の液体をかける。


 教室にコダックの絶叫が木霊するが、誰も気にしない。


「中々宜しいですわ。これは使える。流石ですわ!メリッサ!ノワズさん、ラムさん、ノックスさん!やりましたね!」


 メリッサと男子生徒達も嬉しそうにクリスティーヌと喜ぶ。ラムが、これを応用して〜……と更に案を出す。それぞれが得意分野で活躍しているのだ。


「おーい!クリスちゃん!こっちにきてくれ!」


 黒髪を後ろで一纏めにしている男子生徒ルーダが呼ぶ。


「ここをどうしようか迷ってるんだよな。ここをこうしたら、こうなるだろ?」


「こっちをこうしたら、こうなるんじゃい?」


 別の栗色の髪をした女生徒カミラが答える。

 二人してあーだこうだと言いながら盤上の駒を操っている。


「ここでこれを使うのでしょ、でコレはここで使うのでしょ。ならここはどうしたらいいのかしら?」


 クリスティーヌが駒を置きながら聞くと2人は同時に何か閃いたらしく、ブツブツと相談しながら目にも止まらぬ速さで駒をコツコツと置いては取り、置いては取りを何度も繰り返している。


「クリスちゃん、AクラスとBクラスの要注意人物をはこのリストである分で良いのかしら?」


「えぇ。Aクラスはケントの治癒とレイアスの戦術、それと攻撃が高いこちらの方々をマークよ。Bクラスは王子とフランが厄介ですわね。ジェシカとダニエルも魔力は高いですわ」


「そうなると……うちのクラスは接近戦に弱くなってしまうな。それをどう補えば良いのだろうか……なるほど!それで()()か!」


 2人は更にブツブツと相談し、時折他のグループにいってはどんな物なのかを確認している。


 彼等に任せていれば、戦術は完璧そうだ。


 そしてクリスティーヌは大事な事をしなければならない。グラッサ家とエレノーワ家に早便の手紙を出した。


「コダック先生!クラス対抗模擬戦の為に明後日から授業はお休みになりますわよね?先生がいないと困りますので、明後日から1週間グラッサ家にお越しになってください」


 クリスティーヌはニッコリと笑顔で伝える。その笑顔には無言の圧力が込められていた。


「お前な……教師脅すとはどんな生徒だよ。わかったよ。グラッサ家だな。何でグラッサ家なんだ?」


「良かったです。先生がお断りしようものなら、拉致してお連れしようと思ってましたの。手荒な真似をしなくて済みましたわ。着いたらわかりますわ。グラッサ家は私の第2の家ですから、楽しみですわ」


 ウフフ。と微笑むクリスティーヌを見て背中がゾクリとし身震いをするコダック。


 昼の鐘がなるとCクラスの貴族班が一斉に何か持ち外に出始めた。それぞれ目星い人物を見つけると接触し何か話をしている。


 一体何をしてるんだ。

 俺は……本当にこのクラスを1年みれるのか?


 コダックは異様な光景に唖然とし、早々と教師を受けた事を後悔するのである。卒業する頃にはコダックの評価がうなぎ登りになっていた事はまた別の話である。

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